「仕掛け?そんな物は無い。儂は真実を言っているだけ。それで勝手に傷付いているのだ、身も心も!」
CV:二又一成
データ
【身長】一の目・190㎝→二の目・47.5m
【体重】一の目・83㎏→二の目・20.8t
概要
『覚』伝承のルーツとされる、キノコの様な、大口を開けた獣の様な姿を持つアヤカシ。
一人称は「儂」で二人称は「おまん」と言う古風な話し方をし、長く伸びた赤い舌の様な刀身の「舌先三尺刀(したさきさんじゃくとう)」で武装している。
頭部は勿論、首周りや二の腕がキノコの笠の様になっており、特に頭部の意匠は伸びた菌糸の様にも見える。相手を嘲笑う様な目付きと歯並びの悪い大きな口も特徴の1つで、この口こそが自身の能力の要となる。
その能力は一言で言えば悪口攻撃であり、相手が最も気にしている欠点や隠し事を一目で見抜き、それを本人に向かって言い当てる事で相手を吹っ飛ばしてしまう。傍から見ればコミカルな描写だが、実際は凄まじい衝撃で壁等に叩き付けられている為、犠牲者が命に関わる程の重傷を負わされている事は容易に想像出来る。
見ず知らずの相手であるにも関わらず、何故か対峙した者の1番触れられたくない図星を的確に言い当ててしまえる為、何者もその攻撃から逃れられない点が非常に恐ろしい。また、放たれた悪口もまさしく言葉の暴力となって精神的にも物理的にも相手を二重の意味で傷付ける点も極めて質が悪い。何よりズボシメシ自身も「相手がのた打ち回る様を見ては快感を得る」と言う悪趣味な性格の持ち主である。
こうした自身の能力と性格に加え、普段から外道衆の仲間内でも一言多いタイプとして敬遠されており、幹部である骨のシタリからも発言を極力制止させられる所から、「口は災いの元」と言う言葉をこの上無く悪い意味で体現したアヤカシと言える。
弱点はその巨大な口を塞がれる事であり、そうされると当然ながら相手への悪口を言えない為、能力を封じられてしまう。また、悪口を言われても決して動じない屈強な精神が有ればその攻撃を無効化出来る。
だが本人は、自分の言葉を絶対とする程自らの能力に強いプライドを持っている為、万が一効かない相手が現れれば容赦の無い罵詈雑言が相手を襲う事になるのは必至である。
劇中の活躍
三途の川を増水させる為に現世に侵攻すると、作業員を「デブ」、フリーターを「穀潰し」、アベックを「二股同士」と言う様に、上記の能力で大勢の人々を吹っ飛ばし、その心身を傷付けていく。
駆け付けたシンケンジャーに対してもグリーンを「落ちこぼれ」、ブルーを「ファザコン」、ピンクを「一生独身」とそれぞれの悪口を言い放ち、更にレッドをも「嘘吐き、大嘘吐き」と連続で罵倒する事で蹴散らしてしまう。
ズボシメシの言葉を出鱈目と返して向かって来るイエローだが、ズボシメシは「出鱈目なら平気の筈だ。傷付くのは図星の証拠!自分で試してみろ!」と返し、そのまま「お前は・・・ドジ!」と言い放って吹っ飛ばそうとする。だがイエローは吹っ飛ばず、そのまま自身にシンケンマルを振り下ろして来た為、吹っ飛ぶ物と高を括っていたズボシメシはそのままダメージを負ってしまう。
「何・・・そんな筈は!?」と混乱するズボシメシだったが、今度は距離を詰めて「ドジ」、「アホ」、「間抜け」、「ドンくさ女」と罵倒するもまるで通じず、逆にランドスライサーを喰らって大ダメージを受け、更に水切れの為に撤退を余儀無くされる。
撤退後、六門船で薄皮太夫に何か悪口を言って吹っ飛ばし、自身の能力が正常である事を確認(※当然太夫から怒りの制裁を喰らった)すると、再び現世に侵攻。
現れたシンケンジャーを「また自分の真実の姿を教えてやろうか?」と挑発するも、侍としての平常心を保つ事で悪口攻撃を凌ごうとする5人に対し、いの1番にブルーを「マザコン!」と罵り吹っ飛ばす。そして「お前等は引っ込んでろ!用があるのは黄色いの!お前だけだ!」と、自身の対戦相手にイエローを名指しで指名。他の4人がナナシ連中と乱戦になる中、イエローに対して「アホ!」「バカ!」「マヌケ!」と能力で読み取った悪口を次々と浴び掛けるが、相手は「うちには効かへん!」と返して袈裟斬りを喰らう。
だが直ぐに起き上がると、「儂の言葉は絶対だ!必ずお前を言葉で倒す!」と意地を張り、「いじめられっ子!」と悪口攻撃を続けるが、ことはは「うちは平気や!」と叫びつつ、またズボシメシを斬る。
後退しつつも「このっ・・・鈍感女!」と罵り、最後に「姉ちゃんの補欠!」と言い放つと、流石にイエローは一瞬怯んでダメージを受ける……かに思えた矢先、グリーンがウッドスピアーで援護し、木ノ葉隠しに攪乱。何とか立ち直ったイエローは「石」のモヂカラを発動し、対するズボシメシは口を無数の小石で塞がれてしまう。
「言葉で人を傷付けるなんて、あんたみたいなん、最低や!」
能力を封じられたズボシメシにそう叫ぶと、イエローは怒りのシンケンマル・土の字斬りでズボシメシの戦意を喪失。更に5人の兜五輪弾が炸裂し、ズボシメシは倒される。
その直後、二の目となって巨大化すると、シンケンオーを背中の3つ目からの光線で攻撃する。だが、シンケンオーが蹴り飛ばしたエンブレム形態の猿折神に怯んだ所へ、カブトシンケンオーの兜大回転砲を止めの一撃に喰らい爆散した。
戦いの後、悪口はイエローには効かなかった訳では無く、ことはは蓄積された精神的ダメージが限界点を超えた為に気絶してしまのだった。
余談
狸がモチーフの戦隊怪人は『地球戦隊ファイブマン』のタヌキツネギン以来である。
現代の伝承で『覚』は相手の心の内を読む事が出来る化け物らしく、そのルーツはこのズボシメシの悪口攻撃だと思われる。
声を演じた二又氏は昨年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』でもスピーカーバンキと言う第6話に登場する怪人の声を担当した。こちらの敵組織も異次元からの侵略者である点が共通している。
登場した第六幕でズボシメシがレッドに向けて言い放った「嘘吐き」と言う言葉は物語の終盤、丈瑠を含む志葉家全体の秘密に関わる重大な伏線となる。