「人と、人の想いの行く末に、この世界の未来はある」
声:坂本真綾
概要
『The World』における女神ともいうべき存在。ハロルドが生み出した究極のAIで、後に『The World』を司るシステムの中枢となっている。
ちなみに彼女の名は、オーロラの語源でもあるローマ神話の曙の神であるアウロラが由来。
R:1においては「Δ隠されし 禁断の 聖域」にアウラを模した像が存在していたが、R:2に移行すると『The World』から姿を消したため像がなくなったとされる。
THE World R:1
ハロルドがエマ・ウィーラントと自分の子供としてシステムに組み込んだ学習機能を持つAI。
『The World』を介して幾万の人々の思考を学ばせることで限りなく人間に、そしてそれ以上の存在になる可能性を秘めていた。
しかし、アウラを生み出す筈の母体である『The World』、モルガナ・モード・ゴンが自己保存の自我に目覚めアウラの誕生を拒絶。それにより正常な覚醒を妨げられてしまう。
『SIGN』の時点ではモルガナによって眠らされており、司の心とリンクしていたため、司がポジティブな思考にあれば正常な覚醒に近付くが、ネガティブな思考に傾くとアウラの性質も歪んでしまうという状態にあった。
このためにモルガナによって司は『The World』に取り込まれ、ネガティブな状態に陥らせるために利用され続けていたが最終的には司が心の成長を遂げたことにより、アウラも正常な覚醒を迎えた。 成長した後、アウラを無力化させようと目論むモルガナが差し向けた死の恐怖、スケィスからの逃避行が始まることとなる。
第1期ゲーム『.hack//』では逃避行の最中、当時の『The World』における有力プレイヤーの1人オルカに八相に唯一立ち向かう力を持つインストールブック「黄昏の書」を託す。だが、その直後にオルカがスケィスのデータドレインを受けて未帰還者となったため、「黄昏の書」は彼の親友であるカイトが受け継ぐこととなる。
その後、幾度となくカイトに救いを求めるメールを送っていたが、モルガナにより無力化されていたことにより文字化けしてしまっていた。
しかし、とうとう間に合わずカイト達の目の前でスケィスに捉えられ、データドレインを受けて「器」、「本能」、「知性」のセグメントに分割され、封印されてしまう。
その為にAIとしての能力は全て失われていたが、カイト達がモルガナの化身である八相を撃破していきセグメントを回収。そして、vol.4終盤にセグメントを全て集めたことで力を取り戻した。
そして最終決戦、最後の八相である再誕、コルベニクとの戦いにおいて「絶対防御」の前になす術も無かったカイト達の前にネットに散っていた未帰還者達(この中にはオルカや楚良達の姿もあった)の意識体を引き連れて登場。彼らの攻撃により第二形態を撃破することに成功する。が、最後に第三形態の放ったドレインハートにより状況は一変し、エルクに庇われたカイト以外は全員全滅、モルガナを倒す事が絶望的となってしまう。
....しかし、その中でアウラは“自己犠牲”こそが最も人間らしい思考であることを学ぶ。
(つまり、アウラが究極AIとして誕生する最後のプロセスこそが自己犠牲による自らの死であり、モルガナにとっても悲願である娘の死こそが結果としてモルガナ自身を滅ぼすというあまりにも皮肉すぎる真実であった。)
そしてアウラは『The World』を、カイト達をモルガナから守るため、単身コルベニクに特攻してきたカイトの刃に身をゆだね、コルベニク、生みの母親であるモルガナ・モード・ゴンと共に消滅することを選んだ...。
未帰還者達の意識が解放されていく中、黄昏(twilight)ではなく薄明(twilight)を迎えた世界で、カイトは確かにアウラの産声を耳にするのであった―――
そして数ヶ月後。アウラは再び新生し(バルムンクの台詞を考慮するに、モルガナも自我の無い元のシステムとして転生した)、カイトにインストールブック「薄明の書」を託す。
後日談となる『Unison』では、『The World』内に介在する意思として静かに世界を漂っており、禍々しき波との戦いを終えたプレイヤー達の宴の様子を静かに見守っていた。
この電脳世界における女神の誕生により、人類のネットワーク社会はかつてないほどの黄金期を迎えてゆく。
THE World R:2
R:1において様々なことを学び、ハロルドの目指した究極AIに近づいたアウラは、「世界を創るのは、神などではなく人である」と考え『The World』から姿を消してしまう。
そして、それ以来は自我の無いシステムの中枢として管理を司るようになる。
関連イラスト
関連タグ
.hack プロジェクトクロスゾーン(NPCとして登場。)
※この先は重要なネタバレが存在します |
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『The World』に危険性の高いAIDAが発生したことで、AIDA駆除プログラムを搭載し、かつてのカイトを模した自律型AI蒼炎のカイトを無自覚に生み出している。
その後、カイトが長期修復に入ると、蒼天のバルムンクと蒼海のオルカも同様に生み出した。
その容姿が前作のかれらに非常に似通ってしまったのは、アウラがカイトの事を最も信頼し、そして彼と共に名を馳せた伝説のPCであったからであった。
(G.U.漫画版のオーヴァンはこの事に対し、”女神様は余程おとぎ好きと見える”と皮肉を述べている)
THE World R:Xのネタバレなので要注意。 |
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「あなたは...騙されたのです。貴方たちはここに来てはいけなかった。なぜなら....。---」
「---過去も未来もすべて、すべて私のもの―――」
「さぁ、黄昏を受け入れなさい!!」
.hack//linkのラスボスとして登場。
トキオが天城彩花の情報を元に、彼女の兄である天城丈太郎を救うために向かったアカシャ盤の最上階。しかしそこには天城丈太郎の姿は無く、代わりに居たのは岩戸を閉ざしていたアウラだった。(上述の通りR:2以降からは自我の無いシステムとしてデータの海に散っていたはずだが、なぜか再びR:1と変わらぬ姿でアカシャ盤に閉じ籠っていた。)
実は数年前から彩花に情報を流し、トキオを連れてくるように指示していたのも丈太郎ではなく、シックザールの一人ガイストであり、彼の正体は天城丈太郎が考案した、人類の電脳移住計画(イモータルダスク)を完遂させるために作製された人工知能AIであった。
計画を遂行するにはアウラの力が必要であったが、岩戸を開くためにトキオの持つ二重存在の特性が必要であり、その為にガイストはずっと彩花を利用して操っていたのである。
直後、予めトキオのPCに仕掛けられていたウィルスに感染し、アウラは終焉の女王アウラ(イモータルダスクさせるように洗脳されたアウラ)に変貌してしまう。
そしてリアルデジタライズにより多くの人間を「THE World」に引きずり込んでしまい、更にレギオンが蔓延する”世界”へと変貌した。
解除の方法を知るためにガイストを追うも、彼は終末発作(電脳空間に長時間居た人間が化け物と化す現象)を起こした天城丈太郎にあっけなく破壊されてしまう。
このままでは取り込まれた人間たちも同様の末路を辿ってしまうために、早急に事態を解決するべくトキオ達はシックザールと共同戦線を張り、石化したカイトを救う。(ちなみにlinkに登場する過去のPC達はあくまで再現データであり本人ではない。)
そして彼らは洗脳されたアウラと戦い、洗脳を解除するワクチン弾をアウラに命中させた。
だが完全には効かず、アウラの歌声でカイトやハセヲを始めとするアカシャ版のPC達、シックザールPC達は全て消えてなくなってしまう。
...しかしAIKAの身を犠牲にした行動でかつての記憶を取り戻したアウラは洗脳を解かれ、消えてしまった。
それからのアウラの存在は(G.U.時代と同様の、システムに戻ったからなのかどうかも)不明である。