- 猛々しく、霊験あらたかな神。
- 「こうじん」とも読む。民間信仰の神。
- 『ゴッドイーター』シリーズの「アラガミ」
- 『スケ番あらし』の「荒神山麗」
- 『東方導命樹』の「荒神薬子」
- 『屍姫』の「荒神莉花」
- 『フューチャーカード バディファイト』の「荒神ロウガ」
- 『百獣戦隊ガオレンジャー』の「ガオゴッド」
- 『ガイキングLOD』の「ガイキング・ザ・グレート」
神としての荒神
霊験あらたかである一方、気性が荒く猛々しい神。
素戔男尊など荒々しい性格を持つ神や、土着神として古くから祀られる自然霊など、神徳にあやかれば大変心強いが、ひとたび不敬を働けば祟りを起こしかねない気難しさを兼ね備えている。
これは神道における「荒魂(あらみたま)」の概念によるところが大きく、神霊が持つ激しい気性を表したものと考えられる。
日本仏教における荒神
【あらがみ/こうじん】と訓む。
多くは仏教の尊格とされているが、原典仏教においてそうした天部は存在しておらず、ほとんどは日本古来の土着信仰と結び付いて生まれたものと推察されている。
主に西日本を中心に信仰され、徐々に全国へと波及していった。
有名なものとして、かまどの守り神である「三宝荒神」、地域守護・氏族守護を担う「地荒神」の二神が挙げられる。
三宝荒神(さんぼうこうじん)
経典『无障礙経(むしょうげきょう)』の中で登場する「如来荒神(にょらい~)」「麁乱荒神(そらん~)」「忿怒荒神(ふんぬ~)」の三柱の神。
ただ「无障礙経」自体が偽経(ぎきょう/中国で独自に編纂された経典)であり、のちに仏教の布教に際して僧侶や陰陽師が、その間口を広げるために見出したと考えられている。
本来は「仏」「法」「僧」の“三宝(仏教における教理の中核)”を守護する神だったが、不浄を炎で焚き清め災難を退けるとされたことから、徐々に火とかまどの神として民間へも信仰を集めるようになっていった。
古い習慣が残る家ならば、台所に小さな神棚を配し、「三宝さん」と呼んで祀っている人が多い。
容貌は明王や夜叉のように荒々しい憤怒の面相をとり、三面六臂(もしく八面六臂)で、手には様々な武器や法具を携え、背中に炎を背負っている。
一方「大荒神経(だいこうじんきょう)」という経典には、たおやかな天女として登場している。
真言は――
オン ケンバヤ ケンバヤ ソワカ
“ケンバヤ”とは日本の地震の神「剣婆(けんばや)」を指すとされているのだが、密教の一大経典「大日経(だいにちきょう)」の釈本である「大日経疏(だいにちきょうそ)」にも紹介されており、列記とした天部として扱われている。
地荒神(じこうじん)
家の外に祠堂を建てて祀られることが多い。
家で祀られる場合は、火難除け・窃盗除けなど家そのものを護る神とされる。
集落などで祀られる場合は、岩や塚のある森を聖域として信仰される傾向にある。