「BE BLUES! ~青になれ~」とは田中モトユキによる本格高校サッカー大河ロマン漫画。
単行本は現在18巻(以下続刊)発売中。
第60回小学館漫画賞少年向け部門受賞。
ストーリー
埼玉県のサッカー少年、一条龍は18歳での日本代表入りを目指す小学6年生、幼いながらも既に天才の呼び声も高く、その実力は県下の同世代サッカー少年の憧れの的だった。
ジュニアユース入りを目指し全日本少年サッカー大会県予選を勝ち抜き、スカウトからも注目を集め全国出場を決めたその日、幼馴染の優人が車に轢かれそうになったのを庇い、日常生活も困難な大怪我を負ってしまう。
しかし龍は諦めず、2年のリハビリを経て中学からサッカー部に入部、大きなブランクのハンデを負いながらも再び日本代表入りを目指し、高校サッカーで飛躍を誓う。
作品解説
バレー、野球等の球技作品を手掛けてきた田中モトユキの最新作。人気競技ながら一般に漫画で描くのが難しいとされるサッカーを題材にしているが、現実的な技の応酬に非常に本格的で見応えのある試合の描写から特に経験者、観戦者からの評価が高く、単行本の帯には日本代表選手等の推薦文が載せられている。
他の高校年代作品では選手権を中心にしがちだが、本作はリーグ戦やユースとの関係、世代別代表等、現実に則った進行が特徴で背景に応援風景からプレーに至るまで徹底して現実をモデルにしている。
見易さには気を配っているとの弁に恥じず、ロングショットや俯瞰の構図も多用されており、現実的故に地味に見えるプレーの際にはすかさずアップの構図になり、コマに映っていない選手もホワイトボードでポジショニングを確認しつつ執筆しており、戦術などもある程度分かり易く解説されている場面が多く、サッカー初心者にもお勧めできる。
登場人物
武蒼高校
国立からは長く遠ざかっているがU-18プリンスリーグに所属する埼玉県の私立強豪高校。龍の所属高校。
主人公。該当項目参照。
- 青梅優人
龍の幼馴染、優希の双子の兄。3歳のころから龍と共にサッカーをやってきたのだが、龍の怪我の原因となってしまい後悔に苛まれる。しかし龍の不屈の精神に感化されサッカーを続ける。中学時代朝晩合わせて20キロ走り手に入れたスタミナと龍に上げる息の合ったクロスが武器のサイドバック。自分のせいで龍の夢を奪ってしまったのはトラウマ。江藤藍子に一目惚れ中。
- 矢沢和成
横浜マリノスジュニアユース出身のMF。ユース昇格を逃して武蒼に入学した。Bチーム所属のイケメンだが初登場時レノンには手も足も出ず名前を間違えて呼ばれる等ヘタレ気味だった。本人は抜け目がない性格を気取っているが、根っこの部分は負けず嫌いでフェアプレーを好むようで、相手の弱みに付け込むより正々堂々に拘ってしまう。埼玉県外出身なので龍の事を知らず、周りの龍に対する持ち上げなどから当初は一方的に龍を嫌っていたが、並外れた努力家の龍を見て対抗心から龍の練習に付き合う中々の好青年。
- 橘怜音
一学年上の武蒼高校唯一の世代別(U-17)代表選手。ポジションはサイドバック。龍の強く、速いパスの意図に気付くなど優れた戦術眼を持ち、高いクロス精度、運動量、ディフェンス技術を兼ね備えている。入学時はトップ下だったが監督の黒部にサイドなら日本代表になれると口説かれポジションを転向した。
- 水島恒明
Bチーム所属の二年生MF。通称「コーメイ」、あだ名通り優れた戦術眼を持つ遅攻タイプ。理知的で人間観察を行いつつも叱咤激励も忘れない、どこか飄々とした感じが漂う選手。実は視力が悪く、競技時はスポーツ眼鏡よりコンタクト派。女マネの窪塚とは凸凹コンビ気味。
- 山下弘
龍の先輩2年生、武蒼4バックの一人で、他のDFが『レノン』『ジョージ』『リンゴ』という事からあだ名は『ポール』
- 島津譲二
龍の先輩3年生、武蒼の『名高き4巨人(フェイマスビッグフォー)』の一人。全国レベルの大型センターバックで武蒼のレギュラー。フィード、クリアの制度は高く、技術体格に優れるが典型的な体育会系の性格で短気な所が有る。
- 星倫吾
龍の先輩3年生、武蒼の4バックを形成する一人。優れた判断力で武蒼の最終ラインを統率するキャプテンマークを持つ守備の要。
- 竜崎誠
武蒼高校3年FW。一般入学ながら一年からAチーム入りを果たした武蒼のエース。身長190㎝と言う超大型FWで圧倒的な高さと体の強靭さを生かした空中戦を最大の武器とする。足下の技術面は今一つだが血気盛んなジョージのフォローも忘れない爽やかな性格から周りの信頼は厚い。
- 青梅優希
ヒロイン。優人の双子の妹。小学生時代は優人とほぼ同じスタイルの女子プレイヤーだったが、龍が大怪我をした後、専属マネージャーとなり龍を支え続けてきた。龍の事はいつしか幼馴染から恋心の対象になっていくが、龍の全裸を拝んでモヤモヤして眠れなくなる思春期女子の優希に対し、その着替えを見ても取り乱さないなど、龍の方はサッカー一筋でその意識を抱いていない。桜庭巧美には過去の事から強烈な嫌悪感をあらわにしており、猫を被った桜庭に対しても極めて辛辣な態度を取り、他の女子マネからは諌められていた。かなりの巨乳。なのに興味を抱かない辺り、龍の聖人マインドっぷりがうかがえる。
- 江藤藍子
武蒼高校一年女子で龍のクラスメイト。黒髪ロングのポニーテール美少女で英語好き、本来はもっと上の高校を目指していたが当日風邪引きで滑り止めで武蒼に入学する事になった。そんな経緯からか、当初は不貞腐れていたが、ミルコとの会話で自分の英語力を試せる事からそれなりに明るくなっている。才色兼備だがサッカー知識は皆無で、周りを通じ読者にプレーの動きやサッカー用語を教える役目も担っている。要するに知っているのか雷電的役、本作のプレーが非常に分かり易い理由の一つ。
- 窪塚陽子
龍の1学年上の女子マネ眼鏡っ娘。守備的なカウンターサッカーの信奉者で知性派のようだが、むしろ感情的なタイプの色々と残念な美少女。
浦和レッズユース
- 久世立彦
旧姓、城立彦。ポジションはフォワード。小学生時代は龍と同じ大浦SCでキャプテンを務めており、龍の陰に隠れていたがトレセンに選出されるなど確かな実力を持っていた。龍の怪我に奮起し活躍するもグループリーグ敗退、しかし龍に声をかけていた浦和レッズのジュニアユースに認められる。「どうせお前の代わり」と卑下するもその後、U-15不動のエースにまで成長。忙しいようだが龍たちとは連絡を取り合っているらしい。
年代別代表
- 藤原乃亜
龍が一年生時点でのU-17代表。群馬県赤城中央高校所属のMF。高校生離れした驚異的なフィジカルの持ち主で、リーグ戦で桜庭と対峙した際はテクニックでは完敗しながらも体力とマリーシアで桜庭に完勝、屈辱を味あわせるが逆に交代出場の龍に対しては体力と技術で勝りながらも頭脳で敗北、龍の事を認める。チャラそうな言動の坊主頭だが、実はチャラさが極まりモヒカンにしたら監督に丸刈りにされてしまったらしい。
大浦東中
- 諸星美起也
ジュニアユース落ちの部活組。龍の二学年下ながらセンスあふれるパサー。あだ名は『ミッキー』初期は自分のプレーにしか興味を持たず、チームメイトは上手い+アシストを稼げる龍以外番号でしか覚えなかったが、龍の過去を知りチームプレー+龍以外の名前を覚える。準備運動でくねくねしたり、プレッシャーでプレー精度が落ちたり、足を攣ったり、良い選手だが肝心な時に駄目だったりする。サッカーでは良くあることだが、名前をピッチの外ではさん付けするがピッチ内では短く呼ぶ事が徹底されている。高校進学後急激に背が伸びた。
新田中
- 田村圭
小学生時代はFC加賀屋の名無しのモブキャラ。中学生時代は復帰後の龍を抑えるセンターバック。徹底したカバーリングで菊田とコンビを組むスイーパー型のディフェンダー。
- 菊田省吾
県有数の長身センターバック。元々あまり真剣に部活に打ち込む部類ではなかったが、中学から急激に背が伸び、空中戦とフィジカルを生かしたプレーは優れているが、一点リードのプレー中に気を切らす等やや注意力散漫な点が見られる。
その他
年下のヒロインその2、ハーフ。旧ユーゴ代表監督ミルコ・コヴァッチの孫娘。小学生時代は観客として龍のプレイを見ていた。フィギュアスケートのホープだったが、膝の十字靭帯を損傷。ルックス先行の感を自身感じており、リハビリをサボり世を斜めに見ていたが、偶々リハビリ中の龍と知り合い、小学生時代とは別物のプレイながら必死にプレイする龍を見て奮起、競技に戻るかは未定だが再びスケートを始める。その経緯から龍には心底惚れているが…サッカー馬鹿の龍には全く気付かれておらず、藍子には同情されている。金髪の微乳スレンダーで出てくる度に髪型が変わる。
- ガリンシャ
桜庭家の飼い犬、後ろ脚が短い障害持ちの大型犬、元ネタとなった選手はウィキペディア参照。