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66式鉄帽

ろくろくしきてつぼう

66式鉄帽とは、主として自衛隊で使用されている軍用ヘルメットである。
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66式鉄帽とは、主として自衛隊や国内の法執行機関で使用されている軍用ヘルメットである。

アメリカ軍のM1ヘルメットを日本人向けに再設計したもの。

後継は88式鉄帽

各部の詳細編集

  • 外帽(シェル)

外帽は、鉄板で作ったガチャガチャのカプセルに庇が付いたようなもので、単体では被ることが出来ない。

代わりに、中帽を抜いてひっくり返すと洗面器、食器、(一応禁止されているが)焚き火に掛けて鍋としても使える。


材質は、M1ヘルメットと同様の高マンガン鋼製で磁石には付かない。縁には破損と裂傷を防ぐ為にステンレスの帯が巻かれている。通常は全面が国防色に塗装されているが、何度も修繕と塗り直しを経た外帽は個体によって純粋な国防色であったり、茶色味が強かったり、殆ど灰色のような色合いだったりと、何とも言えない個性的な色合いとなる。

M1ヘルメットと比べるとが長い。

庇は、64式小銃の可倒式の照門とぶつかって倒れることが問題となったが、これは長期間の使用によって64式小銃の照門可倒部のクリックストップが甘くなっていることも一因だそうである。


後継の88式鉄帽では庇が短くなった。

  • 中帽(ライナー)

一体成型の樹脂製である。

内装がついており単体で被ることができる。軽作業で用いられる。

88式鉄帽のような大中小の区分は無く、サイズの調整は内部のハンモックや汗止めの調整で行う。

中帽の顎紐は一般的に革製で中帽単体で使用する場合は中帽の顎紐を使うが、外帽を併用する場合は外帽の庇に引っ掛けて、外帽の顎紐で縛る。メイン画像の鉄帽の庇に掛かっている紐がそれである。


単体で使う場合は「色々と使い勝手がいい安全帽」であるが、戦闘訓練や演習で外帽と組み合わせると「外帽と隙間があってガタつく」「ふとした拍子に外帽が外れそうになる」「昔のM1タイプのライナーより調整幅が狭くて不快」などといった具合にあまり評判がよろしくない。


空挺用はベースとなった空挺用M1ヘルメットと同様に、左右に「∀」型の平紐が付き、「∀」の先端に別体の顎紐を付けて固定する。降下時にはシェルの顎紐は「∀」の内側を通してから締める。


かつては正面に白色で階級章がペイントされていたが、1980年代に廃止された。

同じ頃に、艶のあった帽体はつや消しとなった。

現在では、軽作業用のライナーのみが改良されて支給されている。

  • 外帽の顎紐

ただの平紐である。

原則として片方の紐をの下に通して、ネクタイのように結ぶ。もう片方は顎の前に通してやはりネクタイのように結ぶ。(らしい)

もっとも、単に蝶結びにしていた者もいた様子である。

脱着があまりにも面倒なので実戦部隊配属後は、大体購買で売られているワンタッチ式に替えられてしまう悲運の装備。


空挺用は専用の金具が付いたものが使われる。

偽装材編集

陸上自衛隊 89式自動小銃

  • 鉄帽覆い

1970年頃に迷彩服1型が採用されると共に共布の鉄帽覆いが支給された。ごく初期には6枚の生地をビーチボールのように縫い合わせていたが、程なくして米軍のヘルメットカバーのような3枚生地となった。

迷彩服2型が採用されてからは対応する迷彩柄の鉄帽覆いが支給されている。

  • 偽装網

偽装網は警察予備隊の頃から使用されている、旧軍の流れを汲む紐を編んだ網である。

アメリカ軍が使用していた目の細かい網とは趣が異なる。

ビニロン製で、偽装材を差し込んで使用する。

  • 偽装材

そこらへんのである。

効果的かつ安全に偽装を行う為に徹底的に教育が行われる。

また、訓練を重ねた末に使用不能になったパラシュートの裁断布なども用いられていた。

  • ヘルメットバンド

鉄帽に鉢巻き状に巻くベルト。

偽装材を差す為に使用する。

PXで売られているゴム紐であったり、かつてのアメリカ海兵隊のように裁断したタイヤチューブであったり、迷彩柄に対応したものであったりと、多様なものが使用されている。

他の物品編集

  • たい頭送受機

無線用のヘッドセット。中帽に取り付ける。大部分が金属製。

  • 防石面

治安出動に備えて装備されていた、樹脂製のフェイスガード。



自衛隊以外での使用編集

海上保安庁や、各県の警察機動隊、銃器対策課などで防弾具或いは保護具として採用されている。

機動隊などでは、透明のフェイスカバーが付けられるなどの用途にあった改造が施されている。

しかしながら、現在では防具としてはやや時代遅れであり、より危険に晒される可能性が高い部署から88式鉄帽やケブラーヘルメットなどへの更新が進められている。


評価編集

コピー元のM1ヘルメットの性能と合理性を受け継いだ、当時としては優秀なヘルメットとされている。

特に軽作業時に中帽のみを被って作業できる点が大変重宝されている。現在では、88式鉄帽への更新が進められているが、軽作業用の中帽は現在でも支給されている。

しかしながら、外帽及び中帽は改良を行ってもなお完全に日本人の頭蓋骨の形状に一致しているとは言えず、しばしばずり落ちるなどの問題を引き起こすようである。(一方で古参隊員の中には従前のM1ヘルメット型の中帽のほうが良かったという方もいたらしい。頭型は一人ひとり違うから仕方ないけど)


また、官給品の顎紐はバックルで脱着できるM1ヘルメットと異なり左右1本ずつのただの紐である。

その上旧軍の九〇式鉄帽や、九八式鉄帽と異なり式の結び方が出来ず、頭型との相性不良もあって、凄まじく評判が悪い。

そのため、部隊配属後はほぼ全員がPXで売られているワンタッチ式の顎紐に換えてしまったという。

ただ、旧軍の経験者は鉄帽を脱帽時に袈裟掛けで携行できるため官給品の平紐の愛用者がいたらしい。

登場から50年以上経過した息の長い装備だが、全ての部隊に88式鉄帽が行き渡っているわけでも無いため、現在でも後方職種や教育隊を中心に様々な部隊で使用されている。


別名・表記ゆれ編集

テッパチ 鉄帽

関連タグ編集

自衛隊 警察 海上保安庁 現代個人装具 65式作業服

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現代個人装具 自衛隊 防具 ヘルメット 帽子

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