概要
アンシャントロマンに登場するアイテム。効力としては口に含めば水中でも息が出来る能力を得られる。
詳細な形は不明だが実が口に含める大きさであることやミーナが「これ一つで10〜20人分になる」という発言をしていることから葡萄のような形態であると推察される。なお木から採取する描写があるが何故か「エスカの木の実」とは呼ばれない。
「エスカ」の名前の由来は不明。
主人公たちの外道行為
神の力を継承するための旅を続ける主人公パーティは、ファーナスの町に住んでいたシェリルという男から主人公パーティの一人であるサリナが神の力を継承する方法を聞かされる。
そして継承に必要なアイテムである、ロブコロアの滝の裏の洞窟にある剣を取りに行くことにした。
しかし、その滝に通じるアルナの関は封鎖されており、残ったもう一つの通り道の「ロブの関」に向かう。
この関には大量の水が蓄えられ封鎖されており、ここを通るにはこの関を破壊して水を排出しなければならない。
(関ではなく堰ではないのかと思うが、作中では関と書かれている)
しかしその下流に「コントンの廃墟」と呼ばれる集落がある事がわかり、そこには住民が残っており中には歩けない老人までいた。
このまま関を破壊すると集落が水没してしまう為住人を避難させる必要がある。
…がここで主人公パーティの一人であるミーナが突然エスカの実の存在を思い出し、それを食べさせれば住人が溺れることはないと発言。
カイは住人を全員避難させるには時間がかかると判断し「エスカの実を住人に食べさせて関を破壊する」という作戦を強行、主人公パーティもそれに満場一致で賛成する。
そして住民には「エスカの実を支給するから生き延びろ。人数分ある」と一言言っただけである。(ミシリアは下流にいる人たちを避難させたかったらしいが、 バロアに「まぁ、しょうがねぇさ。それより早く関を壊しに行こうぜ」と一蹴されている。)
そしてメイン画像のような、クソショボSEと共にウォータードラゴンが出現し関は破壊されたのだった…。
この状況になった経緯について
まずアルナの関に着いた主人公らだったが、関が閉ざされているため、どうするか考えていたところに関を守っていたと思しき魔物と戦うことになる。
撃破後、魔物がわざわざロブの関に水が溜まっていることと、破壊すれば滝に進めることを教えてくれるという不可解な行動をとった。
主人公らは怪しみ相談したところ、ミーナが川下に町村があるのではないかと推察し、バロアが廃墟の存在を思い出したのである。
廃墟のはずだが、カイがカンで住人が居るかもしれないと判断し行ったところ、廃墟に住む住人を発見し、ミーナがエスカの実の存在を思い出すという経緯である。
なお、コントンの廃墟に入る際にムービーが入り、魔物の側が人間をわざわざこの廃墟に集めたことが言及されている。
ロブの関を壊しに行った際に、そこを守っていた魔物は「関を壊せば大勢の人が死ぬぞ」とやたらと真っ当な発言をしているため、魔物の側が主人公サイドを妨害するための配置だったことが窺える。(ちなみにバロアはこれに対し「へっ、黙ってな化け物。」と正気を疑う発言を返している。)
主人公サイドは気付かず関を壊していれば人を死なせていたと言っているが、気づかなくても関を守る魔物が教えて妨害を狙った可能性はある。
気づいたところで対処法が問題点だらけなのはどうしようもないが。
この行為の問題点
- 関を破壊した事で発生する鉄砲水が村に押し寄せたら間違いなく村ごと水に押し流されてしまい、村民たちも押し流されたり、瓦礫や土砂に推しつぶされたり木や地面に叩き付けられて昇天、なんてことが起こりうる。仮に住人が全員助かったとしても家財は間違いなく消失する。また生き延びたとしても水が即退くわけではない為、不衛生な水溜りから伝染病が蔓延る恐れがある。
- 避難させたいが時間がないという理由については、「魔物の被害が拡大している」「一刻も早く神の力を継承する必要がある」と述べているが、この時点では魔物が街を占拠する理由やラスボスの存在が不明瞭で、神の力を継承する理由は、専用武器を使うためでしかなく、プレイヤー視点では急ぐほどの理由に見えない。
- 明らかに「住人全員を避難させる」よりも「全員分の木の実を用意しそれを住人に食べさせる」方が時間がかかるのは明白である。後者は本来自力で脱出できる者達まで面倒を見なくてはならないため二度手間感が凄まじい。
- ちなみに主人公達は自分達が関を破壊するとは一言も言っていない。住人からはまるで魔物が関を破壊するため、住人を逃す時間がない主人公達がやむを得ず非常手段をとったと認識されかねないので、この行為は悪辣なマッチポンプとも言える。
- エスカの実を入手する過程は雑なムービーで処理され、(RPGにありがちなおつかいクエストのように)フィールド上からプレイヤーが規定量のエスカの実を探し出す、などということはない。そのため「ボリューム不足回避や他ソフトとの差別化のため不要とは感じつつもなんらかのイベントをねじ込まざるを得なかった」というメタ的擁護さえできない。
- カイ曰く、「口に含めば水の中でも呼吸が出来る」と言及しているがなんであれ口の中に含めば口で息ができない。鼻で息をすれば良いという話になるかもしれないがもし洪水に呑まれたショックで木の実を吐き出してしまったらどうするつもりなのか。
- なお、堰を破壊するムービーにもツッコミ所が存在する。バロアが神の力を使ってせき止められた川の水からウォータードラゴンを召喚して堰を破壊するのだが、彼がいるのがよりにもよって堰の真下。言うまでもなく洪水に真っ先に呑まれるポジションなのだが当然の様に無傷である。水を操って水流から身を守ったという解釈も出来るが、その場合神の力を攻撃以外の用途にも使えるはずなのでその神の力で堰の水を移動させるなり、水を避けて移動するなりすれば良いのではないだろうか。おまけにこのような力が使えるなどとはこの時点で一切描写されておらず、バロア(を含むパーティーメンバー)はそれをどうやって知りえたのだろう。
- そもそも目的地への途中の道が水没しているだけなので、主人公一行がエスカの実を口に含んで水中を進めば関を破壊する必要もないし、住民に説明する手間も省けるしで、より短時間で進めるのではなかろうか。
何故このようなすぐに思い当たりそうなツッコミどころ満載の展開が繰り広げられたのか?…シナリオライターが何かしらキマっていたとしか思えないレベルである。
ところがどっこい
これでも村人は全員生きてるし、村はなんの被害も受けていない。むしろ村人達はカイたちに感謝までしているのである。ここの住民メンタルといい身体といいタフすぎるだろう……。
余談
ダムが破壊されたSEは秘密結社鷹の爪の効果音(特にポイポンがイガグリみたいになる時)に非常に似ている。
ムービーでバロアがダムを破壊したことを理由となり「人の命をもて遊ぶ男」というあだ名を理不尽にも付けられてしまった。