概要
葦プロダクション制作のテレビアニメ。
サイバスターのデザインと一部の固有名詞を除いてはアニメオリジナルの内容となっている。
1999年5月3日から同年10月25日までテレビ東京系で放送された。全26話。
ストーリー
西暦2004年。大地震による被害と自然環境の破壊で、関東一帯は壊滅状態となっていた。
環境保護団体「D.C.(ディバイン・クルセイダーズ)」に落第して失意に沈んでいた安藤ケンをよそに、突如として現れる謎の巨大ロボット・サイバスター。D.C.の新入隊員が次々やられる中、機転を利かした安藤ケンは巨大ロボットを退けることに成功する。その活躍でD.C.に入隊を許されるのだが、その日を境に武装化を始めたD.C.には不穏な空気が流れ始めていた。やがて、地球と異世界ラ・ギアスを巡る戦いへと巻き込まれていく。
登場人物
サフィーネ・グレイス(CV:三浦七緒子)
主題歌
オープニングテーマ
「戦士よ、起ち上がれ!」
作詞 - 工藤哲雄 / 作曲 - 坂下正俊 / 編曲 - 須藤賢一 / 歌 - 遠藤正明
エンディングテーマ
「nothing」
作詞・作曲・歌 - SEE SEE(矢井田瞳) / 編曲 - 鎌田雅人、WATER
余談
「アニメ版のサイバスター」ということでアニバスターという俗称がある。
スーパーロボット大戦を原点に持つ作品でありながら、ゲームのスーパーロボット大戦には一切登場したことがない。これはスーパーロボット大戦の発売元が権利を所有していないことが理由。うますぎWAVEによると、当時の発売元であったバンプレストが権利を主張するのを忘れていたとのことで、スーパーロボット大戦に登場させるにはマジンガーZやガンダムのように使用料がかかるとのこと。
OP曲である「戦士よ、起ち上がれ!」が有名な一方で、作品自体は取り上げられることが少なくマイナーな……と言うか、ほとんどのファンから黒歴史扱いを受けている。
ゲーム版のキャラクターやロボットの名前を使う一方で、ストーリーも設定もまったく異なっている、と言うのがまず大きな批判点だが、それを抜きにしても物語的に盛り上がりと面白みに欠け、非常に淡々と進む。また、ストーリーを無視してロボットバトルを楽しもうにも、その動画に全く外連味がなく楽しめない。
さらに作画崩壊も頻発し(一部エピソードではキャラがコマ送りで動くなどと言う悲惨な状態もあったほどである)、到底出来の良い作品とは言い難い。
一応、本作の名誉のために追記しておくと、本作が放送された1999年頃(さらに言えばそこから10年程度)はアニメの粗製乱造が極まっていた時代である。
とにかく作れば作っただけ儲かると言う「アニメバブル」に乗じて、適当に低予算でアニメを企画し、中国や韓国の安いアニメスタジオにほぼ丸投げし、ロクに検品もせずに納品・放送……と言う事が日常茶飯事にまかり通っていた(ヤシガニや例のキャベツなども参照)。
つまり本作だけが同時期のアニメに比較して特別ひどいと言う訳ではないのだが、スーパーロボット大戦のネームバリューから注目度が高かったため、その出来の粗さも注目を集め、ことさら槍玉に挙げられてしまった・後世にも語り継がれてしまった……と言う面もある訳である。
一方で本作の制作に関わらなかったスーパーロボット大戦の寺田貴信SVは、ゲームと名前が同じことを忘れればストーリーは面白いと評している。
また、本作は人気声優杉田智和氏のアニメデビュー作でもあるのだが、上記の事情からうますぎWAVEの第1回目で「デビュー作を馬鹿にされるのが一番嫌い」と発言している。