菱形十二面体
ひしがたじゅうにめんたい
もしくは「りょうけいじゅうにめんたい」。カタランの立体の一種。12枚の菱形で構成される。
概要
凧形二十四面体共々、ガーネットの結晶の形としても現れる事がある。
カタランの立体の中で唯一、単独での空間充填が可能で、その時のこの図形の配置は面心立方格子構造となる(単純→立方体、体心→切頂八面体)。
立方体or正八面体の各面の中心を張るまで吊り上げる事で作る事ができ、吊り上げる高さによって「立方体⇔四方立方体⇔菱形十二面体⇔三方八面体⇔正八面体」のように変化する。
双対である立方八面体が、面において「立方体+正八面体」のようになっているのに対し、こちらは頂点において「立方体+正八面体」のようになっている。
これと菱形三十面体は、カタランの立体の中でも特異な性質を持っているが、その辺は「カタランの立体」の記事で記述する。
これ自身の各面を吊り上げたような形として二重二方十二面体も存在し(厳密には元の菱形の部分が若干折れ曲がっている)、もう少し吊り上げれば凧形二十四面体となる。
各頂点を深く切ると斜方立方八面体となる。
正十二面体との間には、双角錐と反双角錐の関係に似た関係が存在する(菱形十二面体が双角錐に相当し、正十二面体が反双角錐に相当)。
対角線比の1:√2については白銀比と呼ばれる事もあるが、諸説あるため注意。
対角線比が黄金比の菱形12枚でも多面体を構成する事が可能だが、こちらは「菱形十二面体第2種」と呼ばれる。
菱形十二面体第2種は、菱形三十面体を解体する事でも作る事ができる。