概要
『学園アイドルマスター』の舞台・初星学園の中等部にかつて存在した3人組ユニット。
ユニット名は「Sing Up(歌い上げる)」と「Sync Up(同調する)」のかばん語ではないかと根緒亜沙里は推測している。
メンバーは月村手毬・秦谷美鈴・賀陽燐羽で、センターは手毬だがリーダーは燐羽。
クール系を意識して編成されていたようで、衣装も全員が青色を基調としたもので固めている。
中等部においては並ぶもののいないナンバーワンユニットとして君臨しており、メンバーが高等部に進学した今でも実力だけは学園内の誰しもが文句なく認めているほど。
が、それに対して致命的に素行が悪いことでも知られており、「グッズのうちわでファンを叩いて問題になった」こともあったという。そのため、学園内のみならずファンからも実力を評価される一方で怖がられてもいたらしい。
その問題児ぶりは後に手毬を担当することになるプロデューサーをして「(口を開けば暴言が飛び出してトラブルを引き起こす)手毬が3人になるようなもの」とまで言わせているほど。
また評価されているパフォーマンスに関しても、実力は極めて高いが不器用故に常にアクセル全開で突っ走ってしまう手毬をなんとかセーブするため、美鈴と燐羽が意図的に手毬の妨害となるようなアドリブを適宜差し挟むかたちでフォローすることで成立していたものらしく、燐羽はひとりで先走る手毬に、手毬は思うようにやらせてくれない燐羽たちに内心不満を抱えていた。
そこに美鈴の「このままでは手毬が潰れてしまう(ので力を温存することを覚えさせる)」という懸念と思惑が加わったことで、関係が崩壊。高等部進学直前のタイミングで大喧嘩の末に解散となってしまった。
進学後は手毬が1組、美鈴が2組、燐羽が(おそらく)3組とバラけて配置されたこともあってほぼ絶縁状態であり、手毬コミュにおいては美鈴側の働きかけとプロデューサーの尽力で手毬と美鈴の関係は修復されたものの、その間に燐羽は初星学園を退学。961プロなどが運営する極月学園へと転校したため、燐羽とは絶縁以上の実質的な敵対関係に陥ってしまっている。
メンバー
月村手毬
『SyngUp!』の(事実上の)センター。特に歌唱力に秀でている。
同時に致命的なまでに口が悪いことでも有名で、同ユニットの悪評が広まった主な要因でもある。
ライブでいつも自分のパフォーマンスを妨害してくる美鈴と燐羽を疎んじているが、それがブレーキを効かせられない自分をフォローするためのものであることも感づいていたようで、それを顧みずワガママに不満ばかり口にしたこと、そんな面倒をかけながら「自分たちはもっと上を目指せる(のになんでもっと真剣にやらないの?)」と発言してしまいそれが結果的に解散に繋がったことは彼女にとっても深い心の傷となっている。
それは花海咲季・藤田ことねと新たにユニットを組むことになる初星コミュ内でも同様で、「自分のような問題児がいてはまた迷惑をかけてしまう」といちばん最後までユニット結成に反対していた。
ただし疎んでいた一方で今でも美鈴と燐羽を心から信頼し甘えていることも事実なようで、とあるサポートカードのイベントでは雷の音に怯えて思わず(絶賛喧嘩中のはずの)2人の名前を呼んで泣きつきそうになってしまっている。
秦谷美鈴
『SyngUp!』の(結果的な)ブレーキ役。手毬とは幼馴染で親友の間柄でもある。
手毬を「まりちゃん」、燐羽を「りんちゃん」と呼ぶ。
マイペースで無理をすることを良しとしない価値観の持ち主であるため、徹底的に自分を追い込むタイプである手毬とは個人としてはともかく同じステージに立つ仲間としては相性が悪かったらしく、手毬を心配するあまり「走るのはやめて歩きましょう」と言ったことで手毬の逆鱗に触れ、結果的にユニット解散の一因となってしまった。
(少なくとも見かけ上は)温和かつ物静かなため目立たないが、実際はユニット内で最も素の実力が高いことが示唆されている(無理をしない程度のペースを保っているにもかかわらず常に全力の手毬と同等の能力を発揮している、ステージ上でも手毬を気に掛けフォローする余裕がある、など)。
一見飄々として過ぎたことにはこだわらないように見えるが、その実『SyngUp!』への想いと再結成に向ける熱量は人一倍高く、手毬コミュ内でも手毬のプロデューサーに「自分たちを再結成させてプロデュースしないか」と持ちかけた(最終的にはプロデューサーの考えと手毬を担当することへの真摯な思いを知って引き下がっている)。
また、手毬が美鈴たちとは無関係の相手とユニットを組むことになる初星コミュにおいては、手毬の忘れ物であるハリネズミの湯たんぽを取りに来たことねに温厚な彼女らしからぬ口調で「まりちゃんのなんなんですか?」とやや喧嘩腰に応対するなど、手毬(と『SyngUp!』)への執着が垣間見える一幕も存在する。
なおトラブルメーカーな手毬やファンを殴った疑惑のある(後述)燐羽の影に隠れているだけで彼女もかなりの問題児。本人曰く「SyngUp!でいちばん素行が悪い」。
特にマイペース故のサボり癖は進学先の高等部1年2組では有名で、気を抜くと独特な理由で授業を抜け出そうとするため同じクラスの花海佑芽や倉本千奈の手を焼かせているほか、美鈴を生徒会に勧誘した十王星南に対しても存分に発揮。星南に「自分には純粋な人間性を見抜く力が欠けている」という現実を意図せず突きつけることとなっている。
そんな破天荒な過去から進学したばかりの美鈴は噂に尾鰭が付く形でクラスから遠巻きにされていたが、補習組の3人が臆せず接して真相を明かさせた事で誤解が解け、以降は人が集まるようになった。
賀陽燐羽
『SyngUp!』のリーダー。
描写・言及が少ないため詳細は不明だが、ユニット解散時の回想シーンでは手毬に対して彼女らしき人物がかなりキツく当たっており、その後手毬だけでなく美鈴とも縁を切っていること、さらには初星学園を退学してわざわざ初星を敵視する極月学園への転入を選んでいることからも、ユニット結成中は2人に対してかなり不満を抱えていたことが覗える。
リーダーという立場からも問題児2人に振り回されていたであろうことは予想されるが、彼女自身もこのユニットの一員の例に漏れずかなりの問題児であり、先述の「ファンをうちわで殴った」件も美鈴が全面的に自分ではないと否定していること、手毬も口は極めて悪いが実際に人に手を挙げるような人間ではないことから燐羽の所業である可能性が高い。
さらには生徒会の雨夜燕曰くファンの一部から「燐羽様」と呼ばれていることも語られているため、相応に強烈なキャラであることは(どこまで素なのかは別として)確かである。