概要
武器:三節棍
第一作では固有モデルを持つNPCとして登場し、『1猛将伝』にて無双武将に昇格した。
登場武将の中でも珍しい、ストーリー上で姓名が変わるキャラクターでもある。
農民の生まれでありながら織田信長に家臣として取り立てられ、戦場で名を上げんと躍進を続ける。後に信長が腹心・明智光秀に討たれたことを機に、自らが天下を統一せんと乗り出すことになる。
人物像
渾名である“サル”のイメージ通り、小柄な体格と軽やかな身のこなしが特徴の男性。
顔立ちについても、第一作では大きく見開いた目に紅潮した頬、鼻下の筋が長く口角が上向きの口元など、まさにサルといった風貌だったが、『2』では大幅に修正が加えられなかなかの美形となった。
衣装は全体的に黄金色のものを着用しており、爪先が反り上がった足甲を履いている。
第一作では馬印である瓢箪柄の衣装を着用し、NPC故なのか全体的なシルエットの派手さはなかった。
『2』および『3』では、史実の秀吉のものとされる「一の谷馬蘭後立付兜」をかぶり、さらに派手な具足を着用するようになった。また『3』では妻のねねと合わせるように首に黄色の襟巻を巻いている。
また『2』以降のイベントやムービーでは兜を外した姿も登場しており、髪は茶髪で信長と同じ総髪の茶筅髷。モミアゲを蓄えており、渾名通りサルっぽい印象を受ける。
性格は誰に対しても気さくでコミカルな印象だが、時には主君である織田信長にも近い冷徹な一面やしたたかさを見せることも。2以降はそういった暗部は大幅に抑えられている。
初代では訛りの強いバリバリの名古屋弁口調だったが、2以降は声優やキャラ設定の大幅変更もあってか、標準語よりの口調になっている。それでも多少なり訛りは残っており、時折「おみゃあ(お前)」などと言う事も。
また、雑賀孫市ほどではないが女好きでもあり、孫市によく「美女の集まる場所」に誘われてはノる。多忙だろうがノる。浮気癖も酷く、さすがに奔放すぎて妻・ねねも悩みの種の一つとなっているらしく、発覚するたびにオシオキされている。『OROCHI2』シリーズのとある番外シナリオでは、各時代たちの美女たちを集めてハーレムを築こうとしたが、逆に女性武将に追い詰められて会話テロップでも凄惨さが伝わるレベルでフルボッコにされていた。一度、ねねが信長の妻・お濃様にこうした夫の悪癖を相談したことがあるが、彼女からは「あんなヘボザル」と酷評されている。
戦闘スタイル
武器の三節棍は通常時は鎖が収められ普通の棍のように扱うことが可能で、棍を伸縮自在に振るうその様はさながら『西遊記』の孫悟空を彷彿とさせる。
(後にご本人とまさかの共演を果たすことになるが)
人間関係
「天下人」という立場やその気さくな性格もあり、作中のキャラクターの中では特に他武将たちとの交流の幅が広いといえる。
元農民である自身を評価し、叩き上げで重用する主君の織田信長のことを大変敬愛し、信頼している。しかし、木津川口の戦いや雑賀衆への報復など、時折みせるその残酷すぎる諸行には「見てられん」と嘆くこともある。
『3』以降に登場した竹中半兵衛からは「天下を治める器は信長ではなく秀吉」と信長への臣従を止めるべきだと諭され、本能寺の変後は黒田官兵衛から「これは好機」と明智光秀討伐を促される。
雑賀孫市とは旧友の間柄であり、傭兵家業である雑賀衆とともに秀吉に戦場で共闘する際には子供のように戯れ合う姿もあった。
後に孫市は信長に雑賀衆を弾圧された恨みから反旗を翻すようになり、彼と刃を交えることに思い悩むことになる。
同じく織田家臣である前田利家とも戦友であり、戦場では共に武功を競っている。ときにはお互いに「犬」「猿」と自評して戯けてみせることも。賤ヶ岳の戦いでは、彼の義理堅い性格を尊重し一時的に刃を交え、その後味方になるよう説得した。
妻のねねには頭が上がらないが夫婦仲は円満であり、良き理解者として献身的に支えられている。ねねとの間に子は授からなかったが、子飼いの武将である石田三成、加藤清正、福島正則らを実の子のように可愛がっている。
TVアニメ版では息子の豊臣秀頼が登場。晩年の子であるため秀吉との直接的な接点こそないものの、後に江戸で謁見した家康は、秀頼の言動にかつての秀吉の面影と将器を見出し、大坂攻めを決意させた。
織田家と同盟関係にある徳川家康とは、同じ「太平の世」を夢見る同志として強く信頼しており、小牧・長久手の戦い以降も友好的な関係を続けている。『4』では、自身の死期を察したのか、その夢を家康に託すような言葉を漏らしている。
信長の妹・お市に恋焦がれているが、初代ではあまりにも推しすぎてお市から「気持ち悪い」と評された。『2』以降も定期的に口説きに来るようで、「律儀というべきか」とその根気強さを認められつつ若干呆れられている。
『真田丸』では、そのお市の娘である茶々が登場。実父・浅井長政、義父・柴田勝家、そして母・お市と、親類を尽く戦で失っている茶々は、それらの戦で敵として関与していた秀吉のことを毛嫌いし、保護下にある立場でありながら秀吉には冷たく接し、ときには独断で行動を起こすなど身勝手な振る舞いをみせるが、小田原攻めでの心痛から日に日に衰弱する秀吉の姿には心から心配していた。
無双OROCHIでの活躍
無双OROCHIシリーズでは基本的に織田軍の武将として登場し、無印では明智光秀と共に戦国ストーリーの初期メンバーである。
孫悟空からは「チビ猿」呼ばわりされ同族と勘違いされており、挙句(勝手に)子分認定までされてしまった。秀吉も当初は憤慨しながら「わしは猿じゃない!」と否定していたが、会話を重ねる内に徐々に懐柔され、最終的にはサル語までマスターしてしまうなど、ある意味では綾御前に洗脳された鍾会と同じくらい闇が深い。
『OROCHI2』のとあるステージでは、本編で処刑するハズの石川五右衛門、ついでに凌統と揃ってお宝探しをしている最中、成り行きで悟空の「お師匠様」こと三蔵法師と出会い救援することになる。この際、三蔵からは「天竺を目指していた頃を思い出す」と言われ(凌統は沙悟浄、五右衛門は猪八戒)、仲間たちと談笑していた。
三蔵からは以降も悟空と混同されてしまっており、戦闘中の三蔵からの専用台詞においても「本物の猿みたい!」「すばしっこさは悟空以上かも?」など、やはり悟空と見比べられてしまっている。逆に秀吉も、天真爛漫な彼女をねねと勘違いする場面もあった。
その他、一族を滅ぼした曹操への憎悪を抱く馬超の姿に本編における親友・孫市を重ね見てか、彼を言い諭す場面もみられた。