88式鉄帽とは、従来より使用されていた66式鉄帽の後継型として開発された戦闘用ヘルメットである。
日本国内では、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の他、海上保安庁、警察などで使用されている。国外ではウクライナに供与された物がウクライナ軍で使用されている。
概要
1970年代末より開発が開始された、複合繊維を使用した戦闘用ヘルメットである。
帽体は複合繊維を樹脂で押し固めたもので、金属製の部品はビスとバックルと数点の金具以外は無いのだが、伝統的に日本の戦闘用ヘルメットは『鉄帽』と称される事となっている。
従前の66式鉄帽より保護性能が向上したほか、より日本人の頭部への装着安定性に関する研究が成されて快適性も向上した。
課業や災害派遣等、戦闘ではなく作業を想定する場合の作業用のヘルメットは、従来の66式鉄帽の中帽を用いる。(但し火山の噴火などの現場には88式鉄帽を用いる場合がある)
顎紐は一般用としては初期からは2点式、空挺用は3点式。
後に暗視装置の配備が一般化してからは3点式の顎紐が支給されたほか、平成25年度予算より調達が開始されている改良型の88式鉄帽2型には4点式の顎紐が奢られた。
他にも、頭部の装備品の拡充などによって細やかなバリエーションがある他、隊員が自費で購入するカスタムパーツがリリースされているなど、部隊や隊員によって様々なカスタマイズが施されている。
一方で、統制が厳しい部隊では官給品そのままの状態で使用されることも。
2022年に発生したロシアによるウクライナ侵攻では、日本からの支援として防弾チョッキ等と共に供与され、実際にウクライナ軍で使用されている。