スパルタンXとは、
- 1984年に公開された、ジャッキー・チェン主演のアクション映画。
- 1984年に公開された、アイレムが開発・発表したアクションゲーム。1を題材とする。
- SPARTAN X。1の日本公開版におけるテーマソング。プロレスラー三沢光晴が入場テーマソングとして使用していたことで知られる。
概要(映画)
原題、快餐車(Wheels on Meals)。サモ・ハン・キンポー監督、ジャッキー・チェン主演。
スペイン、バルセロナ。移動販売車「スパルタン号」で軽食を販売し生計を立てていたトーマス(ジャッキー・チェン)とデビッド(ユン・ピョウ)は、ある日シルヴィア(ローラ・フォルネル)という美女と出会う。実は悪の組織に追われており、とうとう拉致されたシルヴィアを助けるため、トーマスとデビッドは自慢のカンフーを駆使し、私立探偵の男モビー(サモ・ハン・キンポー)と共に組織に決戦を挑む…
軽妙なスラップスティック・コメディと、カンフーを駆使したアクションシーンが見どころである、典型的な「ジャッキー・チェン主演の香港映画」。中でもアメリカンキックボクシングのワールドチャンピオン経験者であるベニー・ユキーデが扮するアメリカンギャングとの戦闘シーンは大迫力であり、ジャッキーはこの戦闘シーンを自らが選ぶ戦闘シーントップ10の1位に挙げて絶賛している。この対決は後に「サイクロンZ」でも実現している。
SPARTAN X
本映画の日本公開版においては、その名も「SPARTAN X」というテーマソングが付与されていた。作曲・キース・モリソン(木森敏之)、歌・南田伝。
本曲は後に、プロレスラーの三沢光晴が入場テーマソングとして使用するようになり、一躍有名になった。
概要(ゲーム)
1984年、アーケードゲームタイトルとしてアイレムから発表。所謂ベルトアクションの草分け的な存在である(今作はサイドビューアクションゲームだが)。海外でのリリース名は「Kung-Fu Master」。
「ミスターX」に拉致された恋人シルヴィアを救い出すため、トーマスが単身組織のアジトに殴り込みをかける…という、基本プロットは上記映画の通りとなっているが、内容は映画のそれとはかけ離れており、どちらかと言えばブルース・リーの「死亡遊戯」に近いビジュアルになっている。
これはゲーム自体が映画の内容をほとんど確認しないで作られているためである(この他にも例えば「ルパン三世」がアルセーヌ・ルパンを思わせるデザインにされている等、当時の「原作付きゲーム」では原作とかけ離れた内容であるのは珍しい話ではなかった)が、一方で香港映画は撮影途中でかなりフリーダムに内容が変わることがあるため、ゲームの内容が本来のプロットと合致しているのかどうかは謎である。
後にファミリーコンピュータとMSXに移植。
MSX移植版は商標の都合上(既に「ジャッキー・チェンのスパルタンX」というゲームソフトが存在した)、「聖拳アチョー」というタイトルに置き換えられている。
ファミコン移植版は任天堂が自ら担当(ディレクターは宮本茂)。当時の小学生に人気があった漫画「ファミコンロッキー」で「24周クリアするとシルヴィアが真の最終ボスとして攻撃してくる」というフィクションが描かれ、これが検証の困難さも相まって真実であると誤解されるケースが多発した。またほとんど知られていないが、「スパルタンX2」という続編タイトルもある(映画の内容ともこのゲームともほとんど関係はない)。
なお、当のジャッキー・チェン自身はこのゲームタイトルについてはあまり知らなかったようで、後年別なタイトルのプロモーションのために来日した際にこのゲームタイトルについて質問され、ギャラを要求する仕草を見せるというハプニングも起きている(ジャッキー自身はジョークとして行ったとのこと。また当然であるが当時正当な使用権をきちんと取得している)。
このゲームに携わった西山隆司氏はカプコンに移籍。格闘ゲームの礎となった「ストリートファイター」の制作に関わる事になる。
2つの「スパルタンX2」
前述通り、続編の「スパルタンX2」が1991年にファミコン専用タイトルとして発売されている。今作は任天堂からではなく、大本であるアイレムからの発売である。
主人公もシステムもほぼ同じであり、大きく異なるのは回復アイテムの存在とコンティニューが可能な点である。
・・・実は、これとは別に1987年にアーケードゲームとして続編が作られていたという。
百聞は一見に如かず、以下の動画を見て頂きたい。
当然、世に出てはいない。ロケテストが行われたのかも不明であるし、外部へ流出した経緯の詳細もわからない。それ以前に真贋のほども不明である。
しかしながら、偽物と考えるには早計であろう。これにはファンメイド作品にありがちな取って付けたような上位機種的な仕様が存在しないし、ゲーム会社や開発スタッフごとにあるテンポ感(ラウンドスタートから自キャラを動かせるようになるまでの時間や、敵の出現するタイミングおよびその緩急など)が、前作のソレと遜色が感じられない。本物である可能性は十分にある。