概要
泊進ノ介と詩島霧子は、シリーズ開始当初からバディとして活動し、固い絆で結ばれた相棒としてシリーズ終了までその関係は続いた。
当初は、頭が回転するまで時間のかかる進ノ介と、やたらと不愛想で仕事熱心な霧子とで、いわば典型的な「サボり魔&お目付け役」の凸凹コンビであったが、物語が進むにつれて進展し、終盤では互いへの恋心を自覚し、最終的には結婚に至っている。
ゴールインまで果たした主人公は、平成ライダーシリーズ(ほぼ)初であり、2人の組み合わせは押しも押されぬ公認カップリングとなっている。
2人の関係
2人はともに、特状課設立に際して他部署から引き抜かれた刑事であり、進ノ介は仮面ライダードライブの変身者として、霧子は彼のサポート役として、それぞれベルトさんに見定められていた。
第1話から、サボる進ノ介と連行する霧子のシーンで現代の物語がスタートしている。
このとき、進ノ介に至っては「全然笑わない」「一番苦手なタイプ」と霧子に面と向かって言ってのけるほどであったが、第2話で早くも、教習所内での追いかけっこのさなかに仲良く信号待ちするという妙な息の合い方を見せていた。
やがて打ち解けるにつれ、息の合った相棒となっていった。
ドライブピットの存在を知る数少ない人間であった霧子は、仮面ライダーマッハなどが登場するまでは、進ノ介にとって数少ないサポート役であり、生身の人間でありながらトライドロンを駆って共闘することも少なくなかった。そんな中で信頼関係も育っていき、ほぼツン100%だった霧子が笑顔を見せることも増えた。
第11話では、クリスマスイブに2人でレストランで食事をする場面が登場し、いきなり大進展を見せ……るかと思われたが、結局は特状課全員参加の忘年会、というオチを迎えている。
このあたりから、恋愛関係については周囲からもたびたびいじられるようになり、特に霧子の弟の剛からは早くも「進兄さん」と呼ばれ家族公認の仲となるが、中盤までは、当の2人は自覚さえしない(というよりできない)状態が続いた。
というのも、霧子の意識が、かつて自分を助けてくれたプロトドライブ=魔進チェイサーに向いており、進ノ介もそれを察して、チェイサーの目を覚まさせることを優先していたからである。
ただしそんな中でも、相棒としての信頼関係は強まる一方だった。第32~33話で進ノ介が死亡した(正確には特殊な仮死状態に留まっていたが)際には、霧子が、彼を復活させるための危険な運転を買って出ており、「泊進ノ介のバディは私です!」と言い切っている。
復活した進ノ介も、霧子の笑顔を見て「いい笑顔だ。帰ってきた甲斐があったよ」と言うなど、この頃には当初の凸凹なだけのコンビの姿はほとんど消え失せていた。
その後、例えば第39話では、おとり捜査のために2人でカップルを演じるという美味しいエピソードがあり、進ノ介が霧子のやけに気合の入ったコーディネートを見て「結構ガチで可愛く決めてきたな……」と思わずつぶやくなど、異性として意識していないわけではないことがわかる描写が続いた。
また、劇場版では進ノ介の子供である泊エイジが登場したが、その母親=進ノ介の妻について「普段は笑わない人」と紹介されており、明言はされないものの、進ノ介と霧子が結ばれることが示唆されつつあった。
そして、シリーズ終了間際の第42~44話で、チェイスが2人の関係に気づき、ストレートに質問するという暴挙に及んだことで、2人はようやく相手への思いを自覚した。
このときの2人のリアクションは、進ノ介は動揺のあまり食堂のお冷を顔と服にぶちまけつつがぶ飲みし、霧子は頬を真っ赤にしてケーキを掻っ込み、そして言うことは揃って「確かにいい相棒だけど、彼女(彼氏)としてはない!」の一点張りと、非常にわかりやすいものであった。
ちなみに、霧子への恋心を自覚していたチェイスは、このときに2人の想いを知って身を引いている。
結局、最終話まで告白などの場面は描かれないままだったが、最終話のテロップで、特状課解散後に2人揃って捜査一課に異動となり、後に結婚し子供(英志)を授かったことが明言された。
余談
- 平成主人公ライダー初の勝ち組と思われがちだが、『仮面ライダー電王』の主人公野上良太郎には、孫の野上幸太郎が。『仮面ライダーキバ』の主人公紅渡には、息子の紅正夫がおり、劇中では語られていないが、彼らも勝ち組であろう。『仮面ライダー鎧武』の主人公である葛葉絋汰は劇中で始まりの男に覚醒し、高司舞こと、始まりの女と結ばれたような描写がある。
ちなみに、『仮面ライダーウィザード』の主人公の操真晴人も、後に大門凛子と結ばれている。が、これはあくまで外伝作品である小説版でのエピソードで、本編では2人の関係はほとんど語られなかった。