詳細はwikipediaのTBF_(航空機)を参照。
概要
TBFは「Torpedo Bomber F(グラマン社の社番)」の意。
第二次世界大戦中にグラマン社が開発し、アメリカ海軍に採用された艦上雷撃機。日本軍でいうところの艦上攻撃機にあたるが、強力な艦上爆撃機でもあった。
総生産機数9,836機。
第二次世界大戦
主力艦上雷撃機TBD(デバステーター)が旧式化したため、1939年、アメリカ海軍は新型艦上雷撃機の競争試作を各航空機会社に指示し、グラマン社の設計案が採用となった。
試作機は1941年8月7日に初飛行し、制式採用された。
初陣となった1942年6月5日のミッドウェー海戦ではミッドウェー島の基地航空隊に6機が配備されたが、戦闘機の護衛のない進撃だったこともあり、1機を除き撃墜されてしまった。
その後、アメリカ海軍の魚雷不発問題により1944年6月まで主に爆撃機として運用されたが、1942年11月13日の第三次ソロモン海戦では戦艦比叡撃沈に貢献した。
アメリカ軍が制空を確保すると戦果は拡大し、マリアナ沖海戦での空母飛鷹、シブヤン海海戦での戦艦武蔵、エンガノ岬沖海戦での空母瑞鶴、坊ノ岬沖海戦での戦艦大和と、大型軍艦を次々と撃沈。巡洋艦以下の中小艦艇や潜水艦、輸送船も多数撃沈している。
大西洋戦線においても空母や護衛空母に搭載され、ドイツ海軍のUボートを多数撃沈した。
GM社による生産
1942年春、グラマン社はF6Fの生産に集中する事になり、TBFとF4Fの生産ラインはGM(ゼネラルモーターズ)社の航空事業部「イースタン・エアクラフト」に移された。GM製TBFはTBMと呼ばれ、約4,600機が生産された。
アメリカ国外での運用
第二次世界大戦中はイギリス海軍に供与され、「ターポン」の名で運用された。また、ニュージーランドへも少数機が供与された。
戦後はイギリス、ウルグアイ、カナダ、フランス、オランダなどに供与され、海上自衛隊でも対潜哨戒機として運用された。
民間での運用
特に第二次世界大戦後半に生産されたTBMは大量の余剰機が出たため、民間に払い下げられ、消防用、遊覧飛行用などに活用された。現在も飛行可能な機体が多数残っている。
TBFの特徴
単発3座ながら運用重量が8tに達する機体で、無骨な外観を持つ。
操縦性は鈍重だが安定性が高く、機体は極めて頑強で、防御火力は強力である。
大容量の燃料タンクにより完全武装状態でも1,600kmの航続距離があった。
性能諸元(TBF-1C)
全長 | 12.48m |
翼幅 | 16.51m |
空虚重量 | 4,788kg |
エンジン | ライト R-2600-8 サイクロン14 空冷2重星型14気筒×1 |
最大出力 | 1,700馬力 |
最高速度 | 436km/h |
航続距離 | 1,778km |
実用上昇限度 | 7,100m |
乗員 | 3 |
武装 | ブローニング 12.7mm機銃×3(翼内2、後方旋回銃座1)、ブローニング 7.62mm機銃×1(腹部旋回銃座) |
爆装 | Mk13航空魚雷×3 または227kg爆弾×4(爆弾槽)、各種ロケット弾×8(翼下パイロン) |