「君ってつまらない人間だな。よく言われない?」
「なんだよその目は」
「こんなことが鬼になるより大事か!」
人物
演:中村優一
性格は自信過剰かつ尊大。またプライドが高く、嫌味な発言をすることが多い。
頭脳明晰で、音楽やイラストなどの文系ジャンルに優れた才能をしめし、帰国子女のためフランス語も話せる。
しかし致命的に体力がなく、運動関係全般が苦手。本人はそれを必死に隠そうとし、体育は仮病で休んでいた。(本当は実力があるかのように振る舞い、逃げていることを認めようとはしない)
また、自身が優秀だと示したいのか、何かにつけて他人に勝負を仕掛けたがる(いきなり勝負を仕掛け、相手が戸惑っているうちに自分だけ条件を達成して勝利宣言する)。
母親は外国で仕事をしており、現在は一人暮らし。父親は消防士だったが、彼が幼い頃に火災で取り残された子供を助けるために炎の中に飛び込み亡くなっている。
母親のことは「ママ」と呼んでおり、怖い時に母親に助けを求めるなど、マザコンの節がある。
明日夢と一緒にいるときに鬼の戦いを目撃し、響鬼の炎を纏った姿に父親の姿を重ねる。亡き父親を超えたいという思いから、ヒビキに弟子入りして鬼になる決意をする。
当初はヒビキに弟子入りを断られ続けたが、天美あきらの頼みもあって明日夢と共にヒビキの弟子になる。
しかし性格が性格のため、修行の意図を理解できず反発したり、持久走でタクシーを使用するという卑怯な手を使ったりもした(当然バレた)。
また、復讐に囚われたことを悔いてイブキの弟子を止めたあきらを見下したり、鬼の修行と学校生活の両立を「保険」と見下し、無断で学校を退学しようとした事もあった(後にヒビキに諭され事なきを得た)。
一度は修行を放棄して逃げ出し、自分を馬鹿にした同級生に復讐するために陰陽環を盗み出す。だがその同級生達がカシャに狙われている事を知ると人助けを行い、それをきっかけに弟子に復帰した。
復帰後は苦手な運動にも向き合うようになる。
また、邪険にしていた明日夢をライバルとして意識するようになったが、それだけに明日夢が別の道を志して弟子をやめたときには激怒し、激しく突っかかりと取っ組み合いになった。
その後明日夢とは喧嘩別れした状態だったが、1年後を描いた最終回にて、持田ひとみが魔化魍にさらわれた際に協力。明日夢をなお「自分勝手に鬼の修行を辞めた」と軽蔑していたが、明日夢が鬼以外の道でも努力を続けていることを認めて和解した。
また、この1年で鬼(変身体)への変身能力を身に付けている。
仮面ライダージオウ
第33話の『響鬼』編にトドロキと共に登場(ストーリーについてはアナザー響鬼を参照)。
アナザー響鬼を取り逃がしたジオウ・ゲイツの前に「響鬼」を名乗って現れる。
響鬼ライドウォッチを手に入れたいソウゴたちの事情を聞くとライドウォッチを入手した際には譲ることを了承するも、「鬼の力は代々鍛えた人間だけが引き継ぐもの」としてソウゴ達が鬼として相応しいか試すための修行をその条件とし、手始めに太鼓の修行を行わせる。
登場した当初からアナザー響鬼に変貌した鼓屋ツトムについて何かしらの事情を知っているような節があり、ジオウ達がアナザー響鬼と戦った際には変身体となってまで止めようとするなど不可解な行動を取った(太鼓の練習に関しても、修行でもなんでもなく、単にアナザー響鬼に接触させないようにするための口実であった可能性がある)。
また、トドロキによると鬼になることはできたが“響鬼”を襲名することはできなかった(『響鬼』の鬼は原則的に師匠の名を襲名する)らしく、トドロキからは「ただの鬼」と呼ばれていた。
その後、修行の過程でどれだけ努力しても師匠であるヒビキを超えることはできないと感じるようになったこと、彼こそが鼓屋ツトムの鬼の師匠であり、その際に勝手に“響鬼”の名を使って彼を弟子にしたこと等が明らかとなり、それらが原因で響鬼の名を襲名することができなかったことが明かされた。
“響鬼”の名を襲名できなかったこと、弟子が自分の元を去り異形の怪物へと姿を変えてしまったことは京介の心にも深い影を落としており、王様になりたいというソウゴに対し「できもしない夢なんて見ない方がいい。叶えられなくて絶望するだけだ」と、半ば自虐的な内容の言葉を発している。
しかし、その後、ツトムと同級生の間柄であったソウゴとの対話を通して、弟子であるツトムが自分がヒビキに対して抱いていたのと同じ強い憧れを抱いていたこと、彼にとっては京介こそが「響鬼」であったことに間違いはないということを告げられる。
その思いを胸に彼はソウゴらと共に、アナザー響鬼の潜伏する工場へと趣き、アナザー響鬼=ツトムへ「ツトムがいたからこそ、自分は一人前の鬼になることができた」と、自分のありったけの思いをぶつける。
そして、そんな彼の必死の思いに呼応するかのように、彼のポケットに響鬼ライドウォッチが出現したのだった。
「…俺を響鬼として認めてくれるんですね……。」
響鬼ライドウォッチを起動した京介は、とうとう響鬼へと変身。
ジオウトリニティと共闘して、アナザー響鬼を打ち倒し、見事に弟子であるツトムを助け出すことに成功したのだった。
戦いが終わった後、京介は再びツトムを弟子へと迎え入れ、2人でもう一度修行をやり直すことを決意する。
そして約束通り響鬼ライドウォッチをソウゴへと譲渡し、「俺は俺の道を進む。だからお前も王になれ」とソウゴの夢を後押しするのだった。
京介変身体
最終回で登場した京介の変身した姿。京介変身“態”とも呼ばれる。
銀色の体色で腕と縁取りが紫、金色の角が4本生えている。銀色は京介の殉職した消防士の父、紫は師匠のヒビキのイメージが反映された物らしい。TV本編ではまだ鬼としての名前はなく、『ジオウ』本編でも師匠の名を襲名できなかったことからやはり名前はなかった。
練習用の音撃棒と音撃鼓を装備している(『ジオウ』では音撃鼓が響鬼と同じ物に変わっている)。
『ジオウ』では事件解決後に響鬼ライドウォッチをソウゴに譲渡しているが、あくまで響鬼の力を譲渡しただけで、修行を通して体得した鬼の力は失っていないと思われるため、現在も引き続きこの姿に変身することは可能と思われる。
後によみうりランドのヒーローショーで登場した際は「強鬼(きょうき)」と名乗っていた(「響鬼」も同じ読みが出来る名前になっている)。
スーツは後に『仮面ライダーディケイド』のアスム変身体に流用された。
備考
本作の路線変更にあたって登場したキャラクターであり、その癖の強い性格、良くも悪くも『響鬼』後半を象徴するような存在ゆえ、視聴者からの評価は賛否両論である。
演じた中村優一氏は、放送当時は勿論のこと、放送終了後も否定派の視聴者から嫌われていたが、中村氏が後に『仮面ライダー電王』で桜井侑斗/仮面ライダーゼロノスを演じた事で、それらの悪評は一気に激減したという。
関連タグ
桜井侑斗/仮面ライダーゼロノス:中の人繋がり。素直じゃない性格という点も似ている。
九条貴利矢/仮面ライダーレーザー:名前が同じ「きりや」