概要
任天堂の据置機。「Wiiリモコン」と呼ばれる空間認識型ポインティングデバイスを標準装備し、シンプルかつ直感的な操作性は老若男女に受け入れられた。
Wiiリモコンのモーションコントロールによる奥深い操作性は、それまで複雑化の一途を辿っていた家庭用ゲーム機のインターフェイス開発に一石を投じた。また、WiiFit等の体感ゲームデバイスを数多く提供している。
供給メディアはDVD-ROM(厳密に言うとカスタム化した独自規格)。ゲームキューブとの互換性を維持しており、ゲームソフトやメモリーカード、コントローラをそのまま利用可能。
コンピューターとしての基本設計はゲームキューブをそのまま引き継いだもので、性能的には同世代の競合ハードに比べ大幅に見劣りするものの、その分消費電力や本体サイズは大幅に抑えられている。
スロットイン方式を採用した機器としては珍しく8cmディスクをそのまま入れることができる。
仕様
CPU | IBM PowerPCカスタム「Broadway」 | ゲームキューブのCPUとの互換性あり |
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GPU | ATI(AMD)「Hollywood」 | MCM構造。グラフィック処理やその他周辺機器の制御を担当する「Vegas」と1T-SRAM内蔵の「Napa」を搭載。 |
メモリ | 1T-SRAM 24MB+GDDR3 64MB | |
メディア | Wii用12cm光ディスク+ゲームキューブ用8cm光ディスク | |
ストレージ | 内蔵フラッシュメモリ 512MB・SDメモリーカード 最大32GB | セーブデータやダウンロードソフトの保存に使用 |
モーションコントロール
Wiiはモーションコントロールを本体に標準装備した、初の家庭用ゲーム機である。
ソニーコンピューターエンターテイメントのEYETOYや、バックスコーポレーションのパワーグローブなど、モーションコントロール技術を扱った前例はあったが、どちらもゲーム機周辺機器としての小規模な取り組みである。
(単独ゲーム機としてはスクウェア・エニックスの剣神ドラゴンクエストの例がある)
発表当初はモーションコントロールに対し、懐疑的な意見が多かったが、それはWiiFitブームと言う形で払拭された。
追って、ソニーコンピューターエンターテイメントからプレイステーションMOVE、マイクロソフトからはキネクトと、競合他社からもモーションコントロールデバイスが発売され、一般的な技術となった。
リモコンストラップによる事故
発売直後、勢いよくコントローラーを振った拍子に、コントローラーがすっぽぬけ、テレビを壊す事故が発生した。
その際、リモコンストラップの弱さが指摘され、任天堂は全製品の無償交換を行った。
また、それまでの購入者全員を対象にシリコンクッションでリモコンを覆うためのカバーを配布した。
事故の再発防止のため、任天堂は、ストラップの確実な装着や、周囲の確認などを呼びかけている。
生活用品としての需要
準体感型ゲームのタイトル数が多い特性上、プレイに際し運動量が多くなる傾向がある。
そのため健康器具としての需要も高い。
Wii Fitなど一連のソフトウェアは、日々の健康管理を行うためのツールとして設計されている。
ゲーム自体は過酷なトレーニングではないが、日々の体調を自動的にデータベース化してくれる機能は、多くの健康志向者に受け入れられた。
またショッピングや情報番組、レンタルビデオなど、生活に根ざしたコンテンツが多く配信されているのも特徴。
名称
Wiiとはぼくらという意味のWEをもじった名称。人とのつながりを大切にしたいという意味で名づけられた。…が、実はwiiとは北米でちっちゃな子のおしっこを連想させる言葉。奇抜すぎるネーミングにはアメリカ合衆国ではかなり反発があったようだが(発売前のコードネーム「レボリューション」の印象が良かったため余計に)、結果的には受け入れられた。
ミンナニハナイショダヨ
Wiiリモコンは本体との通信にBluetoothを採用している。
よって、有志によって解析されており、パソコン用操作デバイスとして動作するソフトウェアが公開されている。
ただし、任天堂が了承しているわけではないので保証が受けられないことは言うまでも無い。
Wiiリモコンの拡張端子は形状は独自だが信号自体はIIC(I2C)とよばれるIC間の通信では一般的な規格による通信を行っている。
(ただし、無闇な解析や不正な機器との通信ができないように通信開始時に暗号データを送って認証を行っている)
本体については「ローパワーハイパフォーマンス」を目指して作られている。
具体的には既存のプロセッサ(ここではゲームキューブのそれを指す)の設計を流用しつつそれを最先端の技術で作り直すことにより、性能を上げるのと同時に大幅な省電力化とチップ面積の縮小化を実現している。
センサーバーは名称こそ「センサー」だがセンサーの類は搭載しておらず、赤外線を常時点灯しているだけにすぎない。
このため故障してもロウソクの火で代用が可能。
ちなみに肝心のセンサーはWiiリモコン側に搭載されている。いわばテレビのリモコンとはほぼ真逆の構造である。
後継機
2012年12月に、高い処理性能と擬似クラウドコンピューティング機能を持ち、リモコンに加え、専用コントローラーに「ゲームパッド」を追加した後継機WiiUが発売。
あなたとわたしという意味のWEとYOUをもじった名称。
Wiiとの互換機能があるため、Wiiのソフトも遊ぶことができる。
ゲームキューブとの互換性は排除されており、ゲームはもちろんコントローラーなどの周辺機器も一切使用できなくなっている。(ただしコントローラーについては例外あり)
廉価版
欧州とカナダで2012年、アメリカで2013年に廉価版WiiMiniが発売。
主な変更点として、インターネット接続機能・ゲームキューブの互換機能・ゲームキューブコントローラ接続用ポート・SDカードスロットが丸ごと排除されている。