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山雲(駆逐艦)の編集履歴

2016-05-31 01:20:33 バージョン

山雲(駆逐艦)

やまぐも

旧日本海軍に存在した駆逐艦の1隻。

※「艦隊これくしょん」に登場する駆逐艦娘については、「山雲(艦隊これくしょん)」を参照のこと。


概要

「山雲」は、藤永田造船所にて建造され、1937年7月24日進水ののち、翌年1月15日に竣工した朝潮型駆逐艦の6番艦。

竣工後そのまま第41駆逐隊に編入されたが、 1939年11月15日、所属していた第41駆逐隊が『第9駆逐隊』に改名され、以後は1942年5月15日までここに所属する。この第9駆逐隊は、本艦と朝雲、夏雲、峯雲で構成されていた。

日本が第二次世界大戦に参戦した1941年の大晦日、本艦はリンガエン上陸作戦の支援中に触雷、年明け後に応急修理を経て、本土に帰って本格的に修理することになる。これにともない第9駆逐隊より除籍され、10月1日、横須賀方面の船団護衛部隊に配属された。この1942年には、2月27日のスラバヤ沖海戦で朝雲が損傷、4月には峯雲、夏雲も整備・修理に入ってしまったため、結局第9駆逐隊が全員揃って実戦に参加した期間は3週間程度である。


山雲は1943年2月8日、トラック島へ向かう兵員輸送船「龍田丸」(元日本郵船の客船、17000トン)の護衛にあたっていたが、米潜水艦の雷撃によりこの龍田丸を失う。

当日は20mの強風と時化、日が落ちると月もない暗夜だったが、この潜水艦は相当の悪条件にもかかわらず浮上状態で魚雷4発を放ち、そのすべてが命中した。山雲も生存者救助を試みるがかなわず、結果、輸送中の兵員と龍田丸の乗員、合わせて1500名もの命が積荷の軍需物資もろとも波間に消えていった。


この年の9月15日付で第4駆逐隊所属となった山雲は同年11月19日、船団護衛中に米潜水艦スカルピンと遭遇するが、このときは、潜水艦乗組員から「スコールのよう」と形容されるほどの猛烈かつ執拗な爆雷攻撃を行い、損傷して浮上してきた同艦に主砲・機銃掃射を浴びせ撃沈にいたらしめる。スカルピンの乗組員のうち42名は、この山雲に救助されることとなった。


西村艦隊最初の喪失艦に!

本艦は戊号輸送作戦に参加していた1944年1月、敵機100機の空襲を受け、軽巡洋艦の能代大淀や駆逐艦の秋月とともに応戦し、5機を撃墜するも、こちら側にも死傷者12名が出る。

3月25日、山雲は第4駆逐隊司令艦に選ばれた。この第4駆逐隊には間もなく同型の満潮が編入され、渾作戦・マリアナ沖海戦を経て、朝雲が第10駆逐隊から編入されている。


最後の戦いとなったのはレイテ沖海戦群である。

本艦は10月25日、西村艦隊の一員としてスリガオ海峡海戦に参加。複縦陣で海峡に突入した西村艦隊ではあったが、すでに海峡の両側で米駆逐艦部隊が待ち伏せしていた。米駆逐艦マクデルマットの雷撃を受けた山雲は瞬く間に轟沈してしまう。後続した重巡洋艦最上が、付近の海上で無数の人影が浮かび「助けてくれ!」と悲壮な叫び声を上げていたのを発見し、救助にあたったが、その甲斐もなく、小野四郎艦長以下、乗組員は3名を残して絶命した。


翌1945年1月10日に除籍された本艦はまた、西村艦隊最初の喪失艦ともなったが、同艦隊は結局白露型駆逐艦時雨を残し全滅。この時点で朝潮型駆逐艦もを残し全滅し、その霞すらも翌年4月に戦没した。


ネームシップになった2代目「やまぐも」

それから21年後、1966年1月29日。

旧日本海軍の後継組織・海上自衛隊に1隻の対潜護衛艦が就役した。DD-113「やまぐも」である。

やまぐも型護衛艦はこのあと、「まきぐも」「あさぐも」が続き、数年おいて「あおくも」「あきぐも」「ゆうぐも」が建造されたことにより6隻構成になっている。このうち3番艦「あさぐも」は、初代山雲と同じ第9・第4駆逐隊メンバーでもあった初代朝雲の名を継いでおり、また「あさぐも」のあとで建造された準同型艦(みねぐも型護衛艦)「みねぐも」「なつぐも」も第9駆逐隊時代の同僚である峯雲、夏雲の名を継いでいる。

ちなみに、みねぐも型はほかに吹雪型駆逐艦・叢雲の名を継いだ「むらくも」があり、これら3隻を就役させたあとで再びやまぐも型の就役となった。「まきぐも」「ゆうぐも」は夕雲型駆逐艦に、「あきぐも」は陽炎型駆逐艦にそれぞれ由来、「あおくも」のみが海自オリジナルの艦名である。


2代目「やまぐも」は練習艦(TV-3506)に種別変更の後、1995年8月1日に除籍された。本艦の艦番号DD-113は現在、たかなみ型護衛艦4番艦「さざなみ」がつけている。


また初代山雲が最後に所属した第4駆逐隊のメンバーでは、満潮が海自の潜水艦に2度受け継がれており、現在は3代目にあたる新おやしお型潜水艦の2番艦・SS-591「みちしお」が現役。


関連項目

朝潮型駆逐艦

漣(駆逐艦)吹雪型駆逐艦の19番艦。本艦は雷型駆逐艦に続き2代目で、前述の「さざなみ」は3代目。

むらさめ型護衛艦(新):2代目「やまぐも」除籍の翌年にネームシップが就役した海自第3世代の汎用護衛艦。

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