概要
CV:三石琴乃
『ファンタシースター 千年紀の終りに』の主人公であるルディの空白の記憶を紐解いてゆく前日譚、『封じられし記憶』に登場するキャラクター。前作『還らざる時の終わりに』に登場したネイと酷似した容姿を持つ。
注・この記事はドラマのストーリーに関する重大なネタバレが含まれます。
解説
自称ネイ。この時代では珍しい武器のビームクローを携える女性。身のこなしは軽く、戦闘にも長けており、ハンター業で身を立てていた時期もある。一際長い耳を持ち、これを他者から見られる度に人ならざる者として迫害を受けて来た過去があるため、覆い隠すフードを常用している。ある施設を探して放浪中に、当時身寄りの無いストリートキッズだったルディから財布をスリ取られたのをきっかけに、彼と邂逅する。
旧兵器工場でのトラブルでフードの中が露呈した際、ネイはルディに己の身の上を打ち明ける。彼女は2年前に砂漠で救助された時より過去の記憶をほぼ喪失しており、自分が何者かも把握していなかった。そして人とは違う容姿を持つ自分の生い立ちを知るため、また夢の中の何者かが語りかける「ドームに行って」という言葉に導かれて、銀色のドームを探していた。
ルディと懇意な情報屋ロイの協力によりドームの位置を突き止めたネイは、その内部で自分とそっくりな少女たちがカプセルの中に封じ込められている様子を目の当たりにする。そこに現れた施設の管理AIジーンが、ネイの失われた記憶を呼び覚ましてゆく。
正式名称はNM-1153。旧時代のサンプルをベースに、このバイオドームで生み出されたクローン体NM-1000シリーズの1人。彼女らは荒廃が進むモタビアの過酷な環境でも生存可能な新人類を生み出すため、また脆弱な旧人類を滅ぼすため造られたとジーンは述べる。記憶喪失は、人類抹殺の先鋒として外界に放たれた際のショックによるものであり、夢に現れる悲しい記憶はサンプルとなった人物、ネイから受け継がれたものだった。
ルディを含む人々を手に掛けることなど出来ないとネイに命令を拒絶されたため、ジーンは彼女を失敗作とみなし処分を決断、NM-2011を呼び出す。しかしロイから託された武器ネイクローにより、ネイは妹の猛攻を辛くも退ける。致命傷を負ったNM-2011は自分らネイタイプの持って3〜4年という短命さを吐露し、それ故に戦いに生き甲斐を見出したことを明かして息を引き取る。
計算上負ける筈のないNM-2011が倒れたことにたじろぐジーンは防衛システムを発動するが、フォーレンとフレナの介入により事態は沈静化。ジーンは何らかの理由で異常をきたしており、人類抹殺という誤った目的に傾倒していたことが判明する。フォーレンが原因究明のため記録を回収しようと試みるが、それを拒否するジーンは自爆装置を発動。ネイたちが脱出した後、ドームは崩壊する。
フォーレンにいざなわれた、同じく妹たちが眠る施設シードにてネイは自分らが造られた本来の理由を知る。それにより、ネイは残り僅かな余生を妹たちと過ごすと決意。別れを惜しむルディに、ここにいる妹たちは自分自身でもあり、いつか人と同じように過ごせるようになったネイタイプが生まれたらその時は真っ先に会いに行くと答える。
時は現代に戻り。記憶の調査を終え意識を取り戻したルディの傍で、大事な仲間であり、人と変わらない生を送れる成功例となったネイタイプのファルが、彼の目覚めを待っていた。