概要
お調子者の剣士と、悪者にいい様に使われている不思議ちゃん（病弱でもある）、という組み合わせはまるで主人公とヒロイン。
それと同時に「空虚な自分にコンプレックスを抱く順平」と「空虚で生きる希望を持たないチドリ」は相対的でありながらお互いの存在が心の拠り所となって良い変化をもたらしてくれている。
主人公がどんな選択をしようとこの二人はストーリー上必ず両想いとなる。
まさに運命の相手（もしくはメタ的に「公式CP」）と言っていいカップリングである。
女性主人公が選べるP3Pでもこの傾向は変わっておらず、女性主人公に告白されると順平はそれを断る。愛である。
チドリが絵を描いているところに順平が声をかけて関係がスタートするため、彼女のスケッチブックはこのCPのキーアイテムと言ってよいだろう。
2人の軌跡
夏休み終盤、ポートアイランド駅でスケッチをしていたところでその場に居合わせた伊織順平に自分の書いた絵に興味を持たれ、そこから彼との交流が始まる。
お互いに正体を知らずに交流を続ける中で、順平が特別課外活動部である事をうっかり口にしたことで敵対。順平を人質に特別課外活動部の前に立ちはだかるものの、逆に召喚機を彼に取られて拘束されてしまう。
自らのペルソナで心の拠り所でもあるメーディアを求めて恐慌するチドリからストレガの情報を聞き出すべく美鶴たちは病院で尋問を続けていたが、ある時そのメーディアに殺されかけてしまう。特別課外活動部で唯一、ストレガのメンバーではなく自分自身を心配してくれる順平に対して「死なんて目が覚めなくなるのと一緒」と自身の死生観を語りながらも変わらずに自らを案じてくれる彼を「ヘン」と称しながら徐々に心を開いていく様子を見せる。
これらに加えて、劇場版では彼女へのお土産を選ぶ順平や修学旅行から帰ってくる順平を心待ちにするチドリの様子が描かれていた。
しかし…
以下、終盤のネタバレを含みます
「順平と一緒にいると、怖くなかったものが、なんでも怖くなる…」
「無くすのが怖い…死ぬのだって怖い…」
「一緒の時間が終わっちゃうのが…怖い…」
それまで死ぬ事に対して何の恐れも抱いていなかったチドリは順平と交流を交わしていくうちに「失うことの恐れ」を知るようになり、いつしか順平と過ごす時間が大切なものになっていた。
その恐怖に耐え切れなくなったことから順平を拒絶、タカヤの言葉に応じてストレガに帰還した彼女は、特別課外活動部と再度対立してしまう。
戦闘後、失うことへの恐怖を吐き出すとタカヤが姿を表し、チドリを守ろうと手を差し伸べた順平が銃撃されて瀕死の重傷を負ってしまう。
生死を彷徨う順平に自らの命を注ぎ込んで甦生させると力尽き、彼の腕の中で感謝の言葉を伝えると穏やかな笑みを浮かべながら息を引き取った。
チドリの命を受け取ったことで順平のペルソナは「トリスメギストス」に進化。ストレガの2人に一矢報いるのであった。
数日後、意気消沈する順平に遺品として彼女のスケッチブックが渡される。そこには見事な順平が描かれていた。
その絵を見た順平は再起し、チドリの分も生きる事と影時間を消すために戦う事を誓うのであった。
その後
FESやRでは条件を満たすことで復活イベントが発生する。
ただし、ペルソナ能力と影時間の適性、さらにはそれらを得てからの記憶を全て失った状態での復活。
その代わりペルソナ制御剤の副作用も消えており、余命2年とまで言われていた体の状態も回復しているらしい。
また、曖昧だった過去の記憶を取り戻し本名等も思い出している。
順平のことも忘れてしまっているが、「優しくて暖かい"あの人"」というおぼろげな記憶が残っている。
いつか"あの人"を探し出す、という目的が彼女に生きる気力を与えたようだ。
後日談を描いたスピンオフでの描写から以降も交流は続いている模様。
余談
順平のペルソナがトリスメギストスに進化した後にテウルギアを使用すると攻撃モーションの最後にチドリを思い馳せる順平の後ろに彼女の幻影が現れる。この2人の集大成とも呼べる感動的な演出はユーザーから好評を得ている。
横浜・八景島シーパラダイスで開催されたペルソナ3とのコラボ企画では主要キャラクターのパネルが各所に配置されたのだが、順平とチドリのパネルが同じエリア、しかも向かい合って配置されていたことで話題となった。
関連イラスト
