バトルアクション
ばとるあくしょん
概要
キャラ同士の闘いや戦闘シーン等に重点を置いている作品を指したもの。
特に物語の進展に関して、戦闘要素が重視される作品に対して呼称する。
また戦闘でも、多数同士より一対一のタイマンや2~3以下の少数での戦闘を重視し、かつキャラクターごとの動きが栄えるアクション性の高いシーンを盛り込むことで、ストーリーを盛り上げていく志向が強い。
日本の漫画・アニメ・ゲームの多くは、大なり小なり本項目の要素を含んでいる。
特に少年漫画では、その分かりやすさから数多くのバトルアクションものが描かれている。
傾向と特色
特長
- 見応えを生みやすい
- 視覚的にわかりやすいため、派手なアクションや大掛かりなカットを用いて見る側に強い印象を残しやすい。
- ドラマ性を生みやすい
- ただ戦わせるだけでなく、登場人物の心境や背景を織り交ぜることで、よりドラマチックに仕立てることが出来る。
- これに勝敗を絡めることで、キャラクターの葛藤や挫折、成長などを分かりやすく表現できる。
- キャラクターにより濃厚な背景を持たせることで骨太な路線に仕立てたり、人物関係を強い因縁で結ばせることで重厚な人間ドラマを描くことで、バトルシーンもより緊張感漂うものとなる。
- 荒唐無稽な設定を通しやすい
課題
- 冗長になりやすい
- 特に漫画やアニメの場合、ボスキャラクター一人と数週~数ヶ月に亘って戦い続けるなど、大人の事情に引っ張られて無駄に戦闘が長引く傾向にある。
- 戦闘を主軸にする限り、勝敗が決まるか、何かしらの要因で引き分けや無効試合にならなければ終われないので、引っ張りすぎると却って惰性を生んでしまう。
- 特に漫画やアニメの場合、ボスキャラクター一人と数週~数ヶ月に亘って戦い続けるなど、大人の事情に引っ張られて無駄に戦闘が長引く傾向にある。
- ストーリーに深みを与えにくい
- 前述の長所「ドラマ性を生みやすい」と一見相反するが、何に対してもバトルの勝敗にストーリーを絡めてしまうと、せっかくのドラマ性やキャラクターの背景が蛇足になってしまうこともある。
- 戦う理由や勝敗の感慨を、キャラクターへ上手く投影できれば問題ない。しかしそうした事情をあまり考えずバトルの応酬に興じると、物語全体が薄っぺらいものに見えてしまう。
- 最も重要なのは「戦う理由」に対する一貫性で、ここが揺らぐと作品自体にブレが生じはじめ、最終的に筋書きそのものが崩壊する危険さえある。
- 前述の長所「ドラマ性を生みやすい」と一見相反するが、何に対してもバトルの勝敗にストーリーを絡めてしまうと、せっかくのドラマ性やキャラクターの背景が蛇足になってしまうこともある。
- パワーインフレの懸念
- バトルと共に成長することが一種の命題であるバトルアクションにとって、ある意味で避けがたい現象。特に連載が長期化すると、キャラクターも基本的には無制限に成長せざるを得ないため、必然的にパワーインフレを起こす確率が上がっていく。
- パワーインフレそのものを作品の旨味として取り込むことも出来るが、やりすぎると見る側を置いてけぼりにし、ファンが離れていく悪因にもなる。
- バトルと共に成長することが一種の命題であるバトルアクションにとって、ある意味で避けがたい現象。特に連載が長期化すると、キャラクターも基本的には無制限に成長せざるを得ないため、必然的にパワーインフレを起こす確率が上がっていく。
分類について
しばしアクションものの代名詞として、アクションものすべてを指す呼称にされることがある。
しかしアクションについてもある程度の区分はあり、バトルアクションにも曖昧ながら暫定的な定義付けは出来ると思われる。
バトルアクションと呼ばれる場合、多くは格闘戦を主体した少数対少数のバトルを展開するものを指す場合が多い。
たとえ格闘戦が混ざっていても、銃や火薬などの兵器を主な武器として立ち回るものはガンアクションとして扱われるケースが多い。
さらにその中でも軍事要素が強く、サブミッションを含めた体術を頻繁に使用していたとしても、その場合はミリタリーアクションに分類される方向にある。
SF色が強く、バトルよりSF要素を軸にする作品はSFアクション、その中でロボットや機械性の強化スーツを主軸にした場合はロボットアクションないしメカアクションと区分される傾向にある。
ただそうした中でファンタジーはアクションものとして特別視されることが少なく、むしろバトルアクション作品の世界設定の一環として見られることの方が多いまである。逆にファンタジーが主軸で、主要な要素としてバトルアクションを取り込んでいるパターンも多い。
また異能バトルものも、見方としてはバトルアクションに分類できるものも多いが、この場合は異能の規模によって、バトルアクションに分類できるか否かが割れる傾向にある。
魔法少女ものも、近年ではバトルアクション要素を含むものが増えている。