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パワーグローブ

ぱわーぐろーぶ

1990年に発売された、ファミリーコンピュータ用の周辺機器。
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概要

家庭用ゲーム機であるファミリーコンピュータの周辺機器として1990年に発売された、かなり珍しいグローブ型のコントローラー。

前身となっているのはコンピュータ操作用のデータグローブと呼ばれるデバイスだが、このデバイスが元々非常に高価だった事もあり、その流れを汲んだ本機も(一応コストダウンは図られているものの)小売価格19800円と、ファミコン本体を余裕でもう一台買えてしまうぐらい高価だった。
アメリカではマテル社が、日本ではパックスコーポレーションが販売しており、それぞれ本体に印字されたロゴやコネクタ部が異なる。

右手に装着して使うという実に未来的なデバイスで、テレビにトラッカーを設置して右手を動かす事で、十字キーの上下左右入力の代わりにする事が出来る。
また、ベンドセンサーが内蔵されており、指の曲げ具合でAとBボタンを自在に操れる…というのがウリの商品として発売されたものの、以下のような難点を多数抱えていた。

  • トラッキングの精度がお世辞にも良いとは言い難い
  • 手を動かした後センターに戻る際にも入力を拾ってしまう事がある為に十字キー操作が困難
  • ベンドセンサーが非常に硬く、握力トレーニングの如き使用感
  • 右手用しか無いため、左利きの人からすると非常に使いづらい
  • ゲームプレイ中、腕を水平に保ち続けなければならないので非常にしんどい
  • ゲームをプレイするのにいちいちコードを入力する必要がある
  • そもそも1990年にはスーパーファミコンが発売されており、当の任天堂すら次世代機に移行している
これらの難点が致命的だったうえ、上記の価格の高さと合わせて当時日本国内ではほとんど売れなかった(一応、変速可能な連射機能やスローモーション機能などを搭載してはいる)。
こうした点について、商品を販売したパックスコーポレーションの側でも重々承知していたようで、
説明書には「ファミコンゲームを楽しむための画期的なコントローラーです。ただ操作性が大変微妙なため、使いなれるのに何日か練習が必要です。」という開き直った文言が書かれていたりする。

パックスコーポレーションは一体何を考えてこんなデバイスの販売に乗り出したのか、全く正気とは思えないかもしれないが、この会社は当時のバブル景気に乗っかって生まれ、「パックスのしわざ」と題して電車の中吊り広告を全部自社広告にしたりロケットの打ち上げに協賛として出資する、東京は汐留にライブハウスを設置するなど当時の浮かれっぷりを示すかのような数々のプロモーションを打っており、その一環として発売されたようである。

結局バブルが崩壊すると、一緒にパックスコーポレーションも崩壊する事となるが、大量の不良在庫として残された本機はたたき売りされたり一斉に中古市場などに流れる事になる。
同年にスーパーファミコンを筆頭とし、次世代機が発売されていた為に、定価の5%~10%程度という凄まじい投げ売りが行われた結果、ここで初めてゲーマーたちの手元に届き、その珍品っぷりが認められるというなんとも言えない運命をたどった。

このようにコントローラーとしてはポンコツも著しかったものの、腕に装着して使うという発想や何よりも見た目が格好良い事などから、後年モチーフとされたり元ネタにされる事は多い。
また、光線銃などとは違い、テレビにL字型の専用のセンサーを乗せて使うおかげで
ブラウン管テレビでなくても使えるというメリットもある(薄型テレビに乗せられない場合は無理やり固定する事になるが)。

対応ソフト

  • 『Super Glove Ball』:あのレア社が開発した本機専用ゲーム。本機を装着し、ボールなどを掴む。
  • ファミコンの全ソフト:公式に遊べるという事になっているが、操作性の劣悪さから実際のプレイが困難なゲームが多い。例外的に、レーシングゲーム等は前述の十字キー周りの不具合が出づらく、一部噛み合うようだ。


外部出演作品・別の用途

外部出演作品

  • 『スウィート・ロード(The Wizard)』:ゲームをテーマにした映画。ライバルキャラの天才ゲーマー、ルーカスが『ハイウェイスター』を本機で鮮やかにクリアするシーンがあり、ネットではネタにされる。
  • 『ベートーベン』:一瞬だけ本機で遊んでいるシーンがある。
  • 『Kung Fury』:カンフー、ナチス、北欧神話、ロボット等を80年台という括りで溶接したアクション映画。主人公Kung Furyを過去の世界に送り込む為に協力するハッカーが装備している。


他の用途

コントローラーとしては全く鳴かず飛ばずだった本機だが、ベンドセンサーと多数のボタンを備えていることからか、後年に音楽アーティスト達の間で入力デバイスとして使われていたり、ファッションとして使われる事がある。

  • クラフトワーク:一時期入力デバイスとして使用していた。
  • 平沢進(P-MODEL):身振りで入力するデバイスであるYAMAHAの「Miburi」も使用していたが、改造した本機「パワーグローブ改」を使用したパフォーマンスも行っている。
  • 桃井はるこ:ライブアイドル時代から長年愛用しており、ショルダーキーボードと合わせてトレードマークとなっている。

その他、海外ではこれを入力デバイスとして改造してドローンや他の機器をコントロールするウェアラブルデバイスとして仕立てている人もいるようである。

関連タグ

任天堂 ファミリーコンピュータ ファミコン

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