階段ビクビク6丁目
かいだんびくびくろくちょうめ
2024年11月7日夜、JR横須賀線を「デビュー当時の塗装を再現した旧形車両」が走り、この情報をX(Twitter)などから得た写真撮影をメイン活躍とする鉄道ファン(通称:撮り鉄)が沿線や同路線の駅に集まった。
中でも横浜駅では、多くの撮り鉄が集まり、ホーム先端で撮影をしていたのだが、一部のファンが「黄色い線からはみ出て撮影を行う」「大きな声を出す」などの迷惑・マナー違反行為を行い、駅員が注意をするも従わない状況となっていた。
これに対し、駅員が「ルール守らないとハイビームのままですよ!」と発言したことで、一部の撮り鉄が「下げてから言えよ!」「ボケ!アホンダラ!」などの怒号や罵声をあげるなどの迷惑行為を行った。この時、誰かが「階段ビクビク6丁目!」と叫んだ。
この様子はX(Twitter)で拡散され、一般人にも知れ渡るようになり、フジテレビのニュースでも取り上げられた。
ニュースの見出しが、『【独自】“撮り鉄”が駅員に「ボケ!アホ!」安全ルール守らず“ハイビーム”で応戦され罵声「階段ビクビク6丁目!」意味不明の声も』であり、ニュースを見た人の間で「階段ビクビク6丁目とは何か?」と話題に上がるようになった。
撮影されていた車両は、E217系と呼ばれる横須賀線の古い車両で、新型車両導入により引退が迫っている。
このうち、Y-101編成と呼ばれる1本は、11月2日に車両基地で行われた「デビュー当時の塗装を再現した有料撮影会」(参照)に使用されたため、現役車両とは異なる古い塗装に塗り直されていた。
この車両が、急遽11月7日に営業運転を行ったため、有料撮影会に参加しなかった撮り鉄を中心とした人達が駅に集まったと思われる。
また、引退間近の列車だけを趣味にする「葬式鉄」というジャンルの鉄道ファンもおり、余計に人が集まってしまったと考えられる。
なお、JR東日本もこれを予想してか、当該列車の乗務員を増やす、駅係員がホームで監視をするなどの警戒を行っていた。
ただし、列車のヘッドライトは安全運行のための設備であり、本来は撮影者に配慮して切り替えるものではないし、嫌がらせのためにハイビームにするものでもない。
ハイビームだと、ライトがレンズに反射してしまったり、車両が上手く写らなくなるため、ハイビームを嫌う撮り鉄も少なくない模様。
真相は叫んだ本人のみが知るので不明だが、ネット上では「空耳でそう聞こえるのでは?」と考察もされており、「会社に連絡すっぞオメー」(=放送をした駅員の苦情を本社に入れるぞ)ではないか?とか、「天神橋筋六丁目!」(地下鉄駅で、ハイビームの列車が入ってくる)と叫んでるのではないか?などと言われている。
他にも「一度和解はケイン!」などと言う謎の発言もされており、「特に意味はなく、罵声あげている人に便乗してただ大きな声を出したかったのではないか?」とも言われている。
撮り鉄が起こしたトラブルは、2021年に同じく神奈川県を走る鉄道の江ノ島電鉄で、試運転列車を撮影していた撮り鉄が、たまたま自転車で通りかかった男性に(撮影を妨害されたと思い)罵声をあげる「江ノ電自転車ニキ」の事件がニュースに取り上げられており、記憶に新しい。このため、一般人による鉄道ファン全体へのイメージが更に悪くなり、過度なバッシングにも繋がっている。
有料撮影会などとは違い、今回の場合はあくまで鉄道会社のご厚意によって無料で写真を撮らせてもらっているのに、撮影がさも当然の権利かのように我勝ちにベストポジションを争って、邪魔になる存在に対して罵声を浴びせている。これは明らかなマナー違反である。
いくらいい写真を撮りたいからといって、駅で罵声あげる、黄色線から出るなどの行為は、最悪列車の運行に支障が出る運行妨害に繋がる可能性もある。撮り鉄へのバッシングを疎むのであれば、努めてこのようなことがないようにしてほしい。
また、第三者である一般人も、自業自得としばしば言われる界隈ながら、だからと言って全ての鉄道ファンが悪いわけではないという事実を理解しないのはお門違いである。
ネット上でも、今回の迷惑行為に対して、「マナーを守るべき。」「なぜ迷惑行為をしてまで撮りたいのか?」などと、非難をする鉄道ファンも一定数いる。全てを思慮なく一纏めにしてここぞとばかりに感情的な批判を浴びせるのは、どんなに義憤に駆られた末の発言とて見当違いであり、明らかな誹謗中傷である。
なお、JR東日本は「マナーを守って撮影してほしい。」とニュースに答えている。