概要
単独での暗殺や遊撃を主任務とする隠密頭を務める“紅世の王”。炎の色は枯草色。ちなみに頭と言っても部下などは存在せず、単独で行動する暗殺者で、「黒衣白面の女」というあだ名を持つ。
毛皮の黒衣を纏った黒髪と黒い獣耳を持つ色の抜けるような痩身の白面の美女で、その痩身に不釣り合いな巨大な右腕を持つ。その右腕の先端に黒い無骨な爪が生えており、他の四肢にも鋭い獣の爪が生えている。なおこれらは全て伸縮自在に伸び縮する。
手足の爪と巨大な腕、伸縮自在の四肢を使って戦う接近戦闘の達人で、近距離の影に潜み移動する自在法『影浸』の使い手で、伸縮自在の四肢と合わせて中距離からの攻撃、或いは死角から奇襲をかける戦法を得意としている。なお、この能力を応用して腕だけを敵の下に伸ばして攻撃を仕掛けることも可能。また爆破攻撃を仕掛ける事もできる。
物事を深く考えるのが苦手で、下された命令をそつなくこなす事しかできない単純な性格の持ち主で、それ故に自分とは全く正反対の性格の持ち主である“大擁炉”モレクを尊敬しており、また、その性格故にいつも危機に怯え続けている彼を女性として守っていたいと考えており、彼の命令に従ってそれを遂行する事に無上の喜びと満足感を抱いている。
様はモレクに思いを寄せていたのだが、その思いとは裏腹に表面上は何かにつけてモレクの事を「黙れ、痩せ牛」と罵ってしまう重度のツンデレ状態に陥っていた。ちなみに(真意の見えないジャリを除いて)にブチんのアシズとモレク以外にはその想いはバレバレだった模様。
なお。想い人の炎と自分の炎の色の両方を持つ花「セイヨウタンポポ」が好きであったようだ。
中世に行われた『大戦』の最終局面でブロッケン要塞に突入して来た『天道宮』に侵入してガヴィダを殺害した直後、モレクの死を知り心神喪失状態に陥るが、それでも『九垓天秤』の一員として最後までアシズの為に何かを成そうと、要塞内の守備兵をかき集めて周囲を包囲する形で配置。
そして自身はモレクの仇でもあるマチルダに不意打ちを仕掛けて致命傷を与え、向かってきたヴィルヘルミナに少なからずダメージを与えて片腕を捥ぎ取るという戦果を挙げるものの、 想い人を失い普段の冷静さを失っていた事が災いし、『戦技無双』と歌われるヴィルヘルミナに同じ手を二度使うという普段ならあり得ない拙攻を仕掛けるという致命的なミス(『全テ』の解説によると「自殺同然の特攻」との事。もしかすると先に旅立ったモレクの元へ行くために取った行動なのかもしれない)を犯して勝機を逃してしまい、敗北し討滅された。