概要
『dear』とは、藤原ここあによる漫画作品である。
『月刊ガンガンWING』(スクウェア・エニックス)にて2002年~2008年に連載。
藤原ここあの前作わたしの狼さん。の続編と言われている作品。主人公は前作の2人とはまた違っている。
ストーリー
不死の肉体を持つ少年妃杈はその特徴故に迫害を受け、討伐隊にて過酷な任務を負わされていた。幼少時の記憶を失っている彼は、不死の呪いを魔狼(ライカンスロープ)の少女からかけられたことだけを覚えており、彼女への憎悪を募らせていた。
種族として本来備わっているはずの不死という特性を失った魔狼の散葉は、長年独りで隠れ住んできた住処をあとにし、人里に降りることを決意する。人間社会のことをほとんど知らない散葉は幼少時一緒に遊んだ人間の少年「きーちゃん」を探すことにしたのだが……。
登場人物
※名前は登場順
レギュラーキャラ
・散葉(魔狼。天然)
・妃杈(討伐隊副隊長。暗器使い)
・ケイン(討伐隊隊長。ナルシスト)
・小桃(勇者。レベル0。極貧)
・昴(魔王。レベル5000)
・プリノ(魔王軍将軍。あらゆる面で有能だが、壊滅的なドジ)
・キャロル(魔王の側近。後衛担当)
・紅(魔王の側近。前衛担当)
準キャラ
・奏
・ミモザ
・ロリア
・シグマ
その他
・アベル・ウィンスレット(討伐隊監査)
・ユイマ(キャロル回想シーン登場)
・梅(昴の使い魔?)
・杏(ミモザのペット?)
用語
魔者
魔物ではない。魔力を持つ者の総称で種族的な差異は考慮されない。魔者が多く住む大陸では人型の魔者の王が魔王として統治している。魔者でない生物からも魔力を持つ個体が生まれたり、その逆もある。このことから、魔力とは生物に普遍的に起こりうる突然変異らしいことが語られているが、優劣意識から一般的には認められていない。
人型の魔者と人間との違いは魔力の有無のみであり、生物学的には全く同じ生き物。
魔者の大陸に住んでいる人型の魔者とは、単純に魔力を持つ素養の高い人間であると考えられる。
魔狼(ライカンスロープ)
魔者の一種だが、絶大な魔力と不死という特性からその他の魔者とも区別される存在。滅んだとされていたが、現在散葉とシグマが生き残りとして確認されている。
討伐隊
本作の主な舞台である人間の住む島で活動する魔者を討伐するための隊。だが実態は自警団であり、魔者が出現しない場合の主な業務は犯罪取り締まりなどの治安維持。ボランティアや清掃活動、祭りの主催まで行っており島の住民からは便利屋だと思われている側面がある。