概要
通称 | カンフク |
種族 | 災いを招く者(天仙) |
二つ名 | 災いを招く者、ドローレ(女神亜伝録_東方神殺章) |
登場作品 | 『女神亜伝録_東方神殺章』ラスボス |
能力 | あらゆるモノをすり抜けられる能力 |
テーマ曲 | 古きユアンシェン(速度1.2倍)、サザンクロス |
本名は霍桓。通称は、桓。
種族は災いを招く者。
だが、それは本来の種族ではなく…本当は天仙。
仙人になるべく修業を重ねた人間が更にキツイ修行をする事で成ることが出来る。
だが、普通の人間が到達する事はあまりにも難しいため、天から認められた者は少ない。
霍桓は妻に再会するために、キツイ修行を全てやり終え、その責任感の高さから天仙に選ばれた。
天仙とは、仙人と呼ばれる者達の中でも一番格が高い存在であり
特に霍桓は守護霊(ペルソナ)の能力を持つため、力はかなりのモノだった。
例えるなら、そこらの神や悪魔が束になっても指先一つでダウンさせられるほど。
バックストーリー
※ネタバレ注意!!! 飛ばそう!!!
彼は元々、普通の人間だった。名家である霍家の頭首であり、美しい妻と結婚し賢い息子がいた。
しかし、妻が突然他界…ある理由から別居のような形になり、ある日久しぶりに会った時に
明日、私は死んでいますといった事を言い、確認してみると本当に死んでいたのだ。
妻の死により軽い鬱状態になった彼は部屋に引きこもり酒ばかりを飲んでいた。
そんな父を息子は叱咤し、目が醒めた彼は妻に謝りに行くために墓へと向かう。
しかし、墓は荒らされ妻の遺体は消失していた。途方にくれる彼の前に邪鬼は現れ言う。
お前の妻は『災いを招く者』『ドローレ』に連れ去られ、邪なる道に堕ちた…と。
取り戻す方法を問いただす彼に邪鬼は言う。
東に赴けと…そして、エーギルの話を。
話を聞き終わった彼は事の顛末を息子に全て話し、旅に出る。
邪鬼の言う通り、東に赴くと…そこには仙人がいた。
彼は『災いを招く者』から妻を取り戻すには、力と時間が必要だと知っていた。
そのため、すぐに弟子入りし…過酷な修行を二千年間続け…遂に天仙になった。
師匠である仙人から贈り物をもらった。
それは仙人としての名前…それが霍桓蝠。
中国において、蝙蝠は『福』の象徴であり空を飛べるモノ。
その『福』と翼で妻を取り戻して来いと言う…師匠なりの優しさが込められている。
だが、この名にはもう一つ意味がある。
蝠はマムシとも読むことが出来る。身近に潜む毒を持った狩人。
空飛ぶモノに喰らいつき、地に堕とすモノ。
それは彼の危うさであり、師匠は彼の心の弱さを知っていたのだ。
皮肉にも、その名の通り…彼は『世界』を喰らう蛇になってしまう。
ある意味…計算通りなのかもしれない。
天仙となった彼は『世界』を巡り、『災いを招く者』を捜し続けた。
各地には、その名を持ったモノが多数存在し、一人の事ではない事を知る。
それでも、善行を積みながら捜し続けた彼。そんな、ある日…嫌な雨に降られてしまう。
雨宿りのために教会に入り、神父と出会い…雨が止むまで話し込む。
そのなかで、神父は邪教徒達が使うモルフとエーギルの話をする。
興味を持った彼は…あることを確信する。
彼はすぐに近くにある『バチカン』の図書館に忍び込み、月の都の存在を知る。
そして確信は真実になる。彼はすぐに『月の都』に向かい、移住。
時を戻す機械…『夢幻時刻炉ラセン』の製作を始める。
『エーギル』とは、モノを動かす力であり、『運命』力のこと。
それを操る機械を作れば、時をも動かし…妻に再会できる。彼はそう考えた。
月の都の技術力のおかげで、無事に完成。後は燃料とも言える『エーギル』を注ぎ込むだけ。
そんな彼に月黄泉は言う…地上に行き、『エーギル』を集めよ…戦争を起こせと。
『エーギル』は生き物等に宿るが、強い意思を持ったモノではないと多く取れない。
彼も最初は、意思の強い生き物から取ろうと考えたが、犠牲が多すぎることから却下。
自分の『守護霊』の力で植物を生み出し、それから『エーギル』を地道に取ろうとしていた。
月黄泉の考えを最初は跳ね除ける彼だったが、行かないならば…使用させないと脅す。
辛い選択に立たされた彼…だが、そこで思い出して理解してしまった。
月黄泉の命令を素直に受ける彼…もう、かつての『霍桓蝠』ではない。
結局、取り戻せる『運命』がないのなら…創ってやる!
彼は自ら『災いを招く者』『ドローレ』になり、取り戻すことを誓う。
地上に堕りた彼は巧みな交渉術でA国に入り込み、超兵器メギドアークを作る。
そして、暴走させA国は完全に焦土と化した。3010年の8月15日の事だった。
その後、K国等を操り『世界』大戦を起こさせ『エーギル』を大量に集める。
順調に『エーギル』を集めていた所に稀神サグメが現れたことは不審がる。
『夢幻時刻炉ラセン』の破壊を恐れた彼は『月の都』に帰還。
彼を止めようとする彼女らを血の海に沈めることを宣言し、戦いは始める。
ここからは、まだ描かれていない。
どのようにして、本編に繫がるかはお楽しみだ。
容姿
髪、目から服まで全身、青で統一されたデザインである。
髪は腰下まである長髪。そのため、戦闘の時以外は結んだり鑿を櫛にして止める。
服に関しては、師匠から渡されたモノを着ている。
服のデザインに花があるのは、彼の『守護霊』の名前にちなんで。
靴は能力で作った花を自分で編んだものを履いている。
手先が器用なため、傷んだ所を直して着ている。
瞳は青目。
能力
幽霊のように壁を通り抜ける能力ではなく、物理的に壁を切り抜いて穴を開ける能力である。
具体的には、
- 髪に挿している鑿で壁を切って、丸い穴を開ける。
- その穴の中を通って壁の向こう側に侵入する。切り抜かれた壁の破片はぶち抜く。
しかし、これは彼の持つ鑿の力であるため。天仙の能力ではない。
この能力は、元ネタの話に登場する「不思議な鑿(のみ)」が由来である。
元ネタの話通り、壁に開けた穴は元に戻らずそのまま。
戦闘能力
仙術を、攻撃技としてぶつけたり、自らの補助に使用して戦う。
錬丹で鍛えた頑強な肉体を持ち、戦闘でも傷付きにくい。(自前の丹を服用している仙人は、体を鋼より硬くすることが出来る)。ほか、壁抜け・幻術・死体の蘇生とその使役(キョンシーの術)等を始めとする、数々の仙術を操る。また、自分だけが使える『守護霊』の力も強力。
ファレノプシス・ブルー・アフロディテ
長いので、彼は『ファレノプシス・ブルー』と呼ぶ。
彼だけが使える『守護霊』の名前。日本語に略すと、『青い胡蝶蘭』。
彼の周囲に生命…植物を生み出せる能力を持つ。
ジョジョの奇妙な冒険の第5部主人公であるジョルノ・ジョバァーナの
ゴールド・エクスペリエンスとよく似た能力だが、あっちと違い植物しか生み出せない。
だが、どのような環境でも対応できている植物を生み出せる等といった特徴や。
ツルを生やし、敵を拘束する。花を編んで剣にする。仙術と組み合わせ桜吹雪を生み出す。
果物や野菜を作って食べる(この能力で生み出したものは栄養満点…餓死による死は絶対にない)
新しい…『世界』に存在しない植物を作り操れる等。かなり、応用が利く。
彼の天仙の力と守護霊の力により、無敵に近い空間も創造できる。
種族
天仙。
先に書いたように本当は格が一番高い仙人の一種。
しかし、彼は災いを招く者『ドローレ』を自称しているため…そのことを記述する。
彼の妻を連れ去った存在として見られていたが、真実は違い。
一人の対象の名前ではなく、まさに種族のこと。
『世界』に痛みと哀しみをばら蒔くモノであり、誰でも成り得る存在。
つまり、最初からそんなものはいなかったのだ!
彼は『運命』と『神』に『絶望』して、自らなり…『世界』を崩壊させた。
それは幻想卿も例外ではなく、彼は自分の手で妻…霍青娥を殺したのだった。
一番、取り戻したかった…大切な人。邪鬼の言う通り、『災いを招く者』に連れられて逝ったのだ。
性格
妻とは違い、明るい性格ではなく…かなり暗い。
だが、時に大胆な行動をするため…周囲をやきもきさせる。
子供のことを大切にする男であり、教育方針や態度から青娥と口喧嘩をしてしまう。
産まれた息子のことや頭首になったため、厳しい物言いや頑固になった。
それでも、昔の感じはあり、どことなく寂しがりやである。
また、かなり…青娥に依存しているため失った時のダメージは大きかった。
元ネタ
中国の怪異譚を纏めた短編小説集『聊斎志異(りょうさいしい)』に収録されている物語のひとつ『青娥』。
この話が元ネタ。
この物語『青娥』は、
*****
評事(裁判官)を勤めていた武(ぶ)姓の男がいて、彼は道教に凝り、山に入って籠ってしまった。
彼には娘、青娥がいた。
青娥は十四の娘で、その美しさは類がなく村では評判であった。しかし彼女は、終世誰にも嫁がないと心に決めていた。彼女は幼いときから父親の書物を盗み読んでおり、仙人である何仙姑のことを慕っていた。そして自分も仙人になる決意をしていた。父親が山中に籠ってしまったこともあり、その決意は非常に硬く彼女の母親ですらも変えさせることが出来ずにいた。
霍桓(かくかん)という、同じ村に住む少年が青娥に一目惚れし、是非とも妻にしたいと望むようになる。
彼は、とある道士から譲り受けた「硬い石でも腐ったものを斬るかのように簡単に穴を空けられる、一尺ほどの不思議な鑿(のみ)」で、青娥の家の壁に穴を空けて忍び込む。
それから紆余曲折はあったものの翌年二人は夫婦となる。二人の間には息子を1人を授かる。
ところが結婚から八年後。
突然、青娥が家族に別れの言葉を告げ、自分の寝床で死んでしまう。
家族は彼女の遺体を埋葬して弔った。
その一年後。
山中で遭難した霍桓は、偶然青娥と再会する。
なんと青娥は仙人となって、彼女の父親の元に来ていた。一年前青娥は、仙術を用いて竹の棒を自分の遺体に見せ、家族に死んだように思わせて家を抜けた後、おなじく仙人となっていた父親が暮らす仙界の洞窟で隠棲していたのだ。
此処で霍桓が青娥に対して不埒な所行に及ぼうとすると「わしの洞府を汚すとはけしからん」と洞窟から追い出され、洞窟の入口は岩の壁で閉ざされてしまう。
逆上した霍桓は、持っていた不思議な鑿を使い、岩の壁を壊して、中にいた青娥を引っ張り出す。
結局、霍桓と青娥は二人で元の村に戻ることになる。
二人はそれからさらに娘1人(後に嫁入りさせた)、そして息子1人をもうけた。
その後。霍桓もまた仙人となり、成人した子らを家に残して夫婦二人、何処とも知れずに姿を消す。
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……という具合だが、東方Projectでは夫について触れられていない。
そのため、夫がどうなったのか?
色々と考えを巡らした結果…このキャラが生み出された。
関連イラスト
まだ…特にない。
関連タグ
元ネタ
『エーギル』や『モルフ』の話で出た邪教のモノ。
『災いを招く者』も元ネタ。
妻のために力を得ようとした経緯など、似たところが多い。
愛のために哀しみを生んでいた存在としての元ネタ。
テーマ曲の名前や自分の届かない愛に苦しむ存在としての元ネタ。
彼の使う拳法の元ネタでもある。
そして…邪鬼に唆されたところも。
上記から分かるが、彼はまさに愛によって哀しみと痛みを受けた存在である。
作者曰く、本編第Ⅰ部のテーマは『哀しみ』。
作者が知る…哀しみを知っている男を描いた作品は『北斗の拳』だった。
そのため、似たところが多いのだろう。