1.ギリシア文字の第 5 字母。
2.漫画『[[鉄腕アトム』]』の登場人物。本項で解説。
概要
(全員、並行世界の同一機体です)
エプシロンは、原作でも屈指の名エピソードと名高い長編『史上最大のロボット』に登場するオーストラリア出身のロボット。プルートゥの暗殺のターゲットに選ばれた7大スーパーロボットの中では、最後にプルートゥと出会った機体である。
本家本元 元祖エプシロン
原作漫画でのエプシロンは、黒いボディとヒーロー然としたマント、長く伸びた角が特徴的なロボットだった。エプシロンは原子力ではなく光子力を動力源としたロボットであり、太陽の光さえあれば無制限に活動が可能なハイテクメカを内蔵している。キカイダー01もびっくりだ。
アトム同様に優しく戦いを好まない性格であり、ブランドやヘラクレスのような戦闘狂とは違い、普段は孤児院で子供たちの世話をしている。
アニメ2期(カラー版)では中村英利が声を担当した。
そんなのありかよ!? 「AB版」エプシロン
2003年、アトム誕生の年に放送されたテレビアニメ『ASTROBOY鉄腕アトム』(以下AB)にもエプシロンは登場。その姿がブラウン管に映し出された瞬間、原作世代の親御さんは呆然となり、大きなお友達は熱狂した。それもそのはず、AB版ではエプシロンは女性型ロボットなのである。
緑色の髪をショートボブにした彼女は、背中に羽を生やしたレオタードを基調としたアーマーを着用しており、パッと見「妖精」のように見えなくもない。あざとい。
孤児院の経営者という設定はなかったことになり、気象観測と災害防止のために働くロボットとして作られた。武器は巨大竜巻をも消し去る光子砲。戦闘時にはその特性を生かした環境利用闘法を取る。
声優は平松晶子女史が演じた。
なお、AB版では原作に登場したモンブラン・ノース2号・ブランドは登場せず、ゲジヒトは彼をモチーフにした別機体「デルタ隊長」として登場し、こちらは半レギュラーとして東京の治安を守っていた。
安定のリメイク 浦沢版エプシロン
浦沢直樹の漫画『PLUTO』では、原作ともましてやAB版とも全く異なる、長い金髪を持った青年の姿として描かれた。
『PLUTO』では平和維持のために、人間のほかに「心」を持ったロボットたち(あのアトムですら)が中央アジアの紛争撲滅のために派兵されていた(注1)が、エプシロンは「この戦いに義は無い」として徴兵を断固として拒否。その罰として戦争の事後処理の雑用を命じられ、そこで知り合った戦災孤児たちを引き取って育てることを決意する。
非戦闘型ロボットだが光子力エネルギーを利用して戦争の際に出た廃棄物(注2)を処理しており、その破壊力は7体のロボットの中でも最高とされている。皮肉なものだ。
(注1)原作でも完全に『七つの影法師』や『ロボット宇宙艇』などに登場する「戦争のために作られたロボット兵器」はいたものの、彼等は現実世界における無人兵器と同じく極めて単純なAIしか持っていないただの機械兵器だった。
(注2)ロボットの残骸なども含む。エプシロンからしてみれば同族の死体に他ならない。