この項目ではMAZDAが製造していたRX-8TypeSに搭載されていたロータリーエンジンに関して記述を行う。
概要
このエンジンは直列2ローター(ローターが2つ直列に接続されている形式)、1308cc(654cc×2、ロータリーエンジンは排気量に1.5をかけた数になるため税制上は1962㏄扱い)であり、mazdaが製造していた13B型エンジン(総排気量1,308ccの水冷2ローターエンジン、1973年から2013年まで数々の改良を加え作り続けてきたエンジン)の系列であるが、ほぼ新規に設計している。
圧縮比(燃焼室内の最も容積が大きくなる時の容量と、最も容積が小さくなる時の容量の比率を表す値)は10.0に、出力も250ps(184kW)/8500rpm、191.1ps/Lとなり、トルクも22.0kgm(216Nm)/5500rpm、16.8kgm/Lとなった(ちなみにこのエンジンはターボチャージャ、すなわち排気ガスの内部エネルギーを利用してタービンを高速回転させ、その回転力で遠心式圧縮機を駆動することにより圧縮した空気をエンジン内に送り込むシステム、は搭載せず自然吸気としているため、この機構を搭載している13B型エンジン、13B-REWなどとの比較は難しい)。RENESIS(これはRE+GENESISの造語)と呼ばれている。
ただし、ロータリーエンジン自体の欠点は改善されたものの、克服はできていない。
また、排熱に問題があり、オーバーヒートしやすくなっているという説がある。
そのほか
このエンジンを排気量1000㏄あたりの換算馬力で比較すると「かなりの高出力なエンジン」になるとされる。また、R26B(1990年代のレーシングカー、マツダ・787Bに搭載されたロータリーエンジン、654x4)と同じ数値のレブリミッター(エンジンの回転数の上限リミッター)が設定されていた。
このエンジンは2003年にイギリスのエンジン愛好団体のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞。なんと50人中43人という当時としては最高得点であった。
このエンジンをもとに水素ロータリーエンジン(水素を燃料にした内燃機関)を開発し、実際に13B-RENESIS水素ロータリーとしてRX-8に搭載したものも存在する。
このエンジンはRX-8でのみ使用されたため、この車種が生産終了となった2013年に製造が終了した。