「500形」の形式を名乗る車両は複数存在するが、ここでは主要なものを取り上げる。
営団地下鉄500形
帝都高速度交通営団の車両。丸ノ内線向け。300形、400形に続くWN駆動車として1957年に登場した。変更点は単行運転がなくなったため片運転台構造に変更したことである。のちに中間に入った車両に関して貫通幌の取り付けと運転台撤去が行われている。
02系に置き換えられ1995年に引退。一部はアルゼンチン・ブエノスアイレス地下鉄へ移籍したが、老朽化のため現地での廃車が進んでいる。この際、古巣の東京メトロは771,734,584,752号車の4両を買い戻し、東京メトロにて保存することになった。
江ノ島電鉄500形
江ノ電の500形は初代と2代目が存在する。初代500形は1956年に登場。在来車の機器流用と車籍の流用を行い2編成が製造された。1989年から1990年にかけツリカケ駆動からカルダン駆動へ改造。冷房装置が搭載できない車体構造だったため2003年までに引退し、カルダン駆動化後の機器類は20形へ流用された。
2代目500形は2006年に登場。江ノ電で初めてステンレス製の車両となったが、従来車と同様車体全体に塗装が施されている。VVVFインバータ制御も本格採用。車体デザインは初代500形をイメージしたものとなった。2編成が現役。
小田急電鉄500形
ロッキード式モノレール。日本ロッキードモノレールが開発した試作車を小田急が譲受したもので、向ヶ丘遊園へのアクセス路線に使用された。2000年に台車に致命的な亀裂が発見されたことで運行休止、のち2001年の路線廃止とともに廃車となった。
上信電鉄500形
同社のオリジナル車両、200形のうち非冷房で残っていた編成を置き換えるため、西武鉄道の新101系を改造して譲受した。2両編成2本。
湘南モノレール500形
300形の置き換え用として1988年から1991年までに3両編成6本を製造。湘南モノレールで初めての冷房車となった。2016年に引退するまで同社の主力として活躍した。