概要
神月洋介がオーディンより渡されたユーミルの泉の湧き水を飲み、ワルキューレとしての素養を覚醒させたことで叙翼された英霊機。中心線で金銀に分かれたカラーリングをしており、パーソナルマークとして、懐中時計を咥えた銀蛇を猛禽がつかみ、翼を広げた姿をあしらった紋章を刻んでいる。
元来、英霊機を得られるのは戦乙女の名の通り、女性だけであるはずなのに、唯一英霊機を得られた男性となった。オーディンの推定では、只々人間を超越した存在となり、身体能力が強化されるだけだと予測されていたが、その予測を超えることが発生してしまった。
その理由は未だにわかってはいない。
性能
他の英霊機と一線を画す点として、明確な自我を持っている。
自身の思考をほぼ直接的に脳裏に届けるテレパシーを始めに、モールス信号、スマホのメッセージアプリなどを用いて意思疎通ができると同時に、操縦者なしで飛ぶこともできる。
性格としては、融通の利くタイプの軍人っぽい感じであり、合理的な作戦を立てたかと思えばわけのわからないトンデモ改造の案を投げかけたりする。(神月曰く、そこはうちのバカどもの思考を引き継いでいると称している)
また、固有の能力として“弾薬回復”と“エネルギー吸収シールド”を持っている。
前者は文字通り、約5分射撃しないでいると、全装備の弾薬が回復するというもの。
便利なように見えるが、燃料が回復しないのと、空では5分ほぼなにも抵抗できないという致命的な弱点も持っている。
後者も文字通り、実弾、エネルギー弾を問わず、一定以下のエネルギーを自身の武装の攻撃エネルギー、または再使用までの時間短縮のためのエネルギーとして転用する。
一定以下、と言っても艦砲含む既存の兵器を余裕を持って吸収できるなど、かなり限度は広いが、それを超える攻撃を受けた場合、シールドを貫通される。
また、一部とは言え、神月の能力を使える。
武装には様々なパターンがあり、標的に合わせてバリエーションを変化させる。
基本装備
基本装備として、機首にMG151を換装させたものを装備し、後部機銃にはMG42を装備している。
また、尾翼と後部機銃席の間にゾンダーゲレートを装備しているため、頑張ればそのままでも十二分に戦える。
エンジンは空冷式の過給器搭載型のエンジンを採用し載せたことで、瞬間的にはかなりの速度を出せる。
パターンA (初期装備)
翼下に37mm機関砲を2門ずつ、レールガンに切替可能な改造をしたものを搭載し、攻撃力を高めてある。
また、胴体下に1000kg爆弾を装備していることから、万能型の攻撃機としての性能を持っている。
パターンB (中遠距離型)
翼下装備はそのままに、胴体下に106mm無反動砲を装備したもの。こちらは明らかに彼女の影響を受けていると言えるだろう。違いとしては、あちらよりも射程と初速を向上させるために機体の頑丈さをもとに限界まで火薬を詰めてある。
基本的に中遠距離から砲撃型攻撃機としての性能を重視し、必要に応じて、徹甲弾、炸裂弾を入れ替えることで大型の目標に対し有効打を与えられる。
パターンC (機動戦及び、対英霊機戦闘特化)
37mm砲をMG151二門のガンポッドに換装し、胴体下の装備を外したタイプ。正確な機動で追い詰める様は、彼女からアイデアを受けた。
流石に機動力に関しては本家に完全に劣っているため、戦闘用フラップをダイブブレーキの代わりに装備することで機動力を獲得している。
本当の能力
本当の能力は、“能力に応じた性質を機体に表す”というものだった。神月が搭乗時に能力を機体に向けるという条件により発現する。
銀翼
ミッドガルドの能力の影響を受け、全体が銀の鱗に覆われたような様相へと変化する。鱗一枚一枚が神月の皮膚感覚と連動しており、空気の流れを感じ取る事ができる。また、鱗を展開することで空気抵抗を変化させ、通常のJu87ではありえない起動を再現することができる。ただし、皮膚感覚と連動しているため、被弾のダメージは神月自身にも影響し、高高度の低温下での活動が難しいという弱点も抱えている。
金翼
フェネクスの能力の影響を受け、全体が金色へと変色する。空間の定理を機体周辺のみ強制的に改変しているため、実際の機体が存在する位置と探知が示す座標とズレを生じさせたりさせるといったことや、空間に干渉するピラーに対し、改変を無視するといった効果を持つ。(その気になればどこだって飛べる、と当の英霊機は答えている)