駅そば
えきそば
あくまでも俗称なので「どのような形態の店舗を『駅そば』と呼ぶか」は人によって様々で、駅構内(敷地内)で営業する店舗であれば特に定義はないものの、最も狭義の「立ち食いそばの形態でプラットホーム上で営業し日本そばを素早く提供する飲食店」であれば「駅そば」と呼んでも誰も文句は言うまい。
駅構内で営業しているため、ゆっくり蕎麦の味を味わう町の蕎麦屋と違って、乗り換え・乗降の合間に掻き込んで…という利用客が多いので、蒸し麺を用いて数十秒で茹で上げて素早く提供できるような調理方法をとることが殆ど。
よほど凝ったものでなければ安価なメニューが殆どで、所謂ファーストフードのようなものである。
とは云え、蕎麦とうどんの両方を提供する店舗は多い(或いは殆ど)ものの、コンコース上で営業する店舗、椅子席を備えた店舗、所在地は改札の内外などバラエティに富んでいる。
旅の途中で手軽に食べられるので、地域毎に様々な差が現れるその土地ならではの食文化を手軽に知ることができる手がかりの一つとなりうる。
例えばかけそばの場合は、関東は醤油ベースの濃い味の汁、関西では出汁のきいた薄味…というのが有名どころではあるが、興味深いことに東北地方や北陸地方ではそれが混在しているとも言われている。
また、中華そば(ラーメン)を提供する店舗(東武伊勢崎線:春日部駅など)や、うどんを主として提供する店舗、伊勢うどんを提供していた伊勢市駅の汽笛亭(閉店)など、日本そば以外を提供する店舗であっても慣例的に「駅そば」と呼ぶ人も。
またJR姫路駅の「えきそば」という名前の店舗は、日本そばの代わりに中華麺入れて販売している。⇒詳細はこちら。
一方で、「駅で食べられるファーストフード」というイメージが先行しているためか、駅構内であっても駅に付帯した商業施設内(駅ビル)内のそば屋や、本格的な手打ちそばを提供する店舗を駅そばと呼ぶかは微妙なところ。