概要
砲艦とは、小型の軍艦の一種。明確な定義はないと言っていい。
任務によって、以下の二つに大きく分けられる。
- 平時の海外植民地や勢力圏の警備を狙った、軽武装で儀礼的任務を主にしたもの
- 国境警備や沿岸域の防衛向けに重武装を施した汎用のもの
また、19世紀後期に沿岸防衛を目的として巨大な砲を積んだ砲艦と呼ばれる軍艦があり、後に海防戦艦に発展する。
1880年代から1890年代にかけて魚雷を装備した水雷砲艦と呼ばれる艦種が一時はやったが、敵艦隊に肉薄攻撃をかけるには速度も外洋での航洋性も十分ではなく、用途が被る駆逐艦にとって代わられた。
余談
日本海軍では、摩耶型砲艦の4隻が600トン強の小さな艦体に24cm砲1門を装備する予定だったが、兵装が過大という批判があり(当初の計画のまま竣工していたらどうなっていたかは松島型防護巡洋艦の記事を参照)、実際には各艦ともより小口径の砲を搭載した。
頑丈な船体を持つ事で、軍艦として引退しても商船に改造されるケースも存在しており、日本の場合だと摩耶型砲艦「摩耶」、ロシア帝国のコレーエツ級砲艦マンジュールの後身、「第二君が代丸」などが当てはまる。