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ロケット弾の編集履歴

2014-12-17 00:27:18 バージョン

ロケット弾

ろけっとだん

ロケット推進で弾頭を投射する兵器。誘導性能はなく、ただまっすぐ飛ぶだけである。最初は機銃よりも高い破壊力を生かし、対爆撃機用に使われていた。ミサイルが実用されるにつれ、対空用としては使われなくなっている。一方、対地ロケットや携帯ロケット弾は改良が続けられ、現在でも兵士たちの『守り神』として活躍している。

概要

外見はミサイルに似ているが、「誘導されない」(まっすぐ飛ぶだけ)という点が大きく異なる。


今日配備されている歩兵用携行式ロケット弾(RPG-7など)の他にも、第二次世界大戦時に旧ソビエト連邦が使用した対地ロケットランチャー(カチューシャ)や、

同じくドイツが対空攻撃用に使用した各種ロケット弾等が有名である。

また、戦後では対潜ロケット弾のように爆雷を遠くへと投射する手段としても使われている。


カチューシャ

通称「スターリンのオルガン」。

低い命中率を数で補うことになっており、発射台トラックにして十数台や数十台がまとめて発射する。

ただでさえ多い発射数が更に増え、着弾点付近はものすごいことになる。

旧ソ連は空軍の代わりに砲兵部隊が進化しており、カチューシャはその象徴的存在でもある。


空軍か砲兵か

支援される側にとってはどちらも同じである。

空軍と砲兵にはそれぞれ強みがあり、


砲兵:陣地さえ据えればいつでも支援できる事

空軍:射程(距離)に関係なく支援できる事


どちらを重視するかは各国軍の重点にもよるが、旧ソ連では軍隊の規模を生かして砲兵の整備に力を注いでいる。


大戦の反省

1950年代におけるアメリカの防空戦闘機の主武装は無誘導の空対空ロケット弾だった。

これは先の大戦におけるドイツ上空で爆撃機部隊が同様の攻撃による大損害を被った反省による。

ロケット弾は1発あたりの破壊力が大きく、至近弾(惜しいハズレ弾)の爆発でも撃墜されてしまったのだ。


この戦訓をもとに、アメリカ空軍は防空戦闘機の主武装をロケット弾にした。

飛来するソ連の爆撃機に対する一撃必殺を期してである。

中にはAIR-2 ジーニという核弾頭を搭載したものもあった。

しかし、想定されていた第三次世界大戦は起こらず、結局そのような危惧は必要なくなってしまった。


現在のロケット弾

ミサイル技術の発展により、現在ではロケット弾を対空用兵器として使用するような事は殆ど無い。

ただし、対戦車用・空対地用・地対地用・対潜水艦用はバリバリの現役である。


アメリカの場合

先に述べた通り、空対空兵器としては既に使われなくなって久しい。

より命中精度の高いミサイルが登場した為である。

対地攻撃用としてヘリコプター用のロケット弾ポッドがあり、目視距離での近接航空支援でベトナム戦争以来使用され続けている。

ミサイルの発達した近年の戦争でも、安価で強力な火力を提供できる事から、多くの軍用ヘリコプターに搭載されている。

ミサイルとのハイ・ローミックスで搭載する事により、多様な目標に適切に対応出来る。

無論、戦況次第ではミサイルのみ/ロケット弾のみを搭載して出撃する事もあり得る。


そもそもヘリコプターは低空を低速で飛行する為、攻撃を受ける確率が非常に高い。

また、悪天候にも弱く、荒天時には飛行性能が落ちてしまう。

被弾によって飛行不能になることを避ける為、「近接航空支援(CAS)」では通常の攻撃機の方が多く用いられるようだ。(正確さ・陸上部隊との連携は攻撃ヘリコプターの方が上なのだが)


ロケット弾とベトナム戦争

ロケット弾は「一定の範囲内を掃討する」目的では有効だが、戦闘機攻撃機)による実戦投入はベトナム戦争が最後である。

ロケット噴流が相互に干渉しあって精度に欠ける為、クラスター爆弾を投下する方が好まれたのだ。(曰く「どこに飛んでいくか判らない」とか)

一応1発ずつ発射する事も可能だが、その為には何度も目標の上空を通過せねばならず、対空砲火に身を晒す事になって危険なのだ。


FAC目的以外の実戦投入こそ無いものの、搭載可能な戦闘機/攻撃機はベトナム戦争以降も開発され続けている。

爆弾と共通規格で搭載できる為である。

F-16A-10等、アメリカ以外の国ではJAS-39F-1F-2F-15CJ・DJ等)


APKWS(Advanced Precision Kill Weapon System)

非誘導弾である従来のロケット弾では、無駄弾により補給が頻繁に必要になる為、運用コストが高くつき、一度のミッションで複数機・複数回出撃する必要に迫られた。

また、都市部で脆弱な装甲の車両に対し対戦車ミサイルを撃ち込んだり、命中させる為に大量のロケット弾をばら撒くと、過剰火力によって周辺被害が大きくなりすぎてしまう事も問題となった。

これを解決すべく、既存兵器のコンポーネントを流用した安価で適切な火力の兵器が求められた。

現在、ハイドラ70ロケット弾に誘導能力を付与した先進精密攻撃兵器APKWSが開発されている。

セミアクティヴレーザー誘導により高い命中精度を持ち、誘導部を弾頭の後ろに配置する構造を採用する事で、ロケット弾の噴炎に誘導部が焼かれないように配慮されている。

非公式に「ヘルファイア・ジュニア」とも呼ばれている。

このような兵器の開発はアメリカだけでなくトルコでも行われており、70mmロケット弾をベースに開発したセミアクティヴレーザー誘導の対戦車ミサイル シリットとして発表されている。


LOGIR (Low-Cost Guided Imaging Rocket)

母機がレーザーを照射し続けなければならないAPKWSと違い、赤外線シーカーによる撃ちっぱなし能力を付与したものとなっている。

名前からも分かるようにAPKWS同様に安価である事が目的となっている。

こちらは弾頭の前部に誘導部を持つ。


FAC(Forward Air Control)

日本では『前線航空管制』と訳されている。

これは攻撃機を精確に誘導し、味方の地上部隊を的確に支援する為の誘導員である。

アメリカ空軍ではベトナム戦争の頃に設立され、ジャングルの密林の中で戦う味方を援護する為に活躍した。

上空からは地上の様子がジャングルに隠されて、「どこに爆弾を落とせばいいのか」がわからずに味方を誤爆してしまうケースがあったのだ。


そこで、地域の様子に慣れたパイロットが敵の位置を突き止め、別途攻撃機に敵の位置を発煙弾で知らせる役が求められた。

これが前線航空管制官である。


この目的に使われているのがロケット弾であり、弾頭には発煙弾を仕込んでいる。

これを目標付近に撃ちこみ、発煙弾の煙を基準に攻撃を行うのである。

(例:「煙から西に100m地点」など)


当初は民間の軽飛行機を転用した「セスナO-1」「セスナO-2」が配備された。

しかし、低速で脆弱なO-1やO-2では損害が大きく、専用に開発されたOV-10が投入されている。

後にA-10がこの目的に使われ、転用された機体は「OA-10」と名称が変更された。

(用途が変わっただけで、機体自体には特に改造は施されていない)



ロシアの場合

時代が進むにつれて使用頻度は下がったものの、現在でも依然として使われ続けているようで、攻撃機や攻撃ヘリコプターが多数ポッドを搭載し、一斉発射する事で地上を制圧する運用を前提としている。

大部隊が相互にぶつかり合う戦いをイメージしていたらしく、(⇒クルスクの戦い)その際の成功体験もあるようだ。


しかしながら、実戦では精度が必要とされる状況も多かったらしく、MiG-27Su-25等の機体はそれまでの攻撃機よりも攻撃精度が改善されている。

現在では精密誘導兵器も盛んに導入されており、向上が目覚ましい。


非正規軍の場合

物資の限られるゲリラ達は対空・対地共に使用している。

多くは車両用ロケット弾発射機を使用するが、中には航空機用ロケット弾ポッドをピックアップトラック等の荷台に無理やり搭載し、テクニカル化した車両も多く見受けられる。


関連タグ

兵器 ロケットランチャー ミサイル

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