概要
『放課後カルテ』は日生マユによる日本の漫画およびそれを原作としたテレビドラマ
『BE・LOVE』(講談社)にて、2011年18号から2018年11号まで連載された。
子供達の未来を守る最後の砦たる保健室を舞台に、ある小学校に赴任した仏頂面の学校医が、類稀なる観察眼で異変を見抜き子供達と父兄を救っていく医療漫画。
2024年10月クールの土ドラ9枠で松下洸平主演で連続テレビドラマ化。
主題歌はwacciの「どんな小さな」。
ストーリー
ある小学校に赴任した仏頂面の学校医・牧野が類稀なる観察眼で異変を見抜き子供達と父兄を救ってゆく医療ヒューマンドラマ
登場人物
主要人物
- 牧野峻(演:松下洸平)
小学校に赴任した保健室を預かる学校医。愛想の無さと口の悪さ、態度の大きさが問題視されているが、病気を見る目は確かである。
赴任する1年前までは帝都大学附属病院の後期研修後1年目の小児科医だったが、上記の言動と診断ミスのせいで担当患者の真琴に恐怖心と憎悪を抱かせてしまい、父親の貴之とも口論になったため当然の如く病院内では問題医として扱われており、病院側は学校に専門医を試験配置することを表向きの理由にして左遷同然のように追放した。(表向きの理由は産休の岩見先生の代理としての赴任となっている。)
一方で、嘗ての上司や同僚の中にはその能力を高く評価する者もいる。
好きな食べ物はパンと蕎麦。苦手な食べ物は椎茸。
学校医として生徒たちと触れ合ったことで大きく成長を遂げたが、岩見先生が産休明けに復帰することとなったため、3月を目処に学校を離れることとなった。そのため、岩見先生に後を託すため引継事項を伝えた。
そして、唯一の心残りであった樫井親子との確執にもケリをつけ、学校を去っていった。
その後、帝都大学附属病院に復帰した。
- 篠谷陽子(演:森川葵)
6-2の担任を務める女性教師。当初は牧野の態度が原因で嫌悪していたが、自分達が気づかなかった生徒や父兄の病気を見抜き治療の糸口を見つけては助ける彼を少しずつ信頼するようになる。
しかし、元々の生真面目な性格故に生徒や親への対応等度重なる業務と「しのや先生と喋ったらムシしよ」というメモを見つけてしまいクラス内で生徒及び教師いじめが発生しているのではないかと疑心暗鬼になったこともあって心身共に疲弊しきっており、牧野から心配されている。
牧野の診断で舌炎と鉄欠乏性貧血と診断されたが、担任という立場と責任が重くのしかかる以上「たかが貧血で病院に行っても意味が無い。」と拒否。他の先生からの勧めも言い訳してあしらっていた。
しかし、教室で倒れている姿を牧野が発見。保健室で疲れを取らせるため寝かせていたが、寝た分をカバーするため働こうとするが牧野から制止され、「理想を掲げて倒れるよりも及ばないことを自覚してやれる範囲の行動を取れ」とアドバイスされる。
その言葉を受けて、週末は自分をリラックスさせるためにしっかり休息を取ったことでいつも通りの感じに戻っている。
東多摩第八小学校
教諭
- 芳野葵(演:ホラン千秋)
1年2組の担任。篠谷の良き相談相手。激務でみるみるうちに心身が疲弊していく篠谷を心配して牧野に診断を頼んだ。
それでも無理をする篠谷を何としても止めるため率先して彼女の仕事をサポートした。
- 藤岡雅史(演:平岡祐太)
6年1組の担任で、6年生の学年主任。同じく6年生の担任である篠谷に対して先輩としてアドバイスしており、篠谷が激務で心身共に疲弊しきっていた際には率先して彼女のサポートを買って出ている。
- 岩見先生(演:はいだしょうこ)
牧野の前任の保健室の先生。産休だったが、産休明けとなる4月に復帰することとなった。
生徒
6年2組
- 宮田薫
演 - 三上野乃花
- 輪島陸
演 - 藤井健
- 杉村ミカ
演 - 前田織音
- 赤嶺太一
演 - 湊
- 柏山遥
演 - 斉藤百花
- 木倉良太
演 - 幸田知士
- 水本羽菜
演 - 小西希帆
クラスメイトと馴染めず孤立しており、親友と呼べる同級生はいない。一応、クラスメイトと話せてはいるもののどこか距離を取っている。七夕の飾りを壊していたところを藤野に見られてしまい、クラスメイトに知られてしまうことへの恐怖と藤野への恨みを抱えている。
後に藤野とは和解するものの、両親の離婚を機にすっかり無気力となった父親等の家庭環境も相まってうつ病に近い症状を患っており、湧き上がる破壊衝動を抑えられずにいる。時にその衝動が自分にも向くため足首には自傷の痕がある。
その後、牧野の説得で気持ちを持ち直すことができ、父親にも自身の悩みを打ち明けることができた。母親とも電話越しで会話することができ、蟠りを解くことができた。
- 池村大和
演 - 山口暖人
- 三本れいか
演 - 畠中一花
校則違反であるはずの色付きリップクリームを持ってきていたため、篠谷に没収される。しかし、母親がモンスターペアレントじみた行動で無理やり篠谷を言いくるめて返却させた上に特例で許可するよう文句をつけた。
本人も篠谷を鬱陶しがっており、「どうしたら私達のことをほっといてくれるのかなぁ…。」と凛に対して呟いていた。
また、凛だけではなくクラスメイトに対して無意識に見下しマウントを取っている節がある。
6年1組の同級生・園川聡とは幼稚園の頃からの幼なじみ。
園川が家出した際に鉢合わせたため、彼に着いて行き、父親について聞くことを躊躇していた聡をサポートした。
その後、病院にも付き添い、両親の喧嘩に嫌気が差してつい「毎日喧嘩しかしないなら別れればいい。」と言ってしまったことへの後悔から不登校となり口を閉ざすようになったという経緯を吐露した彼に寄り添い励ました。
その後、自身の言動を反省し松井に謝罪した。
- 上田大志
演 - 齋藤潤
- 落合芽依
演 - 凉川美春
- 澤田悠斗
演 - 斉藤應之介
- 蓮本理子
演 - 中村たんぽぽ
腹痛に悩まされていたが、学校中で「牧野が患者を殺した」という噂が広まっていたため抵抗があったものの、日に日に酷くなる症状に耐えきれず診察してもらおうとしたところ、足首に出来た斑点から「IgA血管炎」と診断された。
- 谷口宏哉
演 - 吉田奏佑
- 野咲ゆき
演 - 増田梨沙
授業中によく頻繁に居眠りをしてしまっているためテストの点数は悪く、母親からは毎回注意されている。
しかし、彼女の居眠りは日を増す事に悪化。クラスメイトとの会話中にうたた寝するしてしまい、険悪になってしまった。
その後、牧野の診断によりナルコレプシーだと判明。牧野の判断で1日2回程度昼寝として仮眠を取るようにアドバイスしたことで改善の兆しが見え始める。
- 藤野一希
演 - 上田琳斗
水本が七夕の飾りを壊していたところを見たため、彼女から誰にも言わないように釘を刺された。しかし、弱みを握ったのをいいことに彼女をおちょくる言動を取っていたこともあり一方的に恨まれている。
その後、水本とは互いに境遇が似ていたこともあり和解している。
- 松井純美
演 - 池尻稀春
姉のお下がりを着ているため、三本から「ダサい」と言われてしまい関係がこじれかけるが、三本からの謝罪を受けて仲直りした。
- 田渕翔太
演 - 齋藤詠真
- 冴島啓
演 - 岡本望来
病気の弟・直明がいるため病院に近い東多摩第八小学校に転校してきた。直明が牧野に診察してもらったにもかかわらず担当医から降りたことで見捨てられたと思い、「牧野が患者を殺した」という噂を学校中に流した。
しかし、下校途中に心肺停止状態の老人を発見。一人で心肺蘇生法をやらなければならない状況に立たされるが、牧野の助言により老人を救うことに成功する。
その後、母親と喧嘩し家出するも牧野たちの説得により和解する。
以降は弟を心配しつつ彼のために自分がやれることを精一杯やっている。
弟が手術を受ける直前になって不安に駆られたことを心配し、牧野に彼を説得するよう頼み込む。
弟の手術が成功した後、本格的に医師を志すようになる。
- 佐伯真
演 - 中村蒔伝
- 佐々倉凛
演 - 中田煌理
ケータイ禁止、友達との外出禁止、お小遣い禁止等家庭内のルールが厳しいため、同級生のれいか達と馴染めずにいる。
そのせいで疎外感に苛まれ、自分が「仲間」として入れてもらえるようにコンビニでリップクリームを万引きしてしまう。
その後、牧野立ち会いのもと篠谷と二者面談を行い、メモを書いたのが自分であること、れいかの一言で彼女のために書いてしまったこと、れいか達から仲間外れにされないように万引きをしてしまい母親を泣かせたことを後悔していることを吐露した。
- 笹本拓真
演 - 柊吾
夏休み中に秘密基地を見つけており、それをクラスのみんなに自慢したが信じて貰えず、それを証明しようとクラスメイトを連れて行ったものの、その途中でツツガムシ病の症状が出てしまい倒れてしまう。牧野の応急処置で何とか安静になり、そのまま多摩医療センターに搬送されたことで抗菌薬を投与され完治することができた。
- 渡邉アローラ
演 - コールレクシー
- 西山海斗
演 - 大城龍永
6年1組
- 園川聡
演 - 渡邉斗翔
不登校の生徒。両親は別居しており現在は母親との二人暮らし。父親が家を出ていったことを機に不登校となってしまい、母親と顔を合わせることすら拒絶しているためろくに食事を摂れていない。
藤岡と牧野が家庭訪問をした際に自分の問題に首を突っ込む大人たちに嫌気が差し家出。しかし、偶然三本と鉢合わせてしまい拒否することもできず父親が勤めていた「魚谷モーターズ」を訪れたが、先月辞めたことを父親の上司に告げられ、そのショックで低血糖症を起こしてしまう。
その後、東多摩医療センターに搬送され、そこでオペ看として勤務していた母親が迎えに来た際、牧野と三本の根気強い説得で両親の喧嘩に嫌気が差してつい「毎日喧嘩しかしないなら別れればいい。」と言ってしまったことへの後悔から不登校となり口を閉ざすようになったという経緯を吐露した。
1年生
- 外崎真愛
演 - 英茉
自宅では普通に喋れるが、学校内では緊張して殆ど喋ることができない場面緘黙症を患っている。
朝の子ども番組に出る「カピ太」(CV:内田真礼)が大好きだが、深層心理内では「カピ太」(扁桃体)が彼女の話す意思を阻害するような表現がなされている。
牧野との交流を経て徐々に成長していき、病気を克服しようと立ち向かう勇気が芽生えていく。
関東医科大学病院東多摩医療センター
- 咲間大地
演 - 吉沢悠
小児科医。牧野の元指導医。牧野の性格を誰よりも理解しており、学校医としてやっていけるのか心配しており何かと気にかけていたが、彼が一人前に成長した姿を見て感慨深くなっていた。
- 高崎修二
演 - 田辺誠一
小児科の医局長。牧野の言動を問題視し、小学校への異動を命じた…が、実は保健室の存在意義の高さを重要視し牧野に知見を広げてもらい成長させることも目的の一つだったことが判明した。
その他
- 樫井真琴
演 - 三浦綺羅
牧野の病院勤務時代の元患者。牧野の回想から推測すると、東多摩第八小学校で広まっている「牧野が患者を殺した」という噂との関連性は高いと思われていたが、結局関係なかった。
とはいえ、牧野が学校医として左遷させられた一因となった患者ではあり、牧野がインフルエンザだと誤診したことで溶連菌感染症によるリウマチ熱に気づけず事態が悪化。牧野は診断後にそれに気づいたものの、必死さのあまり高圧的な態度を取ったせいか牧野に対して恐怖と憎悪を抱えるようになり、「先生のせいで病気になった」と罵った。
また、母親が呼吸器疾患の手術のため入院したものの手を尽くせず帰らぬ人になったことがトラウマとなり病院自体に嫌悪感を示している。
そのストレスが原因で身体症状症を患っている。しかし、牧野たちの尽力でそのストレスを無くし症状が改善していった。
- 樫井貴之
演 - 塚本高史
真琴の父親。妻を亡くしており、真琴を男手ひとつで育てている。
牧野の回想では、牧野に対して問い詰めていたことから息子の病気が原因で牧野を憎んでいると思われていたが、その予想通り真琴の溶連菌感染症によるリウマチ熱を牧野が誤診したことにより不信感を抱いていた。
しかし、憎んでいたと言うより医師である牧野にも対処しきれなかったことは本人も呑み込んでおり、理不尽に対して何も出来ない虚しさを自分にも牧野にもぶつけるしかない状態だった。
妻の死を機に彼女の遺品等は仕舞っているが、それが真琴の身体症状症を助長してしまう。そのことを牧野を通して知ったことで「母親の死に目に会えなかったことが原因ではないか」と推測し、母親にちゃんと別れを言うべきだと感じたことで息子と向き合っていく決意を固めた。その後、牧野たちの協力もあり息子の症状も改善した。
- 冴島直明
演 - 土屋陽翔
啓の弟。病気で入院している。学校のことをよく知らないため、一時的に退院した後、姉と散歩中に一人抜け出して学校に忍び込む。その後、姉の同級生らに見つかり、彼らと友達になった。
その後再び入院することとなり、病院内で同じく闘病生活を送るるかと意気投合するが、彼女の様子を見て手術を受けることに対して恐怖を覚える。
しかし、姉の頼みで駆けつけた牧野がエールを送ったことで何とか持ち直し、退院後に2人でキャッチボールをする約束をした。
その後、手術は無事成功し現時点では問題なく術後の経過も良好である。
- 冴島環
演 - ソニン
啓と直明の母。病気の直明を心配するあまり過保護になっており、夫の裕二や娘の啓と衝突することもある。
最終的に自身の言動を反省し夫や娘に謝罪している。
- 冴島裕二
演 - 田中幸太朗
啓と直明の父。基本的に子供たちの意見を尊重しており、病気の直明に対しても「できることはやらせてみる」という認識を持っている。