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デグチャレフPTRD1941

でぐちゃれふぴーてぃーあーるえすでぃいちきゅうよんいち

蘇芳の銃…もとい、ソ連製のアンチマテリアルライフル(のご先祖様)。口径は14.5mm、重量は15.7kgである。全長なんと2mオーバーの大物。
目次 [非表示]

概要編集

独ソ戦ソ連が使用した対戦車ライフル

本来の用途としては(というよりカテゴリ自体が)失敗に終わるも、その威力と精密性を両立した点が評価され後世の対物ライフルの祖先となった、銃の歴史を語る上で欠かせない存在である。


歴史編集

1941年頃にソ連で制作されたが、この銃の出生に関しては分からない事が多く、制作した人間も制作年も定かではない。wikipediaなどでは、その名の通りかつてPPD-34/38短機関銃等を開発したヴァシーリー・デグチャレフの作とされている。

第二次世界の独ソ戦でその簡便な構造から大量生産され第第的に使用されたが、ドイツ軍戦車の装甲の強化に追いつけず正面撃破がほぼ不可能になってしまう。その後は徹底的に戦車の弱点や乗員を狙うことで撃破できずとも戦闘不能にする方向に切り替えることで延命するとともに、その威力に目をつけた現場の判断で事実上の対物ライフルに転用された。1944年生産終了。28万丁以上もの生産数であった。

その生産数から戦後も朝鮮戦争で対物ライフルとして第二の人生ならぬ銃生を送ることにになり、「カテゴリ・対物ライフル」の形成に一役買った。

本銃はその後の紛争や戦争でも現役で使用され続け、弾薬は21世紀現在も生産されて子孫たちへと受け継がれている。


性能編集

銃身長1,350mm
使用弾薬14.5x114mm(M2重機関銃の弾の倍の威力)
装弾数1発
作動方式ボルトアクション式単発(排莢のみ自動)
全長2,020mm
重量15.75kg(弾薬込で17㎏)
銃口初速1,012 m/s (3,319.3 ft/s)
有効射程400m(公称。実戦では800m?)

特殊機構編集

ロングリコイルによる自動排莢機能を持つ。

これは射撃時の反動を利用して銃身が後退、その際にストックにあるプレートにボルトレバーがぶつかる事で跳ね上がってボルトのロックが外れ、銃身が元の位置に戻る際に(ボルトは下がったままなので)排莢される、というシステムである。

これによりボルトアクションライフルながらセミオートに迫る連射速度を有している……と言われているが、実際はバイポッドが銃身に直付けの為にこれを使った伏射ではロングリコイルが作動しない。土嚢などに銃身を預ける形での射撃など、銃身がフリーの状態でならば「それなりに作動する」というシロモノである。

しかしながら戦場で兵士が銃に求める性能、即ち「確実に射撃できる」「手荒に扱っても故障しない」は十分以上に持っていたので実際にロングリコイルが作動しないことが問題になったと言う話は聞かない(普通に手動で排莢すればいいだけだしね…)。


ロングリコイルがきちんと作動している貴重な映像編集

(0:42~0:50辺り。なお0:25~0:28では同じ状況の射撃にも拘らずロングリコイルが作動していない)


運用編集

本銃は大口径弾薬に由来する飛びぬけた威力をもち、独ソ戦初期にはドイツ軍主力戦車であった3号戦車及び4号戦車の側面3㎝の装甲板を貫通することができた。

しかし、ドイツ軍は3号戦車、4号戦車の側面に補助装甲板「シュルツェン」を装着し、5号戦車からは操縦手の覗き窓を間接的に外部を観察するペリスコープに変え対応した。


その後もドイツ軍が投入する新型戦車の装甲そのものが強化され、本銃は上記の通り早くも対戦車兵器としての役割を失ってしまった。

………かに見えたが、赤軍は本銃でのドイツ軍戦車の正面撃破を諦め、弱点部位を徹底して狙うよう指導したマニュアルを作った。覗き窓は相変わらず破壊可能であったし、ペリスコープも同様。履帯、起動輪の歯、砲身の他、更には砲塔から体を出した者(たいてい戦車長)を狙撃した。

これらの攻撃は多数のドイツ軍戦車を行動不能や戦闘継続不能に陥れ、特に主砲の砲身を攻撃されて砲身内が数ミリ凹んだことで発砲不能になったとか。

また現代の対物狙撃銃でよく使われる12.7mm弾に倍する威力で、それが人間に命中した場合、どうなるかは……お察しください。


対物狙撃銃0号編集

さらに本銃は精密射撃ができることを買われ、ドイツ軍への嫌がらせ攻撃にも使用された。

夜間にドイツ軍陣地を銃撃して睡眠を妨害、スープの入った鍋あるいは釜を狙撃し食事を台無しにする、トイレサウナを狙撃するetc…、もう卑怯もへったくれもなく撃ったとか……。(トイレでは死にたくないなあ)

こうして実質的な対物狙撃銃として大量生産され長く活躍した本銃は、簡単な構造、確かな威力、壊れにくいという三拍子そろったソ連らしい兵器として名を残した。

ただし重いので行軍時には二人で運搬され、それ程重いにもかかわらず反動も強烈なため、現実ではそれなりに体格が良くないと扱える火器ではない。


なお、よく間違われるがアニメルパン三世 カリオストロの城』で次元大介が使用している銃は シモノフPTRS1941である。


創作における活躍編集

DTB2期編集

蘇芳・パヴリチェンコ(CV:花澤香菜)が使用。美少女が対戦車ライフルを腰だめで撃つのはロマン。アニメ・ゲームではこの手の大型銃火器は正しい使い方をされることが少ないが、本作では正しい撃ち方の模写があった……気もするが、かわいいは正義の界隈だから仕方ないかもしれない。ペンダントから生えてくるし。その銃は伏せ撃ちだったはずだ!!


SAOオルタナティブ ガンゲイル・オンライン編集

主人公と共闘したライバルチーム・SHINCのスナイパーのトーマ(CV:森永千才)が使用。仮想空間内での戦いのため、その気になれば一人でミニガンを持ち歩くことも可能だが、パラメータ不足により比較的現実に則した使用をしている。・・・あるものを銃座兼無敵の盾にしたこと以外は。もちろん現実ではありえないが、ゲームの中ゆえの仕様です。

作中では盾を構えてM107A1と大口径ライフル同士の壮絶な撃ち合いを繰り広げる。ゲーム内の話とは言え。WW2時代の対戦車ライフルが宇宙戦艦の装甲材に撃ち勝つという快挙を成し遂げた(流石に貫通は出来なかったが、着弾の衝撃でジョイント部分を破壊する形で勝利した)。

対物ライフル自体がそれまで日本サーバーでは10丁程度しかなかったというウルトラレアアイテム扱いでありかなりの優遇を受けている。ライトノベルらしい言い方をすれば史実ナメんなSF!といったところか。

関連イラスト編集

本銃が描かれた最古のイラスト
太陽の矢センシティブな作品ライフル砲を担ぐ白露ちゃん

関連タグ編集

対戦車ライフル 対物ライフル DTB 蘇芳・パブリチェンコ 蘇芳・パヴリチェンコ SAOAGGO

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