概要
明治28年(1895年)に落合(歌川)芳幾によって描かれた、錦絵『滑稽倭日史記』の「新案百鬼夜行」に登場する魚の鯛の要素を持つ赤い妖怪。
背中には「灣(湾)」という漢字が書いてあり、全体のシルエットは『百鬼夜行絵巻』の赤い妖怪に似通っている。
なおこの錦絵は当時の日清戦争を風刺したもので、この妖怪は名前の通り台湾を象徴しているものである。
日本文化においては、鯛は縁起物として重宝されている魚であるので、いかに台湾を国土として得られるのが国民感情として歓迎されていたのかが窺える風刺画であるといえよう。