概要
コヴナントを構成していた軍事部門を担当する中枢に存在した種族。
戦士としての名誉を重んじる種族であり敵が手強ければ手強い程戦争は名誉の場と捉える価値観を持つ。
故に人類の階級を問わず最後の一兵まで戦う姿にシンパシーを持ち敬意を表する者も多い。
人類側はサンヘイリについて常に指揮官クラスとして活動していることからエリートと呼称しているが戦後サンヘイリと呼称する者が増えている。
コヴナントでの活動
サンシューム族とともにコヴナントを構成する最古の種族で、独自の戦闘艦艇を作れるほどの技術を、地球人類で言う紀元前には確立していた。
コヴナントの軍事力の中心であるとともに、サンシューム族の護衛や艦隊の指揮を任されてきたため政治的発言力も強い。
コヴナント加盟以前から武を重んじる軍事色の強い体制であり、国民は一般人ですら必ず何らかの戦闘技術を習得しているほど。実力を認めた相手には敵であっても敬意を表することがあり、人類に対しても概ねは手強い相手として認めている。
大分裂
デルタヘイローにおいて、悔恨の預言者をチーフとUNSCが襲撃。衛兵達の奮戦むなしく悔恨の預言者は殴り殺された(正確には瀕死の所をグレイブマインドに捕まり喰われた)。
護衛に失敗したことを理由に護衛の任をはじめ、これまでサンヘイリ族が担ってきた多くの役割をジラルハネイ族に奪われた。
事態の是正を高等評議会に訴えるが聞き入れられず、逆に預言者の命を受けたジラルハネイ族によってサンヘイリ族の評議員が全員暗殺されてしまう。
この事態を受け、サンヘイリ族は親交のあったムガ・レクゴロと指揮下にいた一部のアンゴイ族を率いてジラルハネイ族に対抗した。
その結果首都ハイチャリティ周辺は艦隊戦になり、ハイチャリティ内部は激しい戦闘に巻き込まれた挙句、アンバークラッドに満載されたフラッドがハイチャリティを占拠する大混乱となる(人口100万人ほどの街もある)。
艦隊戦中一人のサンヘイリが発狂した艦長を射殺し、汚染された聖遺物から這い出してきたフラッド制御下の小型船舶や戦闘艦艇の破壊と感染拡大の阻止を訴え、短時間だがジラルハネイと共闘したが、再び同士討ちが始まった。
人類との停戦
デルタヘイローのコントロールルームでギルティスパークから「大いなる旅」の真の意味を聞かされ、フラッドとヘイローの危険に対抗するためにコヴナントを離脱し、完全な内戦状態に突入した。
その後腕利きのサンヘイリ兵士とアービターが先発として人類側と合流し、一時的な同盟を組むが、(時期としてはデルタHALO緊急シャットダウン直後地球攻防戦の最中)彼らが保有する強力な艦隊はフラッドの検疫に集中していた。
アーク攻防戦では人類とサンヘイリが共同作戦を展開し艦隊戦と地上戦でコヴナントを追い込み真実の預言者を抹殺したことでコヴナントは崩壊した。
戦後は人類との関係や内政をどうすべきかで議会が紛糾し、アービター率いる『サンヘリオスの剣』と反乱勢力とで内戦にまで発展した。
テクノロジー
サンシュームとの戦争前(紀元前800年代)の段階で独自に技術レベル2に到達しており植民惑星も複数保有していた。
これは手近なところにフォアランナーの遺跡が多く残っていた事に起因しておりKey Shipから解放されたタイミングが比較的早かった事が大きい。
コヴナント結成後はサンシュームからの技術支援を受けつつさらに洗練されている。
エナジーソード
サンヘイリの貴族が使う接近戦用の武器であり、魂ともいえる伝統的武器。
この武器を使う者はソードマンとして扱われ婚姻が出来ないという制約を受けるが、任意のメスとの間に子を作る事が許されその遺伝子は受け継がれていく。
プラズマエネルギーを固定化させて刃とする非実体剣であり、未使用時にはコンパクトにまとまる。
プラズマ刃ゆえ、血液を流すことなく殺傷できるため、血液そのものに特別な意味を見出しているサンヘイリにとっては重要な要素。
武を重んじ、剣を伝統的な武器として扱ってきたサンヘイリの戦士にとっては名誉と誇りの象徴でもあり、わざわざこれを使って相手に止めを刺す場合、その相手の実力を認め敬意を表しているという証でもある。
希少金属を用いた独自の兵器技術
サンヘイリがコヴナント加盟前に開発した兵器としてType-31ニードルライフルとType-33 ニードラーの兵器体系がある。
これらはエネルギー貯蔵特性を持つ希少金属を射出する兵器でプラズマ兵器が普及して以降もコヴナント全軍で使用されジラルハネイ向け兵器も多く製造するハイチャリティのメーカーが製造していたがコヴナント戦争以降はメーカーが変更されている。
この希少金属を産出する鉱山はサンヘイリの支配領域にありサンヘリオスの剣が確保しているが希少性と需要の高さから金さえ出せば所属を問わず販売しており商品の希少性から武力行使されてもおかしくない行為がまかり通っている。
このクリスタルのような金属は数千年間にわたり研究されてきたが未だ謎が多く、過去の研究資料やサンヘイリの古書等が失われている。
戦後、サンヘイリの武器職人らが再度この金属について注目し、研究が再開され、人類も研究を始めたが、失われた資料が膨大な為、原理が不明な状態で兵器として運用する形となっている。
コンバットハーネス
サンヘイリが主に用いる戦闘用のハーネスでエネルギーシールドを実装している。
パワーアシスト等は装備されていないがシールド機能とアクティブカモフラージュを併用可能になっている。
シールドへの給電に小型のピンチ核融合炉を利用している。
サンヘイリは階級の高い者ほど強力なシールド機能を持つハーネスを支給しておりマイナー階級のシールドは総じて防護力が低い傾向にある。
しかしアーマーのデザインで階級を簡単に見分けられる為か階級の低い青色のハーネスを装備した者より金色等の指揮官クラスが狙撃で排除される問題を抱えている。
また多くのゼロットを輩出したサンヘイリのコロニーの一つHesdurosでは独自のデザインのハーネスを採用している。
戦後人類と同盟関係にあるサンヘリオスの剣は技術交流で装甲やシールドの効率化にセンサー等を共同開発しており人類製アーマーとの互換性のあるパーツやシステムが作らている。
コヴナント崩壊後
コヴナント戦争と人類との敵対の解消によってコヴナントに統治される時代からサンヘイリは独立した統治を始める。
問題は山積しており軍事的に離散してしまった多くのリソースや食糧問題に加えいくつかのコロニーとの連絡途絶に加えサンヘイリ内で大分裂を経験してなおコヴナントの宗教的価値観にとらわれた勢力との紛争を抱え込みサンヘイリは弱体化する形となっている。
艦隊の再建も行う為分散していたコヴナント軍の艦艇の回収を継続的に行うものの大規模な整備維持が可能な造船所がほとんど無く大型艦艇や艦載機の絶対的な不足からサンヘイリは退役艦艇の再就役を選択。
ブリガンティン級空母 キャラック級巡洋艦のアップグレードに加え前コヴナント時代にサンヘイリが独自に設計した軍艦もアップグレードの末再就役させている。
サンヘリオス内乱
戦争終結直後に起きたサンヘイリの派閥間抗争から発展した長期に及ぶサンヘイリの内戦。
2553年2月にはサンヘリオスに招かれたテレンス・フッド提督とアービターとの間で行われた会談により人類との対立は終結したと宣言された。
これに不満を持ったサンヘイリの派閥が存在し、人類は現状戦力も乏しく再軍備して叩くべきとと主張するも、和平合意が行われせっかく安定しつつある情勢を崩すのは愚策であるとアービター政権は議会にて発言し、それがきっかけでジュール・ムダマ等が参加した反乱軍が結成されてしまう。
当初こそアービター陣営有利の戦況だったが、突如として反乱軍は重武装化し、各種プラズマ兵器や戦闘車両に戦闘艦艇まで手にしてしまい、さらには多くの戦士が反乱軍に参加してしまい、一転して不利なり首都を包囲されるという事態が発生する。
しかし同時期、再びサンヘリオスへ到着した人類側の最新鋭かつ最強クラスの戦闘艦艇インフィニティによる支援を受け、反乱軍の戦闘艦艇は全て破壊され、さらに近接航空支援を開始したため、戦闘艦艇を失った反乱軍は優位性を失い敗走する。
だが、その後もサンヘリオスでの内戦は続き、泥沼化した。
この内戦の影響でフォアランナーの崇拝を捨て、パニッシュトへ参加したサンヘイリの戦士も少なくなく、ジュール・ムダマは逃走先で再軍備を行い、自分を予言者とする新生コヴナントのストーム派(コヴナント・レムナント)を設立、小型のRCS級が多いが艦隊を保有する程の勢力を作り上げた。
泥沼化の裏側
サンヘリオスの内乱は不自然な長期化と泥沼化が起きている。
まず個人兵装から戦闘車両や戦闘艦艇等をどこから手に入れたのかである。
当初弱小勢力でしかなかった反乱軍の戦闘力を引き上げ、正規軍であるアービターの軍勢を包囲するまでに追い込んだ程の戦力は、実のところONIのマーガレット・パラゴンスキーが主導した地球側のサンヘイリの勢力弱体化を目的とした軍事援助が存在したためである。
この機密性の高い作戦は、SPARTAN-Ⅱを含む新規に編成された特殊工作部隊キロ・ファイブにより遂行され、目論見通りの結果を残している。
ただし、誤算だったのは彼らが崇拝するフォアランナーの生き残りがおり、そのストーム派により完全に復活した上、彼によって地球が襲撃され、SPARTAN-117とコルタナによって爆破されるまでの間にコンポーザーが照射されてしまい、ニューフェニックスに住む住民は全滅するという大惨事を招いている。
コヴナント・レムナント
反乱軍に参加した後、元ゼロットのジュール・ムダマが結成した新たなコヴナントでフォアランナーを崇拝しているが、主神はウル・ダイダクト個人となっている。
装備面はコヴナント同盟時代から多少更新されているが、規律の乱れかラフな装備になっている。
あくまで残党なのだが、それでも宇宙戦闘艦艇を多数保有している大勢力である。
もっとも大半が小型かつエネルギープロジェクターを装備しない300m程度のRCS級が主力で、かつてUNSCを苦戦させたCAS級やCCS級といったコヴナント艦艇の代名詞と言える艦艇はほとんど保有しておらず、戦後の研究で人類側のフォアランナーやコヴナントのテクノロジーを用いることで、より効率化させた強力な旗艦とその護衛艦隊のせいで、戦前と異なり宇宙での艦隊戦の結果は芳しくない。
構成種族はサンヘイリ アンゴイ ギグヤー レクゴロとやや少なく、基本的に強い種族についていくアンゴイと傭兵気質の強いギグヤーは本心から付いてきているのか怪しく、信頼できそうなのはレクゴロ位の物だろう。(そもそもレクゴロはサンヘイリ以外には交流がない)
フォアランナーテクノロジーを得る事に執着している節があり、その為であれば、本来なら許されない、崇拝しているフォアランナー遺跡の破壊すら厭わない。
ウル・ダイダクト復活後、彼に従属し、プロメシアン部隊との共同作戦を取って人類の艦艇への総攻撃を行う。
ウル・ダイダクトがコンポーザーをガンマヘイローにて入手した後、地球へ侵攻するが、ウル・ダイダクトのマントルズアプローチが破壊され、コンポーザーも全損してしまい、撤退する。
その半年後、レクイエムで再び人類と戦うが、万全のインフィニティ級とストライデント級との艦隊戦で少なくない犠牲を出し、艦隊は後退。
地上にSPARTAN-Ⅳを大量投入されて多くの要所を制圧される。
アーティファクトを使った罠でインフィニティとレクイエムを太陽へと葬ろうとするも、これも失敗している。
このフォアランナーの遺跡の塊であるシールドワールドを破壊するという行為は、前述の通り、旧コヴナント同盟では死刑では済まない程の冒涜である。
しかし全軍を指揮するジュール・ムダマは敬虔な信者である態度を見せてたが実のところ、大分裂とコヴナント同盟でサンシュームらの陰謀により痛い目にあっている経験から、フォアランナー崇拝自体を既にやめており、オニキスで人体実験の材料として虜囚の身であった頃の短い会話で、フォアランナーはムダマ達の神であるのかという趣旨の質問に信仰の喪失について語り、それと共に神を説得するとだけ語り、単純な信仰とは違う動機を抱いていた。
この説得はある意味成功したようで、2557年ダイダクトやプロメシアンとの同盟関係と一部部隊の運用を行う等、軍事力が強化されることとなったが、ウル・ダイダクトが2557年ブルーチームの襲撃により逃亡先のガンマヘイローにて死亡(殺害したSPARTAN-117は生存を確信している)した後、プロメシアンとの協力関係が消え、人類とプロメシアンを相手に三つ巴の戦闘を強いられた挙句、ファイヤチームオシリスの襲撃によりジュール・ムダマはジェイムソン・ロックの手により殺害された。
そしてサンヘリオス内乱は指揮官不在の中、撤退でなく、ヴァダムに対する最後の攻勢としてスネイオンを強襲するが、人類とヴァダム軍の猛攻に対抗しきれず、戦線が崩壊にまで追い込まれ、軍事組織としての装備やリソースを全て失っている。
ゲーム中でのサンヘイリ(エリート)
『Combat Evolved』や『2』ではコヴナント側の中核戦力的な扱い。
出てくる数こそ少なめだが、グラントやジャッカルより遥かに厄介な敵と言える。
エネルギーシールドを展開しているので並の攻撃は通じず、動きが素早いので大柄な体格なのに狙撃を当てる事も困難。武器はプラズマライフル、ニードラー、コヴナントカービンなど高火力なものを使いこなし、プラズマグレネードの正確な投擲で即死を狙ってくる。エナジーソードを携えた者もおり、これで斬られるとやはり即死するなど、攻防共に強敵である。
中にはアクティブカモフラージュで透明化しながら斬りつけてくる隠密部隊や、大量のプラズマグレネードを投げる特殊部隊、大量のグラントを率いている部隊指揮官もいる。
『2』以降は味方としても使えるようになった。性能的な面では人間側の海兵隊員と同じ。