概要
正式名称は「Decepticon Justice Division」(邦訳は「ディセプティコン司法局」)。ディセプティコンにおける憲兵のような部隊で、「Find. Kill. Cleanse.(訳:見つけよ。殺せ。清めろ。)」をモットーに、脱走兵や裏切り者を捕縛して惨たらしい拷問を加えた末に処刑するのを任務としている。
メンバーは6体のみだが、全員が妄信的なまでにメガトロンとディセプティコンに忠誠を誓っており、どいつもこいつも罪人を楽しんで拷問・処刑するサディストという、残忍で残念な変態の集まりである。
しかも処刑対象は負傷してオートボットの衛生兵の施しを受けた者まで含まれるので、ディセプティコンだけでなくオートボットからも凶悪な存在として恐れられている。しかしレッカーズ隊長のスプリンガーによると、『ラスト・スタンド・オブ・レッカーズ』の頃には、「エージェント113」というオートボットのスパイが潜り込んでいた。
メインメンバーの名前は、大戦を通じてディセプティコンが占領したセイバートロン星の主要都市「Fall of the First Five Cities」に因んでおり、本名というわけではない。メンバーの入れ替えがあればコードネームも引き継がれる仕組みになっているらしい。
そんなDJDが使用する宇宙船の名前は「Peaceful Tyranny(「平和的圧政」号)」であるが、これもまたメガトロンのモットー「PEACE THROUGH TYRANNY(圧政による平和を)」に由来する。
この宇宙船のエントランスにはメガトロンの像が飾られており、そこで感謝の祈りを捧げるのがDJDのメンバーの日課となっている。
処刑用BGMは、ディセプティコンだけでなくオートボットの間でも知られる有名な組曲「The empyrean suite」の第四楽章。罪人はDJDによる凄惨な拷問の末にこの曲を聞かされて死を迎えるのがお決まりのコースとなっているとのこと。
シーズン2でメガトロンの降伏及び武装解除命令を知り絶望するも、命令を無視してデスザラスの一味と結託、自分たちのディセプティコンの思想信条こそが正義と信じるようになり、メガトロンの粛清を目指すようになる。そして同シーズンの完結編「Dying of the Light」においてネクロワールドにクーデターで追放されたメガトロンやロディマスの一団と鉢合わせ、衝突する事となる。
この偶然の遭遇のみならず、オーバーロードも参戦したこともあり、戦力的に優位と思われたが、激闘の末にターンの冷酷非情さや戦術家としての素人ぶりが露呈、こう言った事が重なりデスザラス一味からは見限られ、残った4体のみでメガトロンを相手にせざるを得なくなる。そしてこの時点で精神的に弱体化したかに見えたメガトロンも実は、戦時中に構想だけに終わった反物質の武器化を習得していた事が発覚。どれだけ悪名や戦果を誇ったDJDとて完成した兵器の前では全くの無力であり、4人ともこれまでの残虐行為の報いを受けるかのようにメガトロンに倒された。
メンバー
メガトロン様大好きなデ軍顔の指揮官。詳しくは本人の記事を参照。
ターンとはディセプティコンの主要都市のひとつで、後述のヴォスやオートボットの首都であるアイアコンに隣接している。マーベル時代のTFアメコミから登場している設定の一つで、本シリーズではメガトロンの出生地という設定になっている。
- ケイオン
『処刑リスト』の名簿管理人で、電気椅子に変形する。目の部分が凹んでおり、塗り潰したかのように真っ黒である。裏設定として、そもそも目自体が存在せず、エコロケーションによって周囲を把握しているらしい。
電気椅子に変形するだけあって、その拷問方法は数千ワットの電流を流すというもの。だがこれは嬲り殺すのを目的としたもので、罪人がギリギリ即死出来ない程度に出力を調整しているとのこと。
他のメンバーについては不明確だが、ケイオンに関しては「constructed cold」である事が明らかになっている。
深手を負ったヴォスを介抱してくれたトレイルブレイカーを惨殺するなど外道な性格だが、ザ・ペットのことは非常に大切にしており、ロストライトクルーとの死闘でザ・ペットが捕まった際は誰よりも動揺し戦意を喪失してしまう。これをオーバーロードに嘲笑されたことで激昂したターンに首を引っこ抜かれて処刑されてしまった。このため直後のメガトロンとの戦いには参加できず、本名も明かされなかったが、後になって脚本家のジェームズ・ロバーツ氏のtwitterで本名がアンプであると補足された。(参考)
「ケイオン」とはかつてメガトロンがグラディエーターとして活躍した都市で、ディセプティコンの司令中枢コーキュラー要塞が設置されていた事などから、ディセプティコンの首都として扱われる事が多い。都市としてのケイオンは、『プライム』や『アドベンチャー』など他媒体の作品にも登場している。
- ヴォス
科学者。スナイパーライフルに変形する。このスナイパーライフルは、『Autocracy』においてはゼータ・プライムの武器庫に(何故かこの品と共に)確認できるほか、『MTMTE』においては過去の歴史を説明する一枚絵の中で、メガトロンがどこかの時点でこのスナイパーライフルを使用した場面が描かれている。
ターンによると皮肉屋らしいが、文法規範を極端に重視するあまり古代セイバートロン語しか喋れない変人であり、古典語に精通したターンぐらいしかまともにコミュニケーションが取れず、ヴォスが何を言っているのか読者にもわからない。最近は現代語を勉強しており、片言でなら話せるようになった模様。また後述する重傷を負った際には、プライマスへの祈りを口にしており、プライマス崇拝者の可能性がある。
画像の顔はマスクであるが、その裏側にはアイアンメイデンのような無数の棘とドリルを備えており、このマスクを罪人の顔面に押し付ける事で拷問する。その様が実にグロいと評判。スナイパーライフルの形態時は自力での発砲は不可能らしく、ケイオン、もしくはニッケルが狙撃を担当する。前者は量子エンジンの結果分裂した「もう一つのロストライト」での虐殺の際、ホワールを殺す際に使用、後者はネクロワールドでのロストライトクルーとの戦いで、メガトロンの融合カノン砲を無力化する戦果を挙げている。
かつて重傷を負って行き倒れていた時、自身の正体がDJDのメンバーと分かりながらも介抱してくれたトレイルブレイカーに対し、恩を仇で返すようにケイオンと協力して惨殺した。ロストライトクルーとの決戦では、反物質を操るメガトロンによって最初に殺害され、その際に本名は「フォレストック」である事が明かされた。
「ヴォス」とはアイアコン、ターンと隣接している都市で、マーベルUKのアメコミから登場している設定の一つ。いずれのシリーズでも、戦前にスタースクリームが政治家を務めていた都市という設定で、初登場のマーベルUK版では名目上の指導者、今回のIDWコミックにでは上院議員となっている。
- テサルス
顔に大きく✕マークが刻まれている四本腕の巨漢。セイバートロン風の装甲車に変形する。
腹部に巨大なミキサーを備えており、生きながら罪人を破砕して処刑するが、気紛れで飽きっぽい性格なので中途半端にやめてしまう事が多いらしく、アメコミ本編登場時もスカベンジャーズのフライホイールが下半身だけ残して粉砕された。
こうみえて仲間想いであり、ヴォスとケイオンが生死不明のまま置き去りにされた際は目に見えて凹んでいた。
ロストライトクルーとの決戦では、反物質を操るメガトロンによって殺害され、その際に本名は「シザーソー」である事が明かされた。
「テサルス」はディセプティコンに占領された都市の一つであり、今回のIDWコミックシリーズが初出。出身者としてはレッカーズのカップがいるが、彼がメガトロナスの引き起こした戦争に参加していた事を踏まえると、この都市は確認出来る限り、五都市の中で最古の都市という事になる。
- ヘレックス
『歩く溶鉱炉』とも称されるように、胸部の溶鉱炉で罪人をゆっくり融かしながら拷問する巨漢。巨大なアームを備えたセイバートロン風の装甲車に変形する。
「装甲車に変形し、胴体に特殊な機能を持つ四本腕の巨漢」という特徴は前述のテサルスと共通するが、デザインやカラーリングなどが大きく異なるのでほとんど似ていない。
人間的な顔つきなのでマトモそうに見えるが、実際は意識があるまま罪人のブレインモジュール(脳にあたる球体の部位)だけをえぐり出してその口に咥えさせるという某肉食系精神科医に匹敵するおぞましい嗜好を持つ変態。
ロストライトクルーとの決戦では、反物質を操るメガトロンによって殺害され、その際に本名は「クルーシブル」である事が明かされた。
「ヘレックス」とはケイオンと同じくディセプティコンの主要都市の一つであり、かつてメガトロンの玉座が設置されていた。マーベル時代のアメコミから登場している設定で、当初はオートボットのアイアコンに対するディセプティコンの首都として設定されていたものの定着せず、ディセプティコンの中枢コーキュラー要塞がケイオンに設定された事により、ディセプティコンの首都がケイオンへ設定変更されたという裏話がある。
- ザ・ペット
ケイオンが飼育する、スパークイーターに取りつかれたターボフォックス。ケイオンに命じられ、罪人に噛み付くのを仕事とする。
その正体は実はスパークイーターではなく、なんと戦前リワインドの親友だったドミナス・アンバスというトランスフォーマー。戦中、オートボットのスパイ「エージェント113」としてDJDに潜入しヴォスの名で工作活動をしており、情報を戦闘時に弾丸として戦ったオートボット兵士に撃ち込むという形で連絡を行っていた。だが、『ラスト・スタンド・オブ・レッカーズ』の後にその正体がばれ、DJDに報復として声とトランスフォームコグを奪われた挙句、洗脳処理されてビーストモードのままにされてしまっていた。
ロストライトクルーとの死闘で捕虜となり、クロームドームの解析でその正体が判明、クロームドームは自身の命と引き換えにドミナスとしての記憶を修復しようとするも、リワインドはクロームドームを犠牲にできないと修復治療を強制ストップさせ、その影響で死亡した。
続編の『Lost Light』では潜入していた時の姿が登場。手が鉤状になっている点を除けば後任者に瓜二つというものだった。
- ニッケル
DJDメンバーの健康管理を担う軍医にして紅一点。マイクロンであり、バギー、潜水艦、ジェットに変形する。
小柄で丸っこく可愛らしい容姿だが、肝が据わっており仲間を思いやる気持ちが強く、メンテナンスを怠る他のメンバーたちを臆することなく叱責している。しかし、DJDメンバーが盛大にやらかした罪人の死体を目の当たりにしても平然としているので少々肝が据わりすぎである。また非常時にはガンモードになったヴォスを使用するなど戦闘も可能。
太古のセイバートロン星から旅立ったタイタンの一人プライオンで生まれた移民の末裔であり、彼女はその最後の生き残りとのこと。
仲間たちを慕っており、ロストライトクルーとの激闘の最中、ケイオンを容赦なく処刑した挙句仲間たちを捨て駒のように扱うターンやそれに意義を唱えない他のメンバーに誰よりもショックを受けていた。そんな最中、リワインドとスワーブが起動させた「良心」を刺激する精神兵器の影響を受け、ターン達を見限りデスザラス一味と共に撤退した。
デザインを担当したのは、『トランスフォーマーレジェンズ』などの付属コミックを手掛けた坂本ハヤト氏である。(参考)