ドイツ軍における空挺部隊の呼び名。降下猟兵はドイツ語のFallschirmjägerを邦訳したものである。
ドイツ国防軍時代の1936年に組織され、国防軍時代は一貫して空軍(Luftwaffe)の傘下にあった。
一方で武装親衛隊や陸軍もそれぞれ降下猟兵部隊を保有していた。
他国の空挺部隊と同様に先進的な装備を優先的に与えられる傾向にあり、ヘルメットもパラシュート降下に適した形のものが開発された。
なお、降下猟兵が装備するパラシュートは傘体に背中から1本のストラップでつながっている形式で、降下中に装着者が操作できるものではなく、着地姿勢が独特であったために負傷者が続出した他、降下時に輸送機から前のめりに飛び出す独特のスタイルをとるためにピストルとナイフを携行するのが精いっぱいで、他の装備品はコンテナに入れて別に投下したそうである。
ちなみに連合軍が空挺部隊用に採用したパラシュートは、傘体のストラップが両肩のハーネスにつながっているもので、輸送機から飛び降りる形で降下できたため、こちらは姿勢制御程度の操作ができる他、携行する銃をケースに入れて体に括り付けることができ、背嚢の他に戦闘服のポケットにまで装備品を詰め込み、ヘルメットにファースト・エイド・キットを取り付け、歩くのがやっとなほどの重装備で降下することができた。
第二次世界大戦後、降下猟兵は西ドイツ軍では陸軍傘下に第1空挺師団として、東ドイツ軍でもやはり地上軍(陸軍)の下に第40航空突撃連隊として結成された。
ドイツ統一後は改編を経て、2022年現在、陸軍特殊作戦師団隷下の第26空挺旅団「ザールラント」と第31空挺旅団「オルデンブルク」に集約されている。