CV:島﨑信長
概要
『アリシゼーション』編の登場人物。仮想世界アンダーワールド(UW)の住人である人工フラクトライト。実質的に世界初の真性ボトムアップ型人工知能であり、キリトとともに世界を歩んだ青薔薇の剣士。
亜麻色の髪と緑色の瞳を持つ少年。意外にもキリトより背が高い。温厚で誠実、それでいて友情にアツい。青い服と亜麻色の髪がトレードマーク。
来歴
ルーリッド村にて
人界の北辺ルーリッド村で、幼馴染であるキリトとアリスとともに幼少期を過ごす。だが、禁忌目録に抵触したアリスを央都の整合騎士に連行され、さらに本来現実世界の住人であるキリトもダイブ期間の満了に伴いログアウトしてしまう。他の村民と同じくキリトの記憶をラースに消された彼は、11歳から17歳までの間、アリスを救えなかった無力感とともに一人で天職に励むことになる。
10歳で彼に与えられた天職は《刻み手》。300年の間、地力・陽力を吸い上げ続けている『悪魔の樹』ギガスシダーを龍骨の斧で伐り倒すというもの。開墾のため、300年間代々受け継がれてきた天職であり、到底ユージオの代で達成できるものではなかった。この時点で実質的に、剣士になるという彼の夢は絶たれることになる。彼は、アリスとともに見つけた村の伝承に伝わる神器『青薔薇の剣』を密かに洞窟から村へ持ち帰るが、システム的権限レベルの不足により、その時点では構えることすらできなかった。
そんな時、再びUWに放り出されたキリトと出会い、成り行きで彼と二人で山脈を超えた闇の軍勢を撃退する。その際、本来大勢に分配される量の経験値をキリトと独占したことで、OC権限が一気に上昇し、一度の戦闘で青薔薇の剣を扱えるようになる。
その後、キリトから《アインクラッド流剣術》として教わった秘奥義(ソードスキル)『ホリゾンタル』を青薔薇の剣でギガスシダーに修行として打ち込み続け、一週間と経たずに300年の村の悲願である悪魔の樹の伐り倒しを成し遂げる。天職の役目を終えたユージオは次の天職を自ら選ぶ権利を与えられ、剣士として央都を目指し、アリスと再会することを決意する。
本人に自覚はないが、この時点で剣術の才能はキリトを戦慄させるほど。SAO最高の反応速度の持ち主であるキリトをして「自分はすぐに追い抜かれるだろう。」と言わしめている。
剣士を目指して
その後もキリトから《アインクラッド流》として数々の戦闘技術・秘奥義を習得しながら、ザッカリアの剣術大会でキリトと共に優勝し、ザッカリア衛兵隊に入隊。その後、『北セントリア修剣学院』の推薦受験資格を得て、定員120名の試験に第8位(キリトは7位)の成績で入学する。学院では第三席の上級修剣士ゴルゴロッソ・バルトーの傍付きの初等練士として、《バルティオ流》という別の流派の剣術も習得することになる。一年後には進級試験で第5位(キリトは第6位)の成績を出し、高等練士ではなく学年から12人しか選ばれない特待生『上級修剣士』として進級する。ちなみに制服の色をカスタムしているのは上級修剣士の特権。
ティーゼ・シュトリーネンが傍付きになり、キリトと二人貴族の子女が傍付きという現実に大いに戸惑ったものの親睦を深めようと努力する。
整合騎士となるためにさらに鍛錬に励むユージオだったが、理不尽な法の下で貴族に汚されそうになったティーゼとロニエを助けるため、ユージオはキリトとともに禁忌目録を破って剣を抜き、ウンベールの腕を切断。自らの意思で論理回路の矛盾を乗り越え、人工フラクトライトの限界を超えた、実質的に最初のA.L.I.C.E(高適応性人工知能)となる。
大罪人として人界の中心であるセントラル・カセドラルに連行される事になるが、2人を連行する整合騎士としてユージオの前に姿を現したのは、かつての幼馴染であるアリス・シンセシス・サーティだった。だがユージオはアリスが幼なじみであるはずの自分を見ても何も反応を見せなかった事に不信感を抱く。そして整合騎士と公理教会の真実を知ったユージオは、アリスを元に戻すため、キリトとともに世界の中心である公理教会に戦いを挑む。
カセドラルでの死闘
キリトと共に整合騎士エルドリエ・シンセシス・サーティワン、デュバルソート・シンセシス・セブン、ファナティオ・シンセシス・ツーと配下の四旋剣を倒し、更には単独で騎士団長ベルクーリ・シンセシス・ワンを倒す。
しかし、最高司祭アドミニストレータの甘言に屈してフラクトライトの記憶を改竄され、32番目の整合騎士ユージオ・シンセシス・サーティツーとなってしまう。キリトと剣を合わせ、なんとか正気に戻るが・・・。
ユージオは自分の無力さを痛感。しかし、幼馴染のアリスの記憶の欠片に励まされカーディナルに自らを剣にしてほしいと頼む。ユージオはソードゴーレムを倒し、アドミニストレータの片腕とレイピアを破壊するも相討ちとなり、上半身と下半身で真っ二つになってしまう。最期の心意の力で青薔薇の剣を自分の血液をリソースとして《赤薔薇の剣》に変え、キリトに立ち上がる力を与える。
「さあ、立ってキリト。僕の、親友・・・僕の、英雄・・・」
「この・・・小さな世界を・・・夜空のように・・・やさしく・・・つつん・・・で・・・」
(このセリフはweb版とラノベ版、そしてアニメ版で異なっている)
キリトから習った挨拶である「ステイ・クール」と、黒い剣に《夜空の剣》という名前を与え、アリスの記憶の欠片とともに死亡する。キリトはユージオの死により、心身喪失状態になってしまい、今後の物語に大きく影響することとなった。
異界戦争にて
ところが、ユージオの残留意識が青薔薇の剣に宿っていることが判明。
ユージオの意識はティーゼ、エルドリエ、レンリに力を与え、さらにユージオを殺してしまったという自責の念で心神喪失状態になってしまったキリトを再び立ち上がらせ、ガブリエル・ミラーを倒すのに手を貸して今度こそ去っていった。
200年後のUWへキリト達がログインした際に接触した整合機士達がその姿を確認している。
戦闘スタイル
北の守護竜に認められた者にのみ与えられる竜騎士専用神器《青薔薇の剣》。優先度は45。
元になっているのは北の果ての山脈の永久氷塊と青い薔薇。ユージオは永久氷塊の記憶から「凍結」、青い薔薇の記憶から「天命の放出」という能力を武装完全支配術へと昇華させる。
《武装完全支配術》では任意の対象を氷の鎖と青薔薇の蔓で凍結させる。
《記憶解放術》では凍結させた対象から咲かせた青薔薇を通して天命を吸収、神聖力として周囲に放出する。言ってしまえば、相手の動きを完全に封じ込めた上で命尽きるまでHPを吸い取られ続けるようなもの。
そして、この術はキリトの持つ《夜空の剣》の記憶解放術である「空間神聖力の吸収」との相性抜群。青薔薇の剣で対象の天命を吸収・放出したことによって生まれた神聖力を夜空の剣で再吸収する、といったチート戦術も可能である。
ゲーム版
登場した瞬間に原作のネタバレを炸裂。???「酷い話だ!」
さしあたって詳細については後述の原作ネタバレ節の後に記述する。
アニメ化に先駆けて各世界線に先行登場し、CVがついたのもこちらが先。
添い寝CGアリというヒロインと同様の待遇を受けている。
ホロウ・リアリゼーション
DLC第3章「神に抗いし者」にて初登場。
いきなり整合騎士モード。非道いネタバレだ!
シンセサイズされたと思しき正気を失った状態で突如『SA:O』版アインクラッド内の闘技場に出現。キリトの介入であっさりと正気に戻るも、その僅かな間に他のプレイヤーに斬りかかっていたためオレンジ化してしまう。更には正気に戻っても転移前の記憶を失ってしまい、何がどうなってそうなったかは一切不明となった。ひとまずキリトの協力でオレンジ化を回復させ、アイングラウンドの世界に留まることになる。
キリトに対してはなにやら大切な人の面影を感じているようだが、一体何があったのか…。
フェイタル・バレット
今回は水色の軍服「ジェントルトレンチ」を着用。
ちなみにカラーを黒にすると…腕章がついていたら本当に危なかった。
今度はアリスと同時に世紀末の荒廃した地球へとたらい回し。
なんかもうどこぞの独立部隊でもやってけそうである。
装備はステアーAUGっぽいアサルトライフルと軽量バランス型の光剣。後者は専用スキル「青嵐裂破」を保有している(ユージオの依頼をこなすことで主人公も習得可)。そしてこのステアー、ゲーム内ではクリティカル率の高い最強武器候補の一角である。ユージオ自身のスキルも自己バフ、他者バフ、挑発などアサルトロールながらもバランス良い仕上がりになっている。またLUCもかなり高めのため、装備を掘りに行く際にも頼りになる。さすがキリトに並ぶイケメンは格が違った。
If you…
原作者の川原先生がDVDの特典用に書き上げたifストーリー。こちらではライオスとウンベールが自業自得により退場したため、前述の悲劇が発生しなくなった。やがてキリトとユージオは、セントラル・カセドラルへ呼び出される事になり、そこでUWを守るべく奔走することになる。別名はケーキ時空orカニ時空。
アリシゼーション・リコリス
ユージオファン待望の生存ルートの存在が確定。PVではアドミニストレータとの最終決戦で赤薔薇の剣が使われたため、その後ユージオがどのように生還したのか疑問が残る。リアルで10年以上待った人たちは刮目して待とう(公式ユジアリ、キリアスユジアリも期待できるぞ!!)。
千年の黄昏
番外編たる本作ではノーランガルス帝立修剣学園在籍時の状態で登場。
中庭でのキリトとの稽古の最中に、共に謎の空間に引きずり込まれALOに飛ばされてしまう。
見知らぬ世界で途方に暮れていたところでキリトと再会、記憶を失った彼を正気に戻すため剣を交えることになる。
……ん?
そう。本作の彼はHR・FBの彼と異なり正真正銘の異世界人(?)である。比喩的な意味での異世界=仮想世界内の移動ではなく、本物の並行世界に存在するアンダーワールドから正真正銘の異世界転移をしてしまったのだ。彼が共にいた「キリト」は並行世界の同一人物であり、本作のキリトに修剣学院の記憶などはじめから無いのであった。
ひとまずネガビュ&黒の剣士合同チームに保護されたユージオ。自身の知る親友ではないとは言え、世界が違っても変わらぬキリトの強さと優しさに涙をながすのであった。
そしてお気づきだろうか。
本作のユージオがいた並行世界では、キリトも時空の歪みに飲まれ行方不明ということを。
(並行世界の)UW、ひいてはVR世界の運命はどうなってしまうのだろう…?
余談
どこまでもキリトの相棒として規格外だった彼は、2018年秋のアニメ放送開始前からアニメ未登場にも関わらず好きなキャラクターランキング上位に食い込んでいる。
2019年に開催された記念イベントでも、名だたる人気キャラを差し置き、京都のメインキャラの7名に食い込んでいる。(男性キャラではキリトとユージオのみ)
担当声優の島﨑信長氏はキリト役の松岡禎丞氏とデビュー以来の親友であることが知られており、ゲーム版でCVが決定する以前より「ユージオは島﨑さんに」と期待する声が多かった。
また、アプリゲームではのCMにも2人そろって実写で出演している。
なお、アニメ版WoUでは前期にユージオの出番はないが、実は第1話に「光秀」なる人物がモブ役で出演している。