駅データ
概要
奈良県奈良市中心市街地の西のはずれにあり、近鉄の3路線がX型に交差する分岐駅。
加えて近傍に西大寺検車区もあるため駅周辺の配線がかなり複雑になっており、ポイントの数は駅構内だけで28にも及ぶ。
駅から検車区にかけてのポイントの複雑さはカオスとされ、プラレールやNゲージで再現しようとする猛者も存在する。
なお、駅北西側では奈良線大阪難波・尼崎・神戸三宮発と京都線京都方面行きが、南東側では奈良線近鉄奈良発と橿原線天理・橿原神宮前方面が平面交差するため、奈良線の電車が駅手前で足止めされることも多い。
朝と夕方以降は、奈良線の電車を中心に増結と切り離しが行われる。
増結される場合、奈良からの大阪方面行き電車が先に4・5番のりばに到着・客扱い後、後ろに車庫からの2両もしくは4両を増結する。平日ダイヤでは、6番のりばに到着した天理発大和西大寺行き普通電車の後ろに車庫からの4両を増結し、大阪難波行き準急として運転されるものもある。
切り離しの場合、奈良線からの電車においては奈良寄りに連結されている2両もしくは4両を切り離す。京都線の場合は京都寄りの2両を切り離す。切り離しについては平日朝に一部の特急でも行われる。
普通これだけの路線を抱えていれば、今の御時世だと立体交差化や高架化されていて然るべきところだが、この駅の場合はそうはいかない。
何故なら仮に上記工事を開始した時に遺跡が発見された場合、その保護のため駅そのものを移転させるかやむを得ず遺跡を破壊しなければならなくなるという奈良特有の問題があるためである。詳しくは奈良県の開発と遺跡の項目にて。
おまけに大和西大寺は奈良の交通の要衝でもあるので、ホームの真下に遺跡が掘り出されることなどあってはならない事態なのである。その他の原因には、近くにある車両基地との高低差を考慮しなければならない点も考えられる。
高架化できた場合、駅敷地やその周囲を掘ったうえで遺跡が無いか、あっても価値が低いものであった位置を選んで少数の巨大な柱を建て、その上に駅を載せる構造になると思われる。
(これは築地市場の豊洲移転の代わりの案として出された方法でもあり、敷地の隙間に少数の太い柱を建ててその上に新市場を載せる事で、築地市場の業務を止めずに建て替える為に提示された)
一応高架化する方向であるが、完成時期は2060年頃を予定している。近鉄は残っているだろうか?
駅構造
駅は、地上ホーム・橋上駅舎で改札内に駅ナカ店舗群「Time's Place 西大寺」もあるが、これと別にホームをつなぐ改札内地下通路もある。分岐駅のため改札内乗換客が多い。
ホームは島式3面5線で6番のりばまである。4番のりばと5番のりばは線路を共用しており、ここに入った列車は特急を除き両側の扉を開く。特急は4番のりば側のみ扉を開く。特急が発車する際、5番のりばでは「5番のりばから、電車が発車します。危険ですから黄色い線までお下がりください」とアナウンスされる。
1965年3月16日の駅舎移転から駅舎改良工事まで、5番のりばは単式1面1線で、難波寄りに車止めがあった。橿原線の当駅発着普通電車用に使われた。5番のりばへの階段は南出口への階段と共用で、南出口への階段が途中で分岐していた。この配線により運行に制約が生じたため、駅改良工事の際には、旧5番のりばの線路を撤去し、その跡地に現在の5・6番のりばのホームを設置、5番のりばのホーム跡地に、難波方面に直通できる6番のりばの線路を設置し、1987年11月12日に供用を開始した。
京都発着の「しまかぜ」を含む全列車が停車(?)する。当駅止まり・当駅始発列車も普通列車を中心に多い。
「あをによし」の京都-難波直通便は奈良で客扱い・方向転換する為に当駅を2回通る事となるが、京都からの入線及び京都への出発時のみ停車し、難波からの入線及び難波への出発時は通過となる。
学園前-丹波橋における停車順番は以下の通り。
- 京都行:学園前→奈良→西大寺→丹波橋の順に停車
- 難波行:丹波橋→西大寺→奈良→学園前の順に停車
のりば | 路線 | 方面 | 備考 |
---|---|---|---|
1・2 | 奈良線 | 奈良行き | 京都線列車が一部直通 |
橿原線 | 京都線列車が一部直通 | ||
3・4・5 | 奈良線 | 生駒・大阪難波・(阪神直通)尼崎・神戸三宮方面 | |
京都線 | 新田辺・丹波橋・京都・(地下鉄直通)国際会館方面 | 奈良線・橿原線列車が一部直通 | |
6 | 橿原線 | 主に当駅発の普通電車 | |
奈良線 | 生駒・大阪難波・(阪神直通)尼崎方面 | 一部の普通電車・準急 |
隣の駅
奈良線
快速急行・急行
学園前駅(A20)-大和西大寺駅(A26)-新大宮駅(A27)
準急・区間準急・普通
菖蒲池駅(A21)-大和西大寺駅(A26)-新大宮駅(A27)
京都線・橿原線
急行(日中以外)
高の原駅(B24)-大和西大寺駅(A26/B26)-新大宮駅(A27)/近鉄郡山駅(B30)
急行(日中)
高の原駅(B24)-大和西大寺駅(A26/B26)-新大宮駅(A27)/西ノ京駅(B28)
※奈良競輪が開催される際は一部の急行が最寄りの平城駅に臨時停車することがある。
普通
平城駅(B25)-大和西大寺駅(A26/B26)-新大宮駅(A27)/尼ヶ辻駅(B27)
利用状況
- 2022年(令和4年)度の1日平均乗降人員は42,850人である(近鉄 令和4年度 移動等円滑化取組報告書より)。
年度別
年度 | 乗降人員 |
---|---|
2008年(平成20年)度 | 46,910人 |
2009年(平成21年)度 | 45,536人 |
2010年(平成22年)度 | 49,350人 |
2011年(平成23年)度 | 44,562人 |
2012年(平成24年)度 | 44,736人 |
2013年(平成25年)度 | 46,476人 |
2014年(平成26年)度 | 45,978人 |
2015年(平成27年)度 | 46,410人 |
2016年(平成28年)度 | 46,864人 |
2017年(平成29年)度 | 47,466人 |
2018年(平成30年)度 | 47,532人 |
2019年(令和元年)度 | 47,100人 |
2020年(令和2年)度 | 36,233人 |
2021年(令和3年)度 | 39,811人 |
2022年(令和4年)度 | 42,850人 |
関連動画
近鉄が公式chでこのカオスな駅を定点観測してみた
関連項目
駅 近畿日本鉄道・近鉄 近鉄京都線 近鉄奈良線 近鉄橿原線 奈良県内の駅一覧
- 西大寺駅:岡山県にあるJR西日本赤穂線の駅。曖昧さ回避。
- 九条駅:大阪府(同一所在の別駅扱いで阪神・OsakaMetroの2駅)、京都府(京都市営地下鉄)、奈良県(近鉄橿原線)にある同音同名駅。3駅とも大和西大寺駅から直通(OsakaMetroは生駒乗り換え)で行けるので、切符購入、乗車の際は注意が必要。
- 木津駅:京都府にあるJR西日本の駅。こちらも奈良駅から2駅目にあたり路線図だけ見ると似たような駅だが、こちらの駅構造、配線自体は大和西大寺駅に比べればシンプルで、発着する列車も普通・快速のみで本数も半分以下である。大和路線(関西本線)、奈良線、学研都市線(片町線)の分枝駅で後2線の終端駅。
- 京成高砂駅:東日本で最も当駅に構造が近いと言われている東京都の京成電鉄の駅。近くに車両基地を抱えている点も共通している。大和西大寺ほど配線は複雑ではないものの、こちらは車両基地の存在に加え京成金町線が高架であることが全線高架駅化し辛い原因の一つになっている。
- 安倍晋三銃撃事件:2022年7月8日午前11時30分頃、この駅の近くで発生した殺人事件。この事件により安倍晋三元首相は救急搬送されたが、午後5時頃死去した。