首切り役人
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くびきりやくにん
『葬送のフリーレン』に登場するグループ名。
魔族の名だたる実力者集団「七崩賢」の1人、断頭台のアウラ直属の3人の部下たち。
80年前に侵攻に失敗したグラナド領の再侵攻を果たすべく、領域全体を覆う結界を解かせる目的で和睦の使者を装って送り込まれた。
前日譚小説『放浪する天秤』では、リュグナーは長い間アウラが魔族に服従させる魔法を使うところを見たことがなかったらしく、アウラは"役人"たちを完全に支配せずその裁量に任せる部分が多かったことが描写されている。
CV:諏訪部順一
メイン画像中央の男性。
「首切り役人」のリーダー格。
自身の血液を自在に操る、《血を操る魔法(バルテーリエ)》の使い手。
CV:石見舞菜香
メイン画像右の少女。
人が動いている時の体内の魔力の流れを記憶することで相手の動きをコピーする《模倣する魔法(エアファーゼン)》の使い手。魔力探知に長けている。
CV:大鈴功起
メイン画像左の男性。
高い強度を持つ魔力の糸で相手の首を切断するのが得意。
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リーニエがリュグナーに拾われてから数年後くらいの、まだリーニエが今よりずっと幼い頃の、ある雪の日の話です。 リュグナー視点です。いつの間にかリーニエ中心の日々になっているリュグナーが描きたくて書きました。いつまでもずっと一緒に居て欲しい。3,584文字pixiv小説作品甘い鎖でつながれている
とてもよくない絆で結ばれているリュグナーとリーニエの話を書きました。後ろめたい秘密を共有するふたりを許せないドラート。リュグニエかもしれないし、リーリュグと見れるかもしれません。成人向けではありませんが、不健康ですし、今までの話とは大分テイストが違うので、やさしく穏やかなリュグニエではありません。「こんなリュグニエもifとしてはどうか」と思い書いたものなので、今までのリュグニエとはまた別軸と考えてもらえれば幸いです。過去に書いた「赤い林檎は好きじゃない」というドラート視点の話を踏まえている部分があります。最初はドラート→リュグナー、途中からリュグナー視点のリュグニエ(リーリュグ)にうつります。いつもよりもCP的な表現が多い話です(所謂恋人のようなことはしません)。何でも許せる方向け。 強いストレスを感じると、動物も自分の体を咬んでしまったり、尻尾を舐め続けて脱毛するなどといった自傷行為をすることから話を膨らませています。 ある雨の夜ドラートはリュグナーの腕に残る古い傷を偶然見つけてしまう。それは戦闘で誰かに負わされた傷ではなく、まだ幼いリーニエが遠い昔にリュグナーに作った咬み傷だった。 番犬のくだりは過去に書いた「これはずっと、私の犬(もの)」から。8,673文字pixiv小説作品その花が開くのを、待っている
リュグナーが自分の魔法の研究のための、自分だけの温室を持っていたらいいな……という妄想から始まった話です。入れてもらえはするようになったけれど、リュグナーはリーニエに構うことなく自分の薬草や毒草の世話や観察を続けるので、リーニエはやがてひとり微睡む。 アニメで、リュグナーとリーニエは一緒に居てもそれぞれ別のこと(読書)をしているし、リーニエは椅子で目を閉じていても許されるし……その距離感がとても好きでした。 自分が何をしていても、リュグナーにはリーニエをほったらかしにしているという意識は全くないといいな。見ていないようで、いつも見ていてほしい5,982文字pixiv小説作品毒にも、薬にも
アウラの命令に従いリーニエの面倒をなにかと見てやるリュグナーはいつも大変すぎて、ストレスと疲労による頭痛を起こしているのではないかという妄想の話です。リーニエがまだ小さい頃の話。いつもと違うリュグナーの表情のわずかな変化にもリーニエだけはすぐに気付いていればいいな……傍にいてやわらげてあげてほしい…… ※本文中の今までも気付いていたというくだりで、その時はリーニエは、なんとなく大人しくして置こうとは思っていて、りんごをかじって一人で本を読んだり昼寝をしたり、出来るだけ騒がしくしないようにはしていたんじゃないかなと思います、リュグナーにとっては騒がしいリーニエが当たり前なので覚えていないかもしれないけれど…3,676文字pixiv小説作品私たちはいつまでも未完成
りんごのお酒を飲んでしまったリーニエの世話をリュグナーがするお話です。今まで書いてきたリュグナーとリーニエの話(「焦がされる」、「月を手に入れる方法」、「リーニエはリボンを結べない」)を踏まえています。リュグナーは全く自分にはその気がないのに無意識にリーニエに甘かったり、リーニエもリーニエでリュグナーに従順でありながらも無意識に甘えていたらいいのになと思って書きました。6,998文字pixiv小説作品長い季節が、始まる
リュグニエ、ずっと昔の、まだリーニエが小さかった頃の秋のお話です。夏の中にまだひとり閉じこもったままのリュグナーの元に、リーニエが訪れて、扉をたたく……。 フランメの作った防護結界のために一度アウラ軍勢はグラナト伯爵の城下町に手を出せず敗走していて、リュグナーにアウラが結界の解析をするように命じていたら、リュグナーはかなり大変な思いをしたことがあったんじゃないか…という妄想が下敷きになっています。 長い季節→冬です。穏やかなときほど早く終わって、厳しく寒い冬がくるので。冬は雪が降って、全てを覆い隠す。リュグナーは、リーニエにいつの間にか支えられているという自覚や、大切だという感情も、きっと表に出そうとはしない、すっかり胸のうちにおさめて誰にも知られないようにするのだろうと思うので、それを雪、冬と紐づけたタイトルにしたかった。 リーニエは、リュグナーをきっと、連れ出してくれるし、文句を言ったとしても、きっといつだって寄り添おうとしてくれる、傍に居ようとしてくれる、何があっても。そう信じたい。8,812文字pixiv小説作品月を手に入れる方法(きっと教えてもらえない)
アニメで、リーニエは大体リュグナーのことを真っすぐに見つめて話を聞いたり話しているのに、リュグナーはリーニエのことを真っすぐに見つめて話したり答えるのが少ないな……と思いました。二人の関係性にますます萌えました。そこから書いた、リュグナー←リーニエです。始まれ~~~3,882文字pixiv小説作品赤い林檎は好きじゃない
ドラート視点のリュグナーとリーニエを書いてみたかったので書きました。ドラートが「先走った」のは、リュグナーやアウラに自分を認めて欲しい、手柄を褒めてもらいたいという欲求がとても強かったからかなと思い、そのあたりを書きたかったのと、リュグナーもリーニエもお互いには見せないけれど、それぞれの知らないところで何らかの感情(慈しむという心だったり、愛おしい?という心だったり)を示していたらいいなあと思って、それをドラートがたまたま目撃してモヤモヤする……という話です。ドラートは結構リュグナーが(恋愛的な意味ではないけれども)好きです。それで寵愛を受けている(と見える)、そんなに強そうでないリーニエのことが気に食わない……のでモヤモヤ。本編中ドラートはリーニエを呼んでいないので何と呼んでいたか分からなかったのと、リーニエをライバル視しているのであえて「アレ」とか嫌そうな意味を込めて「リーニエ」と呼ばせています。 リーニエがリュグナーの番犬だとか、幼い頃にリュグナーを闇討ちしようとした魔族から~のくだりは以前投稿した「これは、ずっと私の犬(もの)」から、リーニエのリボンのくだりは「リーニエはリボンが結べない」から、リュグナーの温室のくだりは「その花が開くのを、待っている」で触れています、が、この話単発でも分かるように書いています。 リュグニエ好きだ……9,983文字pixiv小説作品それは、入口のない悪夢だった
ドラート視点のリーニエ×リュグナーです。直接的な行為の台詞や描写はありませんが、リーニエがリュグナーに、様々なことをしていることが分かる文章があります。よくない話なので、ご注意ください。飼われていた子犬がいつの間にか得体の知れない獣に成長していて、飼い主だったはずのものを逆に愛玩する話。 前回「STRANGE PARADISE」で、リーニエの中にリュグナーをどうにかしてしまいたい気持ちが芽生えたところまで書きました。そこまでで本当は終わりたいのですが、それ以上もし進んだら……という妄想を文章にした、完全なifです。「STRANGE PARADISE」以外の話とは繋がっていないし、この先もこの話は続きません。リーニエとリュグナーは、そういうことをしない。それは自分の中でも大前提だったはずなのに、自分の「書いてみたい」という気持ちに負けて書いてしまいました。これきりにするつもりです。許してください。 ※リーニエはけしてリュグナーを騙すために「まだ幼い頃の自分を残すリーニエ」を意識して演じているわけではなく、昔からずっと傍に居たリュグナーの前では昔のままの自分で居ていいと思っているし、自然とそうなってしまうだけ。ありのままの自分をリュグナーの前ではいつも見せている。けれどドラートは幼いリーニエを知らないし、リーニエもあえて誤解を解こうとしないし、ドラートにはリュグナーほどの信頼などはないので、リュグナーとは別の、もう少し他人行儀なふるまいをしている、それがドラートには「演じている」と見えているだけです。 リュグナーはリーニエに何もしません。ただ、されるがまま。リーニエが本当は大人になっていて、もう子供ではないということは、分かっていたつもりだった。でも、リュグナーが思っていたよりももっとリーニエは違うものになっていて、自分の見てきたリーニエや、小さかった時との差に戸惑っている。今までリーニエは自分には何をしても許してもらえると思って平気で甘えてきたのを、リュグナーは仕方ないやつとある程度許してきた。そんなでも、ちゃんと従順に言うことを聞いてきたし、アウラや自分の番犬としてのつとめを素直にこなしていたから。魔族は、体が傷付けばたちまち塞がるわけでも回復するわけでもなく、その回復力は優れておらず、人間程度の治癒期間が必要というのが「放浪する天秤」でうかがえました。自分に触るリーニエをやめさせ、制裁するだけの力がリュグナーには当然あるけれども、リーニエを傷付けてしまえば勇者ヒンメルたちに敗走後不死の軍団を失って無勢になってしまったリュグナーたちにとって、更に不利益になってしまい、力でリーニエを止めることがリュグナーには今出来ない。更に、ドラートもリュグナーには信用しきれない。リーニエを突き放すことで、自分やアウラを裏切ることはないと安心して傍に置いておけるはずのリーニエを今失うことになったらという葛藤もあって、リュグナーはリーニエをやめさせられないで、されるがままになっている。 ドラートは、リュグナーに自分の力を認めてもらいたい。自分よりも信頼されている(とドラートには思える)リーニエが気に食わないし、手合わせでもいつも押されがちで、なんでこいつには…と面白くない。だから承認欲求が常に満たされないドラートにはリーニエのことがマイナスに、邪魔に見えているし、リーニエには悪い見方しか出来ないため、悪いものであるような書き方をしていますが、あくまでドラート視点だから、なのと、リーニエはそもそも魔族なので、様々な魔族らしさもあるのではないかと、(リーニエを今まで普通の女の子のように書いてきたので、今一度人間でない女の子を意識し直して)私なりに魔族の不気味さが出るように、「リーニエ」の描写を変えて書きました。 リーニエはけしてリュグナーを騙すために「まだ幼い頃の自分を残すリーニエ」を意識して演じているわけではなく、昔からずっと傍に居たリュグナーの前では昔のままの自分で居ていいと思っているし、自然とそうなってしまうだけ。ありのままの自分をリュグナーの前ではいつも見せている。けれどドラートは幼いリーニエを知らないし、リーニエもあえて誤解を解こうとしないし、ドラートにはリュグナーほどの信頼などはないので、リュグナーとは別の、もう少し他人行儀なふるまいをしている、それがドラートには「演じている」と見えているだけです。6,711文字pixiv小説作品花のゆくえ
短い眠りの中で、リュグナーは悪い夢を見る。それはリーニエが自分の目の前で無数の花びらに変貌し、風に奪われて消えてしまう夢だった。 リュグナーは、リーニエが幼い頃からずっと、リーニエを見てきたのだという認識です。それならリーニエの魔力がどれだけ増えたか、どれだけ強くなったかという変化の他に、幼女から少女へ、おとなに近付き始めるその繊細な成長の変化にも気付いているに違いないと思いました。幼かったから、「よく出来たな、リーニエ」と言って褒めてやり、撫でてやることも容易く(犬や猫にするように)ただの習慣として普通に出来たことも、おとなにリーニエが近付いていくにつれて躊躇し、むやみに触れるべきではないと無意識に自分を制するリュグナーの心の動きが書きたかった。リュグナーというキャラクターは美しく、気高い。性欲とかそういうものは彼の中にはないと思っています。が、リーニエは女の子なので、男同士(ドラート)のような扱い方はリュグナーはしないだろう、もう少し丁寧に配慮してあげているのだろうと思うのと、リーニエが「様」以外の敬語をリュグナーに対してしない、そしてそれをリュグナーもよしとしているなど、本編中のそれぞれのセリフからうかがえるふたりの距離感もあり、リーニエを自分に一番近いもの(アウラはずっと目上の存在であり、ドラートはまたずっと自分よりも下の存在である)と考えているのだろう、けれどもリュグナーが男性の魔族でリーニエが女の子の魔族である以上、どれだけ親しく(?)していても踏み越えてはならない一線というものがいくら魔族でもあるはずで、幼くじゃれてくるあどけない子犬みたいな野生児がいつのまにか花のようなひとりの女の子になっていたら、ふとした時にそれに気が付いてしまったら、何かしらの葛藤(このままの接し方でいいのかという。)がリュグナーの中にも生まれたことはあるんじゃないのかと思って、(しかも恐らくリーニエは全くそういうことには無頓着だろうから、変わらずリュグナーにガンガンくるはずで、猶更それがリュグナーを悩ませる)そのあたりをいつか書いてみたいと思っていました。「魔族には魔物と同じで子育ての習慣が無く産み落とされてから~」と本編中フリーレンが言っていたため、魔族も動物と同じような方法で繁殖するはずだと思うのですが、それはそれぞれ発情期があって本能的に襲われるものなのか、人間と同じように繁殖をするしないを理性で選べるのかは分からないけれど、リュグナーは理性でそれを選べるはずで、更に、彼にとってはそういうものは障害というか、邪魔でしかないはず(人生の大半を魔法に捧げてきたほど、魔法だけを追い求めてきたひとなので)という大前提を置きつつも、それまで子供だと思っていたものがいつの間にか女の子になっていて、更にずっと自分の傍にいて当たり前で、自分の所有物みたいに錯覚していたリーニエの変化をまざまざと目の前で実感した時、何か鋭く彼の理性をざらつかせる一瞬があったことも可能性として否定はしきれないよな……という妄想です。そういうものが一度でも過ぎってしまったら、リュグナーはそれがどういうものなのか考えることすら醜く卑しいことだと無意識に反発して自分を抑え込んでしまうし、リーニエを当然遠ざけようとするし、離れようとするし(リーニエのためだけではなく、自分のためにも)、わちゃわちゃするんだろうなって……。 どうかずっと離れないで傍に居て欲しい。離れようとするリュグナーを、リーニエは当然のように追いかけるし、傍に居ようとしてほしい。 今まで書いてきた「その花が開くのを、待っている」(タイトルや、話の一部)・「私たちはいつまでも未完成」(途中の回想)・「リーニエはリボンが結べない」(話の一部)を下敷きに書いています。拾い食いはよせ、リーニエというセリフは、公式の「前奏」より。「放浪する天秤」、良かった~……。 「無意味なものではなかったと、思いたい」と同じく、自分の中のリュグニエの集大成のひとつです。今まで読んで下さり、本当に有難うございました。10,481文字pixiv小説作品ずっと、光のようなものだった
以前に書いた、リュグナーがまだ幼いリーニエと共に雪の降る中をふたり歩いていく「それはやがて、胸の中へと続くもの」という話の未来の話です。その時と同じように、雪の中に居るリュグナーとリーニエ。けれどもその時とは何もかもが変わっており、リュグナーは過去を懐かしまずにはいられない。今まで根城としていた場所を追われて、ゆくあてのない放浪の旅のさなかにいるリュグナーたち。けれども暗鬱な未来を心の中で一人嘆くリュグナーに対して、リーニエは……。 ヒンメル一行との戦闘で敗走後、アウラ軍勢は追手の追跡を逃れるため北部高原を目指し、豪雪の中山を越えるのに半年もの月日を要したと「放浪する天秤」にありました。雪の中であの二人は公式で同じ時間を共有していたんだ!と感激したのと共に、リュグナーの胸中はどんなものだったのか……とも思い、今回書いてみました。「御意に」は実際に「放浪する天秤」でリュグナーが言っていて、お~っ主従~!と嬉しくなったので、今回言ってもらいました。 リーニエは、マイペースだけれども、まじめで責任感の強い努力家のリュグナーにとって唯一ふっと気を抜けるような、そうしてリーニエの面倒を見てるようでリュグナーにとってはどこかで支えになるような存在だったらいいなと思います。現実がよく見えすぎるリュグナーを、だいじょうぶだよ、とそう言い返してしまえる、楽観的に見えはするけれど、全くお前は、と思わず笑って、リュグナーの中の苦痛を和らげてくれるような。リュグナーの傍にいつまでもずっと居るリーニエ。公式のイラスト風エンドカードのような、あたたかい作品を目指しました。 「無意味なものではなかったと、思いたい」「花のゆくえ」と共に、自分の中の集大成になるものだと思います。リュグニエ大好き。読んで下さり、今まで本当に有難うございました。6,936文字pixiv小説作品無意味なものではなかったと、思いたい
リュグナーが作中「私は魔法が大好きでね」「天才は嫌いだ」「人生の大半を魔法に捧げてきた」と言っていたのが好きで、そのあたりの心の動きを、自分なりに考えて書いてみました。リュグナーはとてもまじめなので、その言葉通り、本当に人生の大半を捧げるつもりで魔法にものすごく真剣に打ち込んできたのだろうなと思います。そんなリュグナーは、リーニエのことをとても評価しているのが、作中の言葉の節々に感じられます。「リーニエは魔力探知が得意で」「人間の魔法使い如きがリーニエの魔力探知を搔い潜っただと」「可哀想に。リーニエ相手では碌な死に方はしない」……。リーニエの能力を認め、評価し、そしてその能力の、強くなれる無限の可能性(リュグナーにはそう見えていた)に期待していたのではないかと思いました。リーニエの能力は模倣なので、「自分」だけでなくもっと強いものになれる大きな素晴らしい可能性を秘めているようにリュグナーには感じられ、「天才」に近いものを感じてそれを羨むというか、眩しく感じていたのでは、だからドラートよりも目をかけていた(ように私には見えたので)、傍に置いていたのかな、と思って、そのあたりのリュグナーの心の葛藤というか、リーニエに対するそういうものを書いてみたいと思い、書きました。リーニエは、作中「わがままだな」とは言うものの、常に反抗的ではなく、リュグナーの意思に従い、魔族の中では珍しく(リュグナーもですが)、自分の意思でリュグナーを守ろうとしたりと付き従っています。リーニエにとって、リュグナーは「敵わないもの」であり、「自分が模倣出来ない初めてのもの」だったりしないだろうか、だから大人しく従うのではないか(その血液を自在に操る力は、リュグナーの積み重ねてきた努力、探求の、血のにじむような年月の結果あんなに強力になったのであって、リーニエには仕組みや魔力の動きが分かったとしても、到底真似出来ないような高度な技術で、模倣しようとしても出来ないのではないか)(拾われた頃からずっと首切り役人としてのふるまいや知識を教え込まれていた恩のようなものもあり)と思い、それも書きました。リュグナーは、アウラの下についているし、七崩賢のような大魔族でもない。そういう自分の限界のようなものも痛いほど分かっていて、けれども「魔法が大好き」で。そんなどこか報われないところがとても人間くさくて好きです。そういうリュグナーを、リーニエが無意識に、どこか救っていてくれたらいいし、そういう互いを補完しあうリュグニエが理想なので、今回書いてみました。また、126話で「近接戦闘という一点において魔法使いは戦士に殆ど太刀打ち出来ない」というくだりがあったので、リーニエにもそれはあてはまるだろうなと思い、それを組み込んでみました。 いつものリュグナーよりもこう、ネガティブなので、もしかしたら気に入ってもらえないかもしれません。でも悔いはありません。集大成に近いものです。宜しければ読んでやってください。10,862文字pixiv小説作品- 秀才の魔女
秀才の魔女
リュグナー様の夢小説です。リュグナー様の夢小説、増えてくれよぉ…!!!(シュタルク風) 以下は本編読了後に是非お読みください(長い) . . . . . 「ここに来る途中に廃村のようなものがあったんだけど、それについて知らない?」 街を歩く通行人に銀髪の少女が尋ねる。人間とはまた違った種族であろう長い耳を持つ少女の傍らには、紫がかった長い髪の女性と赤髪の男性が控えていた。 街でも見たことのない顔ぶれに、冒険者だろうと判断した通行人は納得したように口を開く。 「あの廃村には誰も近寄りたかないのさ。なにせ、黒い魔女の村だからね。」 「……黒い魔女の村?」 「ああ。かつて魔族と共謀し、村を破滅に導いた裏切りの魔女。あの廃村はその魔女が暮らしていたせいで滅ぼされたのさ」 魔女の村からほど近いこの街では誰もが知り、誰もが恐れるこの話を聞いても銀の髪のエルフは表情を崩さない。 「確か30年も経っていなくてねぇ。勇者ヒンメル様が亡くなってすぐだったよ。あたしがまだ小娘の頃で、勇者様がお亡くなりになったからだとか騒がれていたっけ」 誰も怖がって調査に行きたがらないんだ。確か報酬が出ていたよ、冒険者さん。 通行人の言葉にエルフは初めて表情を変えた。 「まったく、報酬に魔導書を貰えると聞いたらすぐ引き受けるんですから……」 杖を手にフェルンは呆れ顔で瓦礫を空中へと浮かせる。黒い魔女の村と恐れられている廃村は、襲撃の爪痕が残るもののただの廃村に過ぎなかった。 調査は今日中に終わるだろう。そう予測しながら村の最奥に進み、フェルンは目を見開いた。 廃村に似つかわしくない、淡い桃色の花が美しく群生している。その中心に何かがある。 墓碑だ。 ぽつんと佇むただ一つの墓碑は、石を伐り出した簡単な造りで丁寧さはなく、一般的につくられる墓とはまた少し違っていた。 もっと明確に表すならば、子供が訳も分からず初めでつくったかのようなちぐはくさと違和感を残していた。 手入れもされておらず汚れた墓碑をきれいにすると、辛うじて弔われた人物の名が読み取れた。そして、 「…秀才の、魔法使い」 フェルンは文字を指でなぞりながら呟く。 驚くことに弔われた人物の名は、街に伝わる裏切りの魔女のそれと一致していた。 そして彼女の名の後に、秀才の魔法使いという文言が記されている。 この名を一度だけどこかで聞いたことがなかったか。秀才という言葉を使った人物はいなかったか。 そう、自身の師が断頭台のアウラと戦っていた時に自分が対峙した――――― 魔族と共謀した裏切りの魔女の名と、この墓に眠る者の名。 秀才の魔法使いという言葉。 あの魔族が最期に口にした自問自答。 まさか。 「フェルン?何か見つけたの。」 いつの間にか歩いてきていた師の問いかけにはっとする。こめかみから汗が伝った。 「墓碑か。きっと後から誰か弔ってくれた人がいたんだね。」 その言葉にフェルンは瞬いた。そして同時に自分の中に渦巻いていた仮説を振り払う。 そうだ。フリーレン様の言う通り、襲撃から生き残った人間のうち誰かが大切な人を弔ったのだろう。そもそも魔族に弔いという概念があるはずがない。 大切な人を失う悲しみや、死者との思い出を憩う営みを理解していない魔族がこのような墓碑をつくる訳がないではないか。 「…そうですね。きれいにしておきました、フリーレン様。」 フェルンは墓碑へ向き直ると、そっと祈りを捧げる。 そして立ち上がり、フリーレンと共に踵を返した。 ほんの一瞬組み上げたある仮説。 それは一瞬で桃色の花を揺らして吹き通る風と共に、すぐにどこかへ消えてしまった。8,107文字pixiv小説作品 あれは全部、ワインのせいだった
前奏の4章「放浪する天秤」本当に良かった……!それを下敷きに書いているので、「放浪する天秤」にまつわる場面が多数あります。この話も、「放浪する天秤」でドラートがリュグナーに「今のアウラ様に付いていく理由が分からない」と言ってリュグナーに釘を刺された直後の話になります。そのため、読んでいない方にはネタバレになってしまうので、ネタバレに抵抗のある方はお読みにならないでください。 「放浪する天秤」が出版されるまで、はっきりしていないところもあったので、自分のオリジナル歴史(ヒンメルとの戦闘時リーニエはアウラのもとにまだおらず、その時に偶然出会った野良リーニエの潜在能力に気付いたリュグナーがリーニエを拾ってきた…という。放浪生活は殆どしていない)でリュグニエを書いていましたが、この話では「放浪する天秤」を参考にしています。(ヒンメル戦闘以前からリーニエ・ドラートはアウラのもとに居り、敗走後は北上して廃屋を見つけ出しそこに潜伏しているアウラ軍勢の話) リーニエがリュグナーに甘えているし、リュグナーもまた自分にリーニエが甘えるのを許しています。 リーニエが、私がリュグナー様の傍に「居てあげる」という言い方をしていたら可愛いな…と思い書きました。 美味しいともまずいとも感じないワインでしか気を紛らわせないリュグナーが、不憫でした。三人のお世話、アウラへの配慮、気遣い、自分が何もかもするしかないと、常に気を抜くことも出来ず。そんなリュグナーにとって、リーニエは、唯一警戒する必要も、気疲れする必要もなく、話していたり一緒に居てふっと気を抜くことの出来るかけがえのない存在だったのではないかと思いました。 放浪する天秤を読む限り、リーニエにはアウラを恐れる感情はあるようだけれど、アウラの庇護をあてにしているとか、アウラのためにとか、そういうものよりも、リュグナーがそうするから自分もそうする、リュグナーがそう決めたから自分もついていくのを選ぶというような印象を受けました。それもあって、この話を書きました。 このあと結局リュグナーも眠ってしまい、アウラが帰ってきて、二人ともたたき起こされます。お酒を飲むと眠くなる。バルテーリエは血を操る魔法なので、まじめですべてに手を抜かないリュグナーのことだから血液へのアルコールの影響も懸念して本当はいつも飲むのは少量なのだろうとも思いつつ。。 リュグニエ可愛い。いつまでも一緒に居てほしい。いや、居た。10,676文字pixiv小説作品アウラ様は、つまらなかったとそう言った
アウラが魔法で作った同衾しないと出られない部屋に入って一晩過ごしたリュグナーとリーニエの間に生まれた、ちょっとした変化の話です。全年齢だしピュアです。何もその部屋ではありませんでした。そもそも今までリュグナーはリーニエにそういうことをするつもりなんて一切なかったし、そこでも一切しないのですが、リュグナーは、絶対一睡も出来なかった。リーニエが隣でぐーすか安心しきって眠っているのに何だか腹が立ちつ……ってするに違いないと思って書きました。 子供だから今まで許されていたわけではなくリーニエの力を信頼しているから、リーニエだからなんだけど、リーニエは自分が子供だから許されていると思っている、リュグナーとリーニエの間にはずれがある リュグナーがお前に触りたくないと思っている、と言ったのは、単純に怒っているからというより、一晩過ごした時に今まで気付きもしなかったものに気付きかけて、それを拒絶したいから、自分でリーニエを遮りたい、そういう心の動きにも腹が立つみたいな感じ どうなりたいとかどうしたいとかはないけれど、そういうものが生まれてしまいそうなのを直前で摘み取ってしまいたいリュグナーと、そういうリュグナーの胸の中が全く分からないし、無知だけど、私は何があってもリュグナーが相手なら怖くないって平気で信じてるし平気で言ってしまえるリーニエの話です。リュグナーの複雑な苛立ち。7,580文字pixiv小説作品