概要
2016年の大河ドラマ、『真田丸』にて、有働由美子アナのナレーションによって次々と葬られる現象をこのように呼ばれるようになった。
織田信長をはじめ、加藤清正や明智光秀などの高名な偉人たちに加え、真田信繁の実母、薫までもナレ死によって葬るという非情っぷり。
これには脚本を努めた三谷幸喜による「信繁が直接目の当たりにしたシーンでなければ、たとえ歴史的大事件でも詳しく描かない」という方針によるものだが、中には例外もあり、信繁とほぼ関わりの無い細川ガラシャなどが信繁の目を通さず死が描写されている(真田兄弟に次ぐ主要人物であるきりが目撃しているためかもしれない)。また、信繁に関わりの深かった石田三成や大谷吉継も回想によって死が描写されている。
しかし例外的にナレ死を跳ね返した人物も存在する。第二十六話で大往生を遂げる信繁の祖母で真田一徳斎の妻、とりは有働アナによるボイスの魔の手が迫るや否や「ちと早すぎた!」とマホカンタの如く跳ね返し、信繁と信幸に「離ればなれになっても真田はひとつ」と真田の命運を見据えた格言を残した。が、その直後速やかにナレーションで葬られた。
また、片桐且元は第四十七話にて徳川家康の策略により主君である淀殿を裏切ることになり、絶望の中直後に挿入された有働ボイスによりナレ死を遂げた…と思われていたが、最終話にて高台院に改めた北政所に茶を振る舞われている場面が挿入された。まぁ時系列的に真田丸終了時点ではまだ生存していたからおかしな事ではないが。
最終回では有働氏によるナレーション自体が控え目だったのだが、最後の最後に「松代藩は、倒幕のきっかけになる天才兵学者・佐久間象山を生み出すことになるのだが…それはまだ、ずっと先のお話である」と、徳川幕府そのものがナレ死させられるという特大の爆弾が放り込まれた。
主なナレ死被害者
- 織田信長(第四話「挑戦」にて)
- 穴山梅雪(第五話「窮地」にて)
- 明智光秀(第六話「迷走」にて)
- 豊臣秀長(第二十五話「離別」にて)
- とり(第二十六話「瓜売」にて)
- 小早川秀秋(第三十七話「信之」にて)
- 加藤清正(第三十八話「昌幸」にて)
- 本多忠勝(第三十八話「昌幸」にて)※尚、この回では真田昌幸もナレ死ではないものの死亡しており、わずか一話で三名の主要人物が死亡するという大量粛清が行われた。
- 薫(第三十九話「歳月」にて)
- 織田有楽斎(第四十八話「引鉄」にて)※厳密には死亡していないが、追放後、余生を茶の湯に生きたことが語られている。
- 江戸幕府(最終話にて)
余談
- このナレ死がウケたためか、有働アナは個人的にお葬式の司会を依頼されたとのこと。
- 2017年度大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも、第5話で小野政直がナレ死の標的にされ、第9話でも今川義元がこれに近い扱いを受けている(ちなみに同作でナレーションを担当したのは歌舞伎俳優の中村梅雀)。