概要
漫画『ハーメルンのバイオリン弾き』の主人公で「辺境の勇者」の異名を持つ旅芸人風の美青年。目の色は赤だったり青だったりする。年齢は16歳。特技は音楽と意外にも家事全般。鍋料理が好物の鍋奉行。元ネタは民話『ハーメルンの笛吹き男』に登場する笛吹と実在する町のハーメルン。
魔族の本拠地である北の都・ハーメルンを目指し、お供のオーボウ、スタカット村で出会った村娘フルート、愛の勇者を名乗る親友ライエル、魔族に滅ぼされたダル・セーニョ国の王子トロン・ボーンと旅をしている。
背中に背負ったコントラバス並みの大きさの巨大ヴァイオリンから奏でる音楽が武器の魔曲使いで、操った相手の潜在能力を極限まで引き出すマリオネットも使える(ただし代償は操った対象の寿命三年と副作用の地獄の筋肉痛)。天才的な音楽家としての才能と、豊富なクラシック音楽の知識を持つ。
性格はわがままで横柄で金に汚い守銭奴。ギャグパートでは仲間を盾にしたり、着ぐるみを着せたフルートをマリオネットで操って芸をさせたり、村人に法外な報酬を要州するなど多くの悪行を重ねる外道勇者だが、実は根は誰よりも優しく純粋で仲間思い。
照れ屋で悪ノリしやすい性格や幼い頃のトラウマ(後述)による人間不信が起因して他人をいじめたがる困った性分だが、その分打たれ弱いという弱点がある。つまり根っからのドS。
フルートを気に入って仲間にしたのだがやはり素直になれず、お手製の動物やら乗り物の着ぐるみを着せて芸などをさせたり、マリオネットで戦わせまくったり爆弾の着ぐるみを着せて武器にしたりと愛情表現は歪んでいる。しかしながらフルートも逞しいので、ケンカップルというか夫婦漫才の域?
帽子の下には重大な秘密を隠しており、他人に触れられるのを極端に嫌っている。
正体
実は人類の敵・大魔王ケストラーが人間に化けて天使の血を引く聖女パンドラに産ませた子供で、魔界軍王の一人である妖鳳王サイザーは双子の妹。
魔王である父親の血が濃いせいで頭に一本角が生えており、幼い頃から母親のパンドラと共に迫害されていた。心の拠り所は当時領主だったライエル一家で、ライエルとは「ハーちゃん」「ライちゃん」と呼び合う仲。ちなみにバイオリンは元々パンドラが持っていたもの。
ところが魔族の策略により、パンドラが村人に騙されて魔族に浚われ、人間への怒りと憎しみで「魔族の血」が覚醒。ライエルを除いた村人全員を虐殺するという『アンセムの悲劇』を引き起こしてしまう。この事件からライエルに両親の仇として狙われ、ハーメルにとっても根深いトラウマとなっている。
ライエルとは二度目の再会後に和解して旅の仲間に。また、正体を知ってもなお自分を信じてついて来てくれるフルートを心の拠り所にするが、
人間の嘆きや苦痛を喜びとする魔族には格好のウィークポイントとして、何度も陰湿な心理攻撃を仕掛けられてしまうことになる。
アニメ版
シリアスの緩和剤となっていたギャグ要素が抹消されているため、原作以上にコミュ症っぷりが悪化し、無口で人を寄せ付けない性格。
アンセムの悲劇の後に記憶喪失の状態でスタカット村に流れ着いたという設定で、幼馴染のフルート以外には心を開かない。終始フルートに優しいという原作ではありえないきれいなハーメルの姿を見ることができる。
「魔族として生きる」か「人間として生きるか」の間での葛藤が心の均衡を保っていた側面があり、「人間としてフルートと生きる道」を選んだ途端、皮肉にも…