私の悲願は・・・出世して安全な後方でエリートコース!
なのに
最前線配置!? どうして!!!こうなる!!!
概要
『幼女戦記』の主人公。
前世は日本のエリートサラリーマン(CV:鳥海浩輔)で、徹底した合理主義的思考を持ち、人事課で素晴らしい活躍をしていたが、彼にリストラされたことを逆恨みした元同僚の手によって殺された際、転生前に神を名乗る存在Xと謁見する。しかし後述のように無神論者である彼は、目の前の存在が本物の神である可能性を全否定してまともに取り合わず、その「不信心」に怒った存在Xによって「神への信仰を取り戻すように」と、魔法の存在する、ヨーロッパに似た戦争前夜の異世界に女児として転生させられる。
転生先の祖国が戦争不可避な国際情勢であり、魔導師適性があるせいで将来的に確実に徴兵が来る身の上だったので、士官学校へ入学して優秀な成績をおさめ、安全な後方勤務ができる軍官僚になろうと画策。
しかし士官学校の実地訓練にて北方の国境部隊に派遣されている時期に国境紛争が勃発。初陣で、敵一個魔導中隊に単騎で600秒の遅滞戦闘を貫徹。スコアも撃墜4・不明2と初戦でエース級の活躍を見せ、英雄しか生きて貰えないという銀翼突撃章を授与されてしまう。
軍内での二つ名は「白銀」か「錆銀」と、敵からはネームド扱いされており、特にライン戦線での暴れっぷりから「ラインの悪魔」と呼ばれる。
モンドラゴンM1908を常に携行、使用している。
銀翼突撃章
危機に陥った味方を救いあげた、大天使のごとき救い手のみに許される名誉。その授与規定は熾烈なまでに過酷であり生還して受賞した者は稀。大半は故人のヘルメットとライフルが代理で受章するという。
階級
士官学校(士官候補生)→北方国境実地訓練時(准尉)→ライン戦線時(少尉)→軍大学(中尉)→V601部隊編成官(大尉)→203航空魔導大隊長(少佐)→サラマンダー戦闘団(中佐)
能力
合理的かつ柔軟な思考力、時にリスクを顧みない(注:自分の命と出世を除く)決断力、それでいて戦略レベルでの俯瞰的な視野を併せ持つ傑物。部下曰く「徹底した火力戦の信徒であり、議論の余地なく、否応の無い運動戦の権化であり、最後にようやく魔導師であるらしい」。転生以前から軍ヲタだったことが示唆されており、戦術戦略両面で兵站を極めて重要視している。
ただし当人は「天才どもには比肩できず、努力で秀才に劣る」とモノローグで自嘲しており、自己評価は高くないことがうかがえる。
また、「人間は教育とともに成長するもの」「限られた人的資源(肉壁)は、有効に活用されなければならない」という認識に基づく寛容な姿勢と、他者以上に自分にも厳しく、失敗を謙虚に認めて改善に努めんとするその姿勢から、部下からも絶大な信頼を得ている。
ただし、経験から学ばない無能は蛇蝎のごとく嫌う(敵対者は除く)。特に組織を乱す抗命行為を非常に嫌っており、命令を遵守出来ない者を最も無能として扱う。実際にその輩を殺しかけたり、楯突いた若輩を謀殺したりもしている。
自身の戦闘能力も高く、更に存在Xの恩寵により、本来人が使える代物ではないエレニウム九五式という物理法則を歪めるレベルの魔導演算宝珠(魔法行使のための媒体)を使用できる。だが、全力で稼働させると「神を賛美したくなる」という重大な精神汚染が発生する。
内心の自由をこよなく愛するターニャ自身はこの副作用をことのほか忌み嫌い、普段は他の宝珠を使用しているが、一方でその圧倒的な高性能は認めており、やむを得ない窮地に陥った場合は度々使用している。
良くも悪くも人間を能力以外で判断しないことと、その極めて高い戦闘能力から、前線における将兵からの人気は非常に高い。
…が、非常に合理的で優秀な知性を持ちながら他者の感情を理解する能力がほとんどない。
また自分の行為が周囲からどのように解釈されるか察する能力にも疎く、本人は上官に評価されるような行動を心掛けているつもりなのだが、戦場という異常な環境下における仕事中毒者というやつは周囲の人間からは重度の前線症候群を患ってる軍人にしか見えず、後方勤務を望む発言をしても冗談としか受け取られないレベルにまでいってしまっているのに、本人だけはそれに気づかない。初陣においてすら敵を撃つことに全く躊躇が無いことから、前世から感性が相当に突き抜けていたことが推察される。
性格
無神論者の反共主義者であり、シカゴ学派の経済理論と順法精神を尊ぶ出世主義のリバタリアンで、平和主義者であると自負しており、彼女の思考はおおむねそれから外れるようなことはない。
しかしながら前途したように他者の感情に無頓着であり、勇気と愛国心をアピールした方が軍で出世しやすいので、ことあるごとにその手のアピールを欠かさないせいで、周囲からは「祖国を前にしてはいかなる論理や利害も通用しない狂信的な愛国者」、「合理的かつ常識にとらわれないあらゆる手段でもって目的を達成する生粋の戦争狂」でその欲望を満たすために軍に所属していると思われる等、ちゃんとターニャの性格を理解している人間がいない。
人間関係は上司・部下・敵のみでほぼ完結しており、友人や恋人といった対等な人間関係を無意識レベルで必要としていない節がある(戦友と呼べる人物はいるが、それでも立場的には彼女から見れば殆どが上司である)。
内心
本人はあくまで自らの立身出世のために「軍人として上官に評価されるような」行動を心がけているに過ぎない。
社畜時代に培われた経験から、どんな過酷な任務でも仕事と割り切って着実に実行している。自己保身のために努力を厭わず、軍法や国際法令などの抜け道にも精通している。部下は道具とみなしており、有能であれば権限を与えて活用するが、無能であれば躊躇なく捨て駒にする合理主義者。
しかし人的資源が限られていることや、必要以上にヘイトを集めることのリスクも考慮し、必要以上の殺戮や暴力は好まない(逆に言えば、必要な場面ではそういった手段を躊躇わないということでもある。また、相手が共産主義者である場合や存在Xの関係者と思しき場合においては「必要な場面」の基準が著しく緩み、強い攻撃性を示す)。
無能ではない部下を無駄に失うこともキャリアコースに響くと考えているため、結果として直属の人的被害は非常に少なく、部下からの信頼は厚い。
無神論者としては筋金入りで、存在Xとの対話においても彼の存在を超常の者とは認めても「真に神ならば世の不条理を放置するはずがない」とし、(悪意を持って放置する)悪魔かそれに類する(無能すぎて崇めるに値しない)存在Xであると言い切るほど。
この発言に加えて人が増えて管理できない、信仰が不足して力を振るえないと嘆く存在Xに対して「ビジネスモデルに欠陥があるのでは?」とリバタリアンとしての立場から突っ込みを入れたことが、彼女(彼?)が転生させられるに至った直接のきっかけである。
漫画版ではなぜこのような人間性を有するに至ったかについて、前世の人生が掘り下げられている。
前世の彼が生を受けたのは、冷戦まっただ中の日本でありメディアは不穏な世界情勢や国内の暴動・革命を報道して視聴者の不安を煽ってやまなかった時代であり、それで両親がいだいている不安を敏感に察しており、個人としての顔と社会用の顔を使い分けているのを幼子ながら理解していた。
そういった不穏すぎる国際情勢をおぼろげながらに理解できてしまっていたから、学校で「人間は平等だ」という教育を建前に過ぎないと断じていたが、同時に建前を守る良い子である方が万事良いという考えもあり、そうした思いは心中で呟くのみで、周囲の期待に応えることに腐心してきた。
ただひたすら優秀な成績を残すために努力し続けており、それにうぬぼれて何の担保もなく遊びほうけている級友たちのことを内心侮蔑していたが、本当の才能ある同年代の人物によって負け続けてきたため、自分も本質的には他の遊びほうけてる級友と同じ凡才と思うように屈折した感情をいだくようになった。
そして大学生になると「良い成績を残す」ことではなく「なにを為したか」で価値がはかられるようになり、理不尽に思ってもルールには適合していかなければ現実に直面する。そこで規律なき自由は破壊、自由なき規律は圧政。その矛盾を解決するのがルールであると考えるようになった。
ゆえにルールの上に自由があるというのに、ルールを守らない人物のことを自分がルールを守りながら築きあげてきたものを脅かすとして不快感を抱いていたが、この時点ではまだ彼らがまだ間違っていると決めつけるようなことはしなかった。
そんな不快感を抱いていた時にルールと自由の関係に合理性を持ち込んだシカゴ学派の理念を知り、その素晴らしさに驚喜したという。奇遇にもそれとほぼ同じころにシカゴ学派の理念に反していた社会主義諸国が立て続けに崩壊したことにより、シカゴ学派の正しさを確信するにいたった。
……要するにルールそのものに叛逆せんとする感情に怯えてそれを決して認めようとせず、あらゆることを理屈で理解しようと試みてきた結果、他人を人的資源としか見れなくなってしまったというわけである。
こうした事情から、ターニャの人生目標は「存在Xに目にもの見せてやること」「平和なところで文明的経済的な生活を送ること」の二つに集約される。
「戦争の真っ只中で追いつめられれば信仰を取り戻すだろう」というのが存在Xの思惑であるため、事実上この二つの目的は表裏一体とも言える。
嗜好品ではコーヒーを好み、煙草は嫌う(前世から嫌煙家だったことが示唆されている)。
記録
世界大戦から約四十年後の世界である連合王国の記者が世界大戦の記録を調査したところによると、公的記録のすべてが「×××××××××××」というコードにすり替えられており、「ターニャ・デグレチャフ」という名前が抹消されている。
なぜかターニャの存在そのものが機密指定されたようで、そのことを知らない記者たちはタロットカードになぞらえて「十一番目の女神」と呼んで真実解明を行っているが、ターニャを知る当時の軍人たちからはそのネーミングセンスを最高に悪いジョークと受け取っている。
(ちなみに、その大アルカナの11はマルセイユ版などでは「力」、ウェイト版では「正義」に割り振られている)
なお、戦史研究家の間で「×××××××××××」は高級将校かスパイのコードというのが有力な説。
アルファベット表記では「Tanya (von) Degurechaff」となり、連合王国の資料(おそらく英語)でも、Degurechaffで11文字になるので問題はない。
名前元ネタ
我が名はターニャ・デグレチャフ。命名は、信じるならば、神と称する存在Xによる凶行。 |
うん、この前ターニャさんなる人物、対物ライフル、デグちゃんに撃ち抜かれてましたよね? |
いや、さすがに中二アニメは、嗜んだ程度なので、はっきりとは覚えてませんが。 |
死ねという悪意を感じるのですが。 |
というWEB版での独白から、流星の双子の登場人物ターニャ・アクロウ、そして彼女を射殺する際に使用されたデグチャレフPTRD1941という対戦車ライフルの名前に由来すると推測される。
エンディングテーマ
彼女の歌う「Los! Los! Los!」は一種のキャラソンにも該当するが、本編のエンディングテーマを飾っている。
2018年からはリズムゲームへ進軍を開始し、セガ機種を完全制圧した。
なお、曲サイズがmaimaiではエンディングと同じだが、他の2機種はエンディングよりも若干のロングとなっているので注意。maimaiでは本編エンディングが止め絵だった事が理由かどうかは不明だが、本編画像の公式MAD動画に変更されている。