百夜優一郎
ひゃくやゆういちろう
プロフィール
概要
漫画版『終わりのセラフ』の主人公。
作中では『優』と呼ばれる事が多く『優一郎』と呼ぶ者はあまりいない。
本名は天音優一郎。
黒髪でアホ毛があり、緑色の瞳をしている。(たまにSQの表紙では赤い瞳をしていたりする。)
両親から「悪魔の子」と呼ばれ、父親には包丁で殺されかけ、母親は彼を悪魔の子と叫びながら焼身自殺したが、本人は何故自分が「悪魔の子」と呼ばれていたのかは分からず、実験についても、百夜教に記憶を操作されていた為、覚えていない(なお、父親は不明だが、焼身自殺した母親は彼の本当の母親ではない)。
母親が焼身自殺をした後、百夜教の実験施設の牢にいた所、柊真昼と出会う。
その時の記憶も操作され、忘れてしまうが、八年後に阿朱羅丸が彼の過去に触れたことにより少し思い出す。
しかし、それ以上の過去の記憶はなく、阿朱羅丸でもそれ以上の過去を見ることは不可能だった。
記憶を操作された後、斎藤に連れられ、百夜孤児院に来るが、その直後世界が崩壊してしまい、その際吸血鬼に拘束され、8歳〜12歳に渡って地下都市・サングィネムで百夜孤児院の家族共々、「安全な暮らしの引き換えに血を提供する」という家畜同然の扱いを受ける。
孤児院の仲間とは四年間共に暮らしていたが「家族」とは認めておらず、事あるごとに否定していたが、ミカエラの案により、百夜孤児院の家族共々地上へいこうとするも、それはフェリド・バートリーの罠であり、彼は孤児院仲間達を殺され、ただ一人地下都市から脱出し、その際、初めて彼らを「家族」と呼んだ。
地上に着くと、そこには「預言」により彼を待っていた一瀬グレンに日本帝鬼軍へと導かれる。
それから四年後、日本帝鬼軍に所属するも、過去のトラウマからか、協調性が欠けており、幾度となく謹慎をくらっていたが、謹慎中第二渋谷高校で出会った、監視役の柊シノアや自身の同じように吸血鬼に復讐を誓っている早乙女与一、研修室で出会った君月士方、隊編成の際出会った三宮三葉と共に吸血鬼殲滅部隊月鬼ノ組・柊シノア隊に入隊し、仲間を得たことによって、本来の根が優しく、仲間思いで真っ直ぐな性格が現れる。
一方で上司や先輩への不遜な態度も目立ち、グレン中佐に対しても、馬鹿グレン呼ばわりしたり飛び蹴りを繰り出したり、鳴海真琴とは初対面であだ名付けるなどしている。
しかし、その性格からシノア隊のメンバーやグレンや鳴海からは、「馬鹿」と呼ばれながらも信頼されており、シノアと三葉からは好意を持たれている。
仲間との出会いやミカエラとの再会以降は、仲間(=家族)を守るために力を求めるようになる。
新宿でグレンの意図により終わりのセラフが発動し、「人間は皆殺しだ」と言い、暴走する。
その最中シノアを殺そうとするもミカエラにより阻まれ、さらにグレンの指示でシノアが抱きついた事により暴走は止まったが、本人は暴走中の記憶がない。
その件以降、グレンに不審を抱いたシノアと三葉により今後「グレンについていくか」、「暮人につくか」、「あるいはそれ以外」の選択を迫られた際はグレンについていくと言い、「家族を大事に」と言う隊の信条が出来た。
名古屋編では鳴海隊と合同で吸血鬼第十五位始祖ルカル・ウェスカーと交戦。
全員無傷で討伐し、鳴海から「良くやった」と評価される。
その後、一瀬グレン隊と合流し、人質をとった第十三位始祖クローリー・ユースフォードと彼の従者であり、第十七位始祖の二人チェス・ベルとホーン・スクルドと交戦するも、その実力の差から人質を全員解放した後、グレンを見捨て撤退するよう命令が下るが、優一郎は見捨てることが出来ず鬼呪促進剤を二錠飲むが、それにより心臓が破壊する。
しかし、天使により無理矢理生かされ、阿朱羅丸から制限付きで力を貸りる事に成功し、単独でグレン救出に向かうが、制限時間をオーバーした事により鬼となりかける。
しかし、そこへ駆けつけた君月の鬼籍王の能力で強制的に連れ出されると同時に鬼化を解除される。
その後、眠る彼はシノア隊からミカエラに託され、隊から離れるが、その際ミカエラが限界である事を知り、自身の血を飲ませ、彼を完全な吸血鬼へとさせる。
さらにその後ミカエラと共に名古屋空港にてシノア隊と合流するが、そこで暮人により行われていた《終わりのセラフ》計画で君月未来に宿る《終わりのセラフ》第五ラッパ『悪魔アバドン』が目覚め襲い掛かられ、家族を救う為に自身も《終わりのセラフ》を発動させ、見事撃退する。
その後、シノアの判断でシノア隊・鳴海・ミカエラと共に日本帝鬼軍から離脱する。
帝鬼軍から離脱後は、鬼と人間の人格を行き来しながら、生き残った人間から住む場所を提供してもらい、彼らをヨハネの四騎士から守っていた。
しかし、仲間になろうと言う吸血鬼フェリドとクローリーが来た事によりその場を離れる。
しかし、追って来たクローリーと第七位始祖であるフェリドから逃げ切ることは不可能と判断し、フェリドから仲間になると言う提案を受け入れる。
しかし、その直後フェリドから茜の首を見せられ、再び鬼となって暴走しかけるが、フェリドが持っていた薬で暴走は止まり、仲間達の判断でフェリドに同行する。
その最中、グレンの秘密を聞かされ、仲間達と共に動揺する。
その後、休憩時間で仲間と意見をまとめ、大阪湾まで同行すると、そこにはサングィネム奪還とクルルを罰する為に日本へ来日したウルド・ギールスとレスト・カーを始めとした多くの吸血鬼達が現地におり、騙されたと思ったが、フェリドの緊張からその疑問に対して身を引いた。
その後、裏切り者とされ日光拷問を執行されることとなったクルルとフェリドを救出する為、フェリドの館へ入り、その後やって来たグレンに彼自身の過去と目的を聞きただし、ついていく事を決断する。
そして彼の《終わりのセラフ》を中心として、シノア隊、鳴海、ミカエラ、グレン隊、クローリーで日光拷問を担当する第五位始祖キ・ルクと交戦。
結果、クルルの救出は不可能だったが、フェリドの救出に成功した。
その後、精神世界で阿朱羅丸に過去を触れられ、彼から過去の記憶がないと指摘され、本人もそれを覚えておらず、またなぜ覚えていないのか知らない。
そしてその後、グレンの実家で目を覚ますと、拘束されている第六ラッパの少年と出会い、交戦。
戦闘の最中、第六ラッパ吹きの少年にも鬼が取り憑いていることに気付き、少年を拘束した後君月に薬を打たせ、《終わりのセラフ》状態を止めた。
その際、第六ラッパ吹きの少年から出てきた十字架の子劔を持って、日本帝鬼軍に帰還。
帰還後、柊暮人との面会中にシノアが倒れた事と目を覚ました事を聞き、彼女の元へ向かう最中、柊暮人に取り憑いていた四鎌童子に精神世界に侵入される。
シノアに四鎌童子が己の精神世界にいる事を指摘され、四鎌童子におされていた阿朱羅丸を救出・共闘し(その最中、四鎌童子に「過去の記憶」についての触れられる)、四鎌童子を一度は退ける。しかし、退けたと思われた四鎌童子に背後を取られ、阿朱羅丸諸共手にかけられそうになるが、寸前の所でシノアが乱入、彼女が今まで保っていた心の扉を開けた事で回避する。しかし、心の扉を開け、四鎌童子に取り憑かれたことによりシノアの吸血鬼化が始まり、自責の念に駆られ、四鎌童子が己の過去を知っている事から自身の「過去の記憶」に鍵があると考え、柊暮人に自身を実験体にする事を条件に、シノアの救出を求める。
その後、三葉に見守られる中、一人の研究者に液体を射ち込まれ意識を失う。
直後、液体を射ち込んだ研究者が三葉を襲撃し、阿朱羅丸諸共連れ去られた。
鬼呪装備
優一郎の「愛」と「憎悪」の矛盾した感情を気に入り、彼と契約する。
憑依と具現の両方のタイプを持っており、いくつもの日本刀を具現させる「阿朱羅観音」と言う技を持つ。
終わりのセラフ
終わりのセラフ | 第二ラッパ 『塩の王』 |
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能力 | 塩で形成された剣は鬼呪装備の戦闘力を遥かに凌駕するとされ、同じく《終わりのセラフ》である悪魔アバドンさえも一撃の下に斬り伏せた。 |
ヨハネの黙示録 | 8章8節ー8章9節 |
解説 | 『ヨハネの黙示録』巨大な山のような火の固まりが海の中に落ち、海の三分の一が血に変わり、海の生き物の三分の一が死に、すべての船の三分の一が壊される。 |
最大禁忌・≪終わりのセラフ≫の被検体の一人で、その中でも最優秀と言われている。
グレンが渡した特殊配合の薬を飲んだ際、突如左目が赤く染まり、精神世界で空からラッパが表れ、音色が奏でられると、現実世界で目から黒い(アニメ版では赤い)血のような物を流し、さらには片方の背中から禍々しい翼のようなものが生え、暴走が始まった。
またこの状態では人間を皆殺しにするように考える様で、柊シノアを殺そうとするも百夜ミカエラに止められ、更にグレンから指示されたシノアにより抱き付かれ、どういう理由かは不明だが何故か暴走は止まった。
この際グレンは、この力を「切り札」と言っていた。
その数ヶ月後、名古屋決戦編にて今度は自分の意思で再び暴走した。
その際は前回と少し異なり、以前は黒い血の様なものを流し、左目のみ赤くなっていたが、名古屋決戦編では両目が黒く染まり、瞳の色は黄色くなっていた。
翼の様なものは、前回は片方のみ生えていたが今回は両方に生えていた。
口調も優一郎とは異なる喋り方をしていた為、人格は「天使」に乗っ取られていると思われる。
天使を制御する為に、自分の意思で鬼呪装備の黒鬼<<阿朱羅丸>>を受け入れ、鬼と化す。
ちなみに《終わりのセラフ》の暴走は、君月未来の場合は優一郎同様に、実験をされていたが、天使の羽の様になっているが、優一郎の場合は黒い悪魔みたいな羽になっているのは作者曰く、優一郎の暴走には鬼が関与しており、《終わりのセラフ》の暴走を鬼が止めようとする事によって羽が黒くなっている。
大阪湾では、グレンの指導とミカエラや柊シノア隊、鳴海、一瀬グレン隊、クローリーの協力のもと、薬を打ち、終わりのセラフの力を引き出した後、鬼呪装備で呪を張り巡らせてギリギリコントロールできる状態へとなり、キ・ルク戦では拷問されているクルルとフェリド救出作戦成功の重要な鍵となった。
キ・ルクとの激闘の最中、グレンを守り心臓を貫かれるが、即座に再生した。
結果、クルルを救出出来なかったが、フェリドを救出することができた。
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