概要
「江ノ島電鉄」のこと。略して「江ノ電」と呼ばれる(江ノ電バス等を指すこともある)。
藤沢から鎌倉の10.0kmを結ぶ、全線単線直流電化の民営の鉄道。(私鉄)
海沿いを走る風光明媚な路線として知られ、鉄道ファンや旅行愛好家からも人気が高い。江ノ島、鎌倉といった観光地を結ぶ観光列車である一方、首都圏や沿線の企業、学校へ向かう近隣住民の足としても利用されている。
昔は「江ノ島鎌倉観光」という社名で、東証に上場していた(上場廃止後、小田急電鉄の100%子会社に)。昭和30~40年代の一時期は、モータリゼーションに押され、累損を抱えて路線の存亡も危惧されたが、昭和50年代からの新車導入、また沿線がドラマの舞台になった事により湘南ブームが起こり、それに起因する観光客の増加も重なったことで業績が回復、今では小田急グループの中でも優良子会社に数えられる程となる。その小田急の路線である江ノ島線とは藤沢駅で接続する。同線には片瀬江ノ島駅があるが、江ノ電の江ノ島駅とは離れているため乗換えにはお勧めできない。
こぢんまりとした車両が半径30mの急カーブや軒下を縫い、トンネルをくぐり抜け軌道敷区間をも走る。そして社名にもなった江ノ島を望む湘南海岸と、僅か10kmの路線とは思えないほど沿線の表情に富む。また、観光路線らしく、グッズも多数そろっており、拠点の駅には江ノ電ショップがある。
全線が単線で、かつ交換(上下のすれ違い)可能な停車場が最低限しかないため、ラッシュ時でも12分間隔できれいに数字が5つ並んだ時刻表が見られる。全ての車両が2両連結の連接車であり、平日日中、ならびに早朝深夜は2連、乗客が多くなるラッシュ時や休日は4連に増車して対応している。
上記にもあるが観光や通勤通学の利用者が常に多いこともあり、短距離短編成でありながら全ての列車に車掌が乗務しており、中小私鉄としては珍しくワンマン運転を一切行っていない。
常用する転轍器はスプリングポイントなので、交換駅を出る時にはおおっぴらに割り出しができる。ただし、安全側線がないため交換駅に着くのが遅れると同時進入防止の為に場内信号の前で待ちぼうけとなる(鵠沼駅除く)。
湘南鎌倉の象徴的な鉄道であるため、非常に知名度が高く、当地を舞台にしたアニメや小説などの創作物ではかなり高い確率で登場する。とりわけ、鎌倉高校前駅横の踏切は有名。
住宅地のど真ん中を走り抜ける区間もあり、民家にぶつかりそうなほど近くを通ることもある。
そのため、踏切を設置できる箇所が少なく、近隣住民にとって線路を渡るのは非常に億劫。
そうした事情から、踏切でない場所を通ろうとする住民が後を絶たず、「勝手踏切(私設踏切)」も多く設置されている。
もちろん危険な行為であるため、江ノ電側はこうした勝手踏切にフェンスを設置して通れないようにしているものの、「住民の道を奪うな」という反発もあり、長谷寺駅から極楽寺駅辺りには、江ノ電の措置を糾弾するゲバ看板がいくつも見られる。このような問題は何も江ノ電だけではなく、他の地方私鉄でも存在しており、各社の悩みの種である。
駅一覧
全ての列車が各駅に停まる。列車行き違い:○=可能、×=不可
駅名 | 列車行き違い | 乗り換え路線 |
---|---|---|
藤沢 | × | |
石上 | × | |
柳小路 | × | |
鵠沼 | ○ | |
湘南海岸公園 | × | |
江ノ島 | ○ | |
腰越 | × | |
鎌倉高校前* | × | |
峰ヶ原信号場があり、列車行き違いを行う。 | ||
七里ヶ浜 | × | |
稲村ヶ崎 | ○ | |
極楽寺 | × | |
長谷 | ○ | |
由比ヶ浜 | × | |
和田塚 | × | |
鎌倉 | ○ | JR横須賀線 |
豆知識
一日乗車券「のりおりくん」は600円で江ノ電の駅の窓口・券売機等で発売
藤沢~鎌倉間の片道は300円なので途中江ノ島や長谷等で途中下車する、又は藤沢~鎌倉間を往復する場合は安くなる。また新宿・登戸・町田等の小田急沿線から藤沢に向かう、あるいは藤沢から
極楽寺以東を往復する場合は江ノ島・鎌倉フリーパスを使うとは極楽寺以東を往復するだけでもかなりお得だろう…
一般的知名度が高く、また車輌編成の短さもあり、いわゆる幼児向けの「電車のおもちゃ」や、趣味者向け鉄道模型の車両モデルとしてもよく採用される。
江ノ電の公式萌えキャラとして「柳小路(やなぎこみち)」というキャラクターがいる。
関連タグ
関係のある作品
青い花:舞台が鎌倉市周辺で、江ノ電が作中で度々登場する。また一時期コラボをしたこともある。
ハナヤマタ:作中に江ノ電が登場するということでヘッドマークを車両に掲出している。
由比ヶ浜結衣:ライトノベル、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。の登場人物。由比ヶ浜駅(及び由比ヶ浜)が名前の由来になっている。