Masters of the Universe
初期のアクションフィギュアシリーズでは舞台となる世界の設定が定まっておらず、スケルターと彼が率いる種族は異次元からの侵略者とされていた。
石器時代のジャングルにおける人類側のチャンピオン・ヒーマンと互角の力を持つスケルターは、設定が曖昧であるが故に『悪の帝王』と呼ぶに相応しい凄みと威厳を持つキャラクターであった。
アニメ版
TVアニメーションとして放映された『He-Man and the Masters of the Universe』(1983年~1985年、全130話)でも、主人公ヒーマンの宿敵として登場。
本作のスケルターはエターニアのスネークマウンテンに拠点を構え、悪の超人軍団を率いる首領格であり、宇宙一威厳のない帝王。
まずヒーマンがあまりにもパワフルすぎて、正面から戦ったのでは全軍が束になっても歯が立たない。
策略を駆使してヒーマンの力の源である『力の剣』を奪ったり、仲間を人質にとるなどの手段でヒーマンを窮地に追いやるのだが、部下のマヌケっぷりやスケルターの詰めの甘さが災いしてあっさり覆されてしまうのがパターンになっている。
スケルターの声はAlan Oppenheimerがあてているのだが、この人はマンアットアームズ(ヒーマンの仲間)とクリンジャー(ヒーマンが騎乗する虎)の一人三役を担当しており、スケルターのセリフはことさら甲高い声で演じているので、結果的にスケルターの小物ぶりが際限なく強調される結果となっている。
とはいえ、本気で戦えば(少なくとも設定上は)超人軍団の帝王に相応しい実力の持ち主であり、実写映画化やアニメーションのリメイクに際しては、シリアスで威厳のある帝王キャラクターになることが多い。
羊の頭骨をあしらった『破壊の杖』(Havoc Staff)を介して発現する暗黒の魔力は、ヒーマンの『力の剣』と互角に渡り合う威力を持ち、戦闘以外の局面においても多様な目的で使用される。
最終回後もスケルターとその一味が完全に壊滅することはなく、スピンオフ『She-Ra: Princess of Power』でも複数のエピソードに出演。
本作において、スケルターはもともとホルダック卿の部下で門下生でもあり、ホード軍がエターニアを侵攻しランドール王に撃退された後、産まれて間もない王子と王女の誘拐を目論んだことが判明。
マンアットアームズの活躍によりアダム王子(ヒーマン)は奪還されたが、アドーラ王女(シーラ)はホルダック卿に連れ去られ、スケルターはホルダック卿が残したスネークマウンテンの基地を自らの活動拠点としていたのであった。
そして月日が流れ、アドーラを追って再びエターニアにやってきたホルダック卿は再びスケルターと結託するも、アドーラの身柄を巡る仲間割れにより決別。
グレイスカルの神秘の力を得た暁には、ホードの帝国をも滅ぼし全宇宙を支配することがスケルターの最終的な目標である。
『She-Ra: Princess of Power』は事実上の打ち切りによって終了しているが、シリーズの設定を受け継いだミニコミックスにおいて、スケルターの過去に関わるエピソードが追加された。
スケルターはランドール王の実弟であり、本名はKeldor(ケルダーもしくはケルドール)、魔法の実験中に事故で異次元に飛ばされ、暗黒の魔力を揮う青肌の魔人となって故郷エターニアに侵攻してきたが、自らが作り出した化学兵器の強酸を誤って顔面に浴び、頭骨が露出したスケルターへと変貌したことが明かされる。
つまりスケルターは主人公兄妹の叔父だったのである。
この設定は2002年のTVアニメーションシリーズに反映されている。