概要
大規模災害や事故で負傷者が圧倒的多数発生した際、医療資源が限られた状況下における間に合わせの処置として、それぞれに治療の素早く優先順位を定める選別作業。
平時においては問題なくとも、緊急時において十分な医師や医療設備、それを動かす電力などがない場合、軽傷者や救命不可能な致命傷を負った重傷者などにそれらのリソースを割くことはできない。(明らかに助からない人間1人の為に資源と時間を浪費し、助かるはずの大勢の人間を犠牲にすることはできない)
医療機関の損傷レベルにもよるが、結果的に「救命可能な重傷者」が優先されるので、軽傷や風邪といった体調不良レベルではいくらゴネても追い返される可能性も高い。救急箱や応急処置といった物資や知識などを身近に準備しておくと役に立つ。負傷しないのが一番であるが…
軽傷者や助からない人間を「見捨てる」と捉える方もいるが、緊急時における苦渋の決断でもある。
トリアージ・タッグ
START法(後述)に基づき、怪我の重さに応じて四種の札を患者に付す。
- 歩行できるか→YES:怪我があるならⅢ、ないなら無傷 NO:2へ
- 呼吸があるか→YES:4へ NO:3へ
- 気道確保で呼吸できるか→YES:Ⅰ NO:0
- 呼吸数が30回/分(3回/6秒)以上か→YES:Ⅰ NO:5へ
- CRTが2秒以上か→YES:Ⅰ NO:6へ
- 簡単な指示に応えられるか→YES:Ⅱ NO:Ⅰ
カテゴリー | 色 | 定義 |
---|---|---|
0(無呼吸群) | 黒 | 死亡/生命的兆候がなく、救命不可能なもの。 |
Ⅰ(最優先治療群) | 赤 | 生命にかかわる重篤な状態で今すぐ救助が必要なもの。 |
Ⅱ(待機的治療群) | 黄 | バイタルは安定しているが、治療が必要なもの。又、Ⅰに変わる可能性があるもの。 |
Ⅲ(保留群) | 緑 | 歩行可能で、早急な治療を必要としないもの。 |