コハエース
こはえーす
概要
作者:経験値。月刊コンプティーク(角川書店)2011年6月号より連載開始される。
「TYPE-MOON10周年記念漫画」と銘打ち、『月姫』の登場人物である琥珀と遠野秋葉を進行役に、『Fate』シリーズや『魔法使いの夜』等、他の型月作品の登場人物も交えつつ同ブランドの歴史を振り返るという内容。
…の、はずなのだが…
TYPE-MOONとは全く無関係なゲーム(初期はセガハード系中心)について延々と語ったり、一部作品の制作が伸びまくっている等のアンタッチャブルな部分に平気で言及したり、と実にデンジャラスな内容。
とは言うものの、原作としてTYPE-MOONがクレジットされ、またタイトルの名付け親は社長(厳密には、法人としての「ノーツ」代表取締役)武内崇だったりと、ちゃんとした「公認」の作品である。
作風
- キャラクターは二頭身(大柄なキャラでも三頭身)にデフォルメされ、片目しか描かれない(極端な「横向き」の表現)。ショックを受けるとしばしばネイキッド状態になるが、いわゆるののワなのでエロさ/Zero。
- 擬音のみならず台詞も写植を用いず全て手書きとなっており、作画においてもスクリーントーンによる陰影表現や背景の描き込みは一切されず、驚きの白さとも評される。
- 下部のコマ枠外には、DVDやBDソフトの副音声のノリで当該ページに登場するキャラのコメントが記載されている。その内容たるやこちらをネームとしてマンガがもう一本描けそうな濃さ。
- 掲載誌・コンプティークがゲームのみならず漫画・アニメ・ライトノベル等も包括したメディアミックス雑誌という事もあって、それらにまつわる楽屋ネタも重要な要素であり、TYPE-MOON以外の作品についての知識も幅広く有しているとより楽しめる内容となっている。
主な登場人物
登場頻度の高い、あるいは重要な役どころのキャラクターを抜粋。
本作の進行役、というか主人公。使用人1号。TYPE-MOON作品をフリーダムに解説する。
原作でのゲーマー設定が拡大されまくり、マニアックなゲームの話題になるとTYPE-MOONの歴史そっちのけで熱く語るほか、隙あらば『コンプティーク』誌の袋とじ企画の復活を要望したりとやりたい放題。ほぼ作者の代弁者。
進行役その2。当主。琥珀への突っ込み役…なのだが、ちゃんと制御できた試しが無い。
暴走しまくる琥珀を物凄い勢いで罵倒したり、関係者各位の逆鱗に触れかねない発言を琥珀がした際にはひたすら謝り倒すなど、キャラクターの崩壊具合が琥珀以上に顕著。
作者の推しメン筆頭。おかげでキャラ崩壊はほとんど無いのだが、本人としては名状しがたい空気の中で便利屋扱いされる状況に馴染めず、お役御免になりたがっている。
しかし有耶無耶のままに契約が自動延長されていく可哀想な人。
原作での微妙な?活躍振りから「最優のサーヴァント(笑)」「青はオワコン」など周りからしばしばディスられる、扱いの酷さに定評のある騎士王。他のセイバー達と一緒に出演する際には、区別の為に頭に「青」と書かれている。
話の流れによっては社長のアバターとして登場する場合もあり、その際は頭の文字が「社」になる。
前者との区別で頭に「赤」と書かれているわがままローマ皇帝(アホ毛の向きでも判別可能ではあるが)。本編を制圧し『赤セイバーエース』を始めようとしたり、某ソーシャルゲームに感化されて『ローマフレンド(仮)』を作ろうとする等色々企てる。「ねろ・くらうでぃうすでーす」
青セイバーの息子と言う建前の娘。頭に「モ」と書かれている万年反抗期のオレっ娘。父親としょっちゅう張り合ってはいるが、一方で何かにつけて「父上最高!」と言っていたりするツンデレ系ファザコン。
赤セイバーとは「自分以外が父を馬鹿にするのは許さない」との理由で仲が悪い。
「キャラが被る」として琥珀の出番を奪おうと虎視眈々と狙い、ブリテンとローマ以上に熾烈かつ低レベルな闘いを繰り広げ、時々油断して殺生石にされたりもする。
某エイプリルフール企画では赤セイバーに手塩に掛けた艦隊を無茶苦茶にされ新たな因縁が勃発している。
使用人2号。琥珀の双子の妹…だが、絵柄も手伝って読者もそれを忘れそうになったり。オリジナリティ溢れる語調で周りを混乱状態に陥れる洗脳探偵。
一方、姉の不在時に代理として進行役を任されると、秋葉が逆に不安を覚えるレベルの真っ当な仕事振りを見せる。
社長自らデザインを担当した、作中企画『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』のキャラクター。その正体はかつて角川に実写映画で女体化された前歴もある、病弱さに定評のある一番隊隊長のあの人。
青セイバーと瓜二つの顔立ちで、秋葉からは「けっきょくセイバーじゃねぇか!ぶっとばすぞ武内!」と突っ込まれる。
青・赤両セイバーからは自分たちの立場を脅かす存在として危険視されているが、モーさんからは「母上」と呼ばれ懐かれる。
こちらも『帝都聖杯奇譚』のキャラクター(デザインは経験値自身)。軍服を纏う長い黒髪の少女。
余談
流転するタイトル
実は『コハエース』としては2012年3月号までの全10回で終了しているが、概ね単行本1冊の区切りで『コハエース+』(2巻、2013年5月号まで)、『コハエースEX』(3巻、2014年5月号まで)を経て、2014年6月号より『コハエースXP』と改題。
…別の意味で打ち切り臭が漂うのは気のせいか。
まさかの…
『カーニバル・ファンタズム Special Season』の1エピソードとして何とアニメ化。
経験値が脚本・コンテ・演出・作画…など、ほぼ全ての作業を担当している。
登場キャラは琥珀・秋葉・翡翠・ライダー・青セイバー・赤セイバーの6名。声優については、『月姫』組はTVアニメ版ではなく格闘ゲーム版の高野直子・ひと美・松来未祐が、『Fate』組は初出時の浅川悠・川澄綾子・丹下桜がそのまま担当している。
らっきょ問題
商業展開におけるベースが『空の境界』は講談社&星海社、『月姫』と『Fate』は角川&一迅社、と分かれている事からか、TYPE-MOONが自前で発売したドラマCD『アーネンエルベの一日』を除くと、『空の境界』は他作品とのクロスオーバーから外れる傾向がある。
『コハエース』においても例外では無かったのだが、同じく「コンプティーク」連載中のもう一つのクロスオーバーパロディ『ちびちゅき!』において『~境界』キャラが何も無かったように平然と出演していたり、『Fate/EXTRA』の隠しボスとして両儀式、NPCとして蒼崎橙子が登場するなど本家サイドもやらかし出す等の状況の変化も手伝って、2014年9月号掲載回において遂に式が初登場。