M14EBRは、スプリングフィールド M14ライフルを改修して作られたマークスマンライフル(DMR)。
実際のところ、制式名がM14EBRなる銃は存在せず(後述)、似た名前と仕様のモデルは複数あるが正確な名前は微妙に違うという。
概要
第二次世界大戦後初の主力小銃として登場したM14は小型軽量なアサルトライフルが望まれた状況では使いづらいことが判明し、一旦は殆どがM16に置き換えられた。
一方でアメリカ軍では、より長射程の銃が望まれる環境であれば1990年代に至っても古典的な長い銃身に木製銃床のM14(ないしその派生型)が少数ながら使用され続けた。
特殊部隊 SEALsを擁するアメリカ海軍では、2000年から保管されているM14を改修、既存品の改造という体裁で新しいマークスマンライフルを調達する計画に着手。他の米3軍でも同様の銃が開発された。
海軍のものはMk14 EBR(Enhanced Battle Rifle)と呼ばれ、他に同種の改造を施した海兵隊向けのM39 EMR、陸軍のM14 EBR-RIなどが存在する。
何れも、ストックをSAGE International製のM14ALCS(シリーズ)のアルミニウム合金製フレームに入れ替えて、大きく印象を変えている。機関部より前部は上下左右4面の一体的な構造のピカティニー・レールが付く。
ストックも木製の曲銃床から打って変わって、伸縮可能なバットストックと調整可能なチークパッド、といった具合に人間工学的に優れた設計である。
銃身長はMk14Mod0は18インチ、Mk14Mod1及びM39は22インチとなっている。
一方で重量は増加したうえで重心バランスは大きく変わっており、6.4kgと重くなったうえに銃身は前よりになっている。
モデルによっては、M4カービンと同規格のパイプストックを備えたもの、銃身・フラッシュハイダーなどを交換し短銃身化したもの、構成品に含まれるバイポッドやスコープなどの付属品が異なる複数の仕様のものが存在する。
民間型ではM1Aをベースにシャーシを交換して販売されているが、フルトンアーモリーのものはフルオート機能こそ除去されているもののセレクターを含めオリジナルのM14を忠実に再現しているため、軍用のものに最も近い外見となっている。